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47話『夜の散歩』
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ガチャッ
部屋に着くとキラハルド様がドアを開けて私の手を引き部屋に入れる。キラハルド様は部屋には入らずドアの前に立っている。
「ルクシア…」
「…」
名前を呼ばれたが、反応はしたくなかった。どう接すれば良いか分からない。
「…俺は、この国を滅ぼした者がルクシアの血縁者だったとしてもルクシアを見捨てたりなんかしない。だから…自分を見失わないでほしい」
「…」
「…おやすみ」
バタンッ…
ドアの閉まる音が部屋に響き渡った。
ベッドへ体を投げ出す。
「寝よう…」
そう思い、目を閉じるもどうしても眠ることはできない。
仕方なく眠くなるまで部屋で何かしようと体を起こす。
窓のそばにある椅子に座る。
部屋から見える星はキラキラと夜空に輝いている。
「私は、誰…?」
ぽつりとこぼした言葉に答えてくれる人はいない。
白い狼。私に家族の記憶はない。あるのは奴隷として働かされた記憶と、キラハルド様と過ごした記憶だけ。
コンコンッ
ガラスを叩く音で顔を上げる。私はそこに見えた光景に目を疑った。
「キ、キラハルド様…!?」
キラハルド様は手をあげて私に笑いかける。慌てて窓を開ける。
「なにしてるんですか!?」
「ちょっとな、ルクシアに見せたいものがあって。お忍びだからこっちから失礼するけど。ああ、アルとエルシュが後から来るから気にしなくて良いよ」
部屋で別れた時の様子と打って変わってキラハルド様はワクワクした顔で私を見ている。
「えっ…ひゃあっ!」
キラハルド様がいきなり体を持ち上げて私を毛布で包んだ。
「少し冷えるからな。落ちたら危ないから大人しくしてて」
そう言うと、城の外れにある森のほうへ飛びはじめた。
夜空には白く輝く大きな満月が浮かんでいた。
部屋に着くとキラハルド様がドアを開けて私の手を引き部屋に入れる。キラハルド様は部屋には入らずドアの前に立っている。
「ルクシア…」
「…」
名前を呼ばれたが、反応はしたくなかった。どう接すれば良いか分からない。
「…俺は、この国を滅ぼした者がルクシアの血縁者だったとしてもルクシアを見捨てたりなんかしない。だから…自分を見失わないでほしい」
「…」
「…おやすみ」
バタンッ…
ドアの閉まる音が部屋に響き渡った。
ベッドへ体を投げ出す。
「寝よう…」
そう思い、目を閉じるもどうしても眠ることはできない。
仕方なく眠くなるまで部屋で何かしようと体を起こす。
窓のそばにある椅子に座る。
部屋から見える星はキラキラと夜空に輝いている。
「私は、誰…?」
ぽつりとこぼした言葉に答えてくれる人はいない。
白い狼。私に家族の記憶はない。あるのは奴隷として働かされた記憶と、キラハルド様と過ごした記憶だけ。
コンコンッ
ガラスを叩く音で顔を上げる。私はそこに見えた光景に目を疑った。
「キ、キラハルド様…!?」
キラハルド様は手をあげて私に笑いかける。慌てて窓を開ける。
「なにしてるんですか!?」
「ちょっとな、ルクシアに見せたいものがあって。お忍びだからこっちから失礼するけど。ああ、アルとエルシュが後から来るから気にしなくて良いよ」
部屋で別れた時の様子と打って変わってキラハルド様はワクワクした顔で私を見ている。
「えっ…ひゃあっ!」
キラハルド様がいきなり体を持ち上げて私を毛布で包んだ。
「少し冷えるからな。落ちたら危ないから大人しくしてて」
そう言うと、城の外れにある森のほうへ飛びはじめた。
夜空には白く輝く大きな満月が浮かんでいた。
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