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23話『出会い』キラハルド視点
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「ルクシア!どこだ!」
少し目を離した隙に居なくなってしまった。さっきまで居たであろう場所には、俺が渡した帽子だけが落ちていた。
「くそっ....!」
太陽はまだ落ちていない。「早く落ちてくれ」と願い街中を探す。
その間、俺はルクシアの事だけを考えていた。
◇◆◇
馬車で屋敷へ帰る途中、確かに俺は声を聞いた。
すぐに馬車を止まらせて降りた。
するとそこには少女がいた。
手と足、首に枷をつけていたその少女は見た目からして綺麗とは言えなかったが、見てすぐに俺は心臓が高鳴り興奮したのを感じた。それがなんなのかわからないまま、屋敷へ連れて帰った。
その後、それが恋ということを知った。
多分、俺はルクシアに一目惚れしたのだろう。
ルクシアの一つ一つの行動が可愛いと思ってしまい離したくなくなる。自分の側にずっと置いておきたくなる。そんな欲求が湧き出てくる。
出来れば外には出したくはなかったが、そんな事をルクシアに言うと、嫌われるのが目に見えたので連れてきたが、まさかこんなことになるとは思わなかった。
止まって、息が上がったのを落ち着かせる。
「はあ、はあ、はあ....」
立ち止まったのがダメだったのか、縁起の悪いことばかり考えてしまう。
もしも、ルクシアが殺されたら...
もしも、ルクシアがまた奴隷にされたら...
もしも....
いてもたってもいられず、俺はまた走り出そうとする。
「!....」
いつのまにか太陽は沈み、金色に光る月が顔を出していた。
少し目を離した隙に居なくなってしまった。さっきまで居たであろう場所には、俺が渡した帽子だけが落ちていた。
「くそっ....!」
太陽はまだ落ちていない。「早く落ちてくれ」と願い街中を探す。
その間、俺はルクシアの事だけを考えていた。
◇◆◇
馬車で屋敷へ帰る途中、確かに俺は声を聞いた。
すぐに馬車を止まらせて降りた。
するとそこには少女がいた。
手と足、首に枷をつけていたその少女は見た目からして綺麗とは言えなかったが、見てすぐに俺は心臓が高鳴り興奮したのを感じた。それがなんなのかわからないまま、屋敷へ連れて帰った。
その後、それが恋ということを知った。
多分、俺はルクシアに一目惚れしたのだろう。
ルクシアの一つ一つの行動が可愛いと思ってしまい離したくなくなる。自分の側にずっと置いておきたくなる。そんな欲求が湧き出てくる。
出来れば外には出したくはなかったが、そんな事をルクシアに言うと、嫌われるのが目に見えたので連れてきたが、まさかこんなことになるとは思わなかった。
止まって、息が上がったのを落ち着かせる。
「はあ、はあ、はあ....」
立ち止まったのがダメだったのか、縁起の悪いことばかり考えてしまう。
もしも、ルクシアが殺されたら...
もしも、ルクシアがまた奴隷にされたら...
もしも....
いてもたってもいられず、俺はまた走り出そうとする。
「!....」
いつのまにか太陽は沈み、金色に光る月が顔を出していた。
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