2 / 10
実験をしましょう②
しおりを挟む
あれから、雨は直ぐに止みわたしたちは、バスの停留所をでて、今は駅の電車、乗り場にいる。
「おじいちゃん先生、これありがとう」
服が乾くまで、スーツのジャケットを貸してくれてた。
おじいちゃん先生のおかげ、ある程度乾いてくれて、ブラウスを気にしなくていい。
「なになに、紳士の務め、当然のことじゃ」
優しい微笑みで、少し心温まる。
「ええ、でもまだまだ、エスコートは続くからね?」
「任せなさい。お別れするその時までしっかり務めさせてもらうつもりじゃ」
「よろしく」
わたしはウィンクをして、お願いする。
「しかし、雨が降るもんじゃから、こんな狭い距離の乗り場じゃすぐいっぱいじゃいのぉ」
たしかに、都会とかにあるような駅と違って、路面電車だからプラットホームなんて横文字より、乗り場なんて安い感じのが似合う。
おかげで、人が溢れかえりそうなくらい多い。
「これだと電車の中も多いかもね」
「じゃのぅ、まぁ仕方ないの こんな田舎でも交通手段の要じゃ」
「ほんと、地下鉄もない町だもんねぇ~」
「狭いうえにみな行くとこなんて、街中だけじゃ」
ほんとに、栄えているとこが一か所でそこに人が集まる。その交通手段が、バスか路面電車でしかない。
「来たみたいじゃな、多くないことを祈りたいとこじゃが、待ってるのを見ると絶望じゃ」
「…あきらめよう」
電車が到着して乗り込んだはいいけど、ぎゅうぎゅうだ。
しかもアツイ。クーラーがまったく効かない。
「おじいちゃん先生、大丈夫?」
「ほっほほ、なれっこじゃて」
汗をかきながらいわれても…。わたしもうっすらだけど汗がでている。
「あつい…おじいちゃん先生」
「我慢じゃ…」
そうだけどぉ~。そう言いながら周りを見渡すと、他の乗車客も汗を拭っている。
と、見てまわってたら、急ブレーキを踏まれたのか、警笛を遠くに、電車が揺れる。
ガタン…
「キャっ」
揺れに耐えきれず、倒れると思ったら、わたしの肩に当たるものが…
――先生の肩だ
「…大丈夫かの?加納くん」
「……ええ」
おじいちゃん先生が支えてくれてるのぼーっと見てて、踏ん張りを忘れてると、電車が再び、動き出した。
「わぁぅっ」
電車が揺れて、その反動で、おじいちゃん先生の胸に寄りかかってしまう。
「ごめん、おじいちゃん先生」
寄りかかった状態で、顔をあげて謝ってしまう……おじいちゃん先生?
「……あっ…うむ、大丈夫、大丈夫じゃ」
あれ?なんか照れてる?
わたしは、そのまま様子を見るように、そのまま寄りかかったままでいる。
「…か…加納くん?その…」
…ふふ…照れてる…わたしはわかった。
「ふふ、なんです?おじいちゃん先生」
「いや、その、あれじゃ、ちと近いかも」
その返答に、わたしの中の何かが目覚めそうだ。
「仕方ナイデスヨ~混ンデマスカラ~」
なんて、悪戯口調で返事をする、なんか楽しい
「揶揄うのは、その変にしてくれ…」
「エスコートしてくださるんでしょう?」
おじいちゃん先生は、困ったようにわたしを見降ろしている。
楽し…
「困った、お嬢様じゃ…」
半ばあきらめて、そのままを維持してくれるらしい。
まだまだ終わらせたくないと、思っちゃう。
「…くすっ」
わたしの笑う声が聞こえたのかな、またチラッとこちらを見てくる。
わたしはそのまま、カバンを下に置いて、両手をおじいちゃん先生の腰に手をまわす。
「こ…これ…」
おじいちゃん先生は、小声で注意してくる。
でもそんなのは聞いていられない。まだまだこれからよ?
「おじいちゃん先生、せっかくだし…」
きっとこの時のあたしの顔は、悪魔のような…
そうね、それは自分でも悪い比喩だわ…
せめて、小悪魔ね そんな顔をしていたはず…
「エスコートのお礼を先にしちゃうね」
わたしは、そのまま、頭をおじいちゃん先生の胸に預けて抱きしめる。
「か、か…加納くん、やめたまえ…」
そんなのきいてられない。
「悪戯がすぎるぞぃ…」
わかってるわ、そんなの…それを楽しんでるの、楽しいの…
「これ、聞いてるのか、加納くん」
「…暖かい…」
わたしは、おじいちゃん先生の温もりに、心地よさを感じていた。
「…加納くん……」
―――――――――――ッ。
「加納くん?」
わたしの異常に気付いたのか、ううん、違う。
わたしが身震いする感じで震えたからだ。
この感じ…
「先生…」
いつも、先生の前におじいちゃんをつけるのを忘れくらい、今の状況が嫌で嫌でたまらない。
――ちかん
小声で、おじいちゃん先生に聞こえるくらいに伝えた――
「おじいちゃん先生、これありがとう」
服が乾くまで、スーツのジャケットを貸してくれてた。
おじいちゃん先生のおかげ、ある程度乾いてくれて、ブラウスを気にしなくていい。
「なになに、紳士の務め、当然のことじゃ」
優しい微笑みで、少し心温まる。
「ええ、でもまだまだ、エスコートは続くからね?」
「任せなさい。お別れするその時までしっかり務めさせてもらうつもりじゃ」
「よろしく」
わたしはウィンクをして、お願いする。
「しかし、雨が降るもんじゃから、こんな狭い距離の乗り場じゃすぐいっぱいじゃいのぉ」
たしかに、都会とかにあるような駅と違って、路面電車だからプラットホームなんて横文字より、乗り場なんて安い感じのが似合う。
おかげで、人が溢れかえりそうなくらい多い。
「これだと電車の中も多いかもね」
「じゃのぅ、まぁ仕方ないの こんな田舎でも交通手段の要じゃ」
「ほんと、地下鉄もない町だもんねぇ~」
「狭いうえにみな行くとこなんて、街中だけじゃ」
ほんとに、栄えているとこが一か所でそこに人が集まる。その交通手段が、バスか路面電車でしかない。
「来たみたいじゃな、多くないことを祈りたいとこじゃが、待ってるのを見ると絶望じゃ」
「…あきらめよう」
電車が到着して乗り込んだはいいけど、ぎゅうぎゅうだ。
しかもアツイ。クーラーがまったく効かない。
「おじいちゃん先生、大丈夫?」
「ほっほほ、なれっこじゃて」
汗をかきながらいわれても…。わたしもうっすらだけど汗がでている。
「あつい…おじいちゃん先生」
「我慢じゃ…」
そうだけどぉ~。そう言いながら周りを見渡すと、他の乗車客も汗を拭っている。
と、見てまわってたら、急ブレーキを踏まれたのか、警笛を遠くに、電車が揺れる。
ガタン…
「キャっ」
揺れに耐えきれず、倒れると思ったら、わたしの肩に当たるものが…
――先生の肩だ
「…大丈夫かの?加納くん」
「……ええ」
おじいちゃん先生が支えてくれてるのぼーっと見てて、踏ん張りを忘れてると、電車が再び、動き出した。
「わぁぅっ」
電車が揺れて、その反動で、おじいちゃん先生の胸に寄りかかってしまう。
「ごめん、おじいちゃん先生」
寄りかかった状態で、顔をあげて謝ってしまう……おじいちゃん先生?
「……あっ…うむ、大丈夫、大丈夫じゃ」
あれ?なんか照れてる?
わたしは、そのまま様子を見るように、そのまま寄りかかったままでいる。
「…か…加納くん?その…」
…ふふ…照れてる…わたしはわかった。
「ふふ、なんです?おじいちゃん先生」
「いや、その、あれじゃ、ちと近いかも」
その返答に、わたしの中の何かが目覚めそうだ。
「仕方ナイデスヨ~混ンデマスカラ~」
なんて、悪戯口調で返事をする、なんか楽しい
「揶揄うのは、その変にしてくれ…」
「エスコートしてくださるんでしょう?」
おじいちゃん先生は、困ったようにわたしを見降ろしている。
楽し…
「困った、お嬢様じゃ…」
半ばあきらめて、そのままを維持してくれるらしい。
まだまだ終わらせたくないと、思っちゃう。
「…くすっ」
わたしの笑う声が聞こえたのかな、またチラッとこちらを見てくる。
わたしはそのまま、カバンを下に置いて、両手をおじいちゃん先生の腰に手をまわす。
「こ…これ…」
おじいちゃん先生は、小声で注意してくる。
でもそんなのは聞いていられない。まだまだこれからよ?
「おじいちゃん先生、せっかくだし…」
きっとこの時のあたしの顔は、悪魔のような…
そうね、それは自分でも悪い比喩だわ…
せめて、小悪魔ね そんな顔をしていたはず…
「エスコートのお礼を先にしちゃうね」
わたしは、そのまま、頭をおじいちゃん先生の胸に預けて抱きしめる。
「か、か…加納くん、やめたまえ…」
そんなのきいてられない。
「悪戯がすぎるぞぃ…」
わかってるわ、そんなの…それを楽しんでるの、楽しいの…
「これ、聞いてるのか、加納くん」
「…暖かい…」
わたしは、おじいちゃん先生の温もりに、心地よさを感じていた。
「…加納くん……」
―――――――――――ッ。
「加納くん?」
わたしの異常に気付いたのか、ううん、違う。
わたしが身震いする感じで震えたからだ。
この感じ…
「先生…」
いつも、先生の前におじいちゃんをつけるのを忘れくらい、今の状況が嫌で嫌でたまらない。
――ちかん
小声で、おじいちゃん先生に聞こえるくらいに伝えた――
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる