ポンコツお嬢様とその執事クソである

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タコパをするわよ!

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「魚住…タコパをするわよ!!」
と、とある帰り道に私は真剣に魚住に行った。

「はい!?タコパ!?頭おかしくなったのか?お嬢様!?」
案の定、今日も失礼極まりないこのクソ執事!

「頭は正常よ!タコパと言えば、庶民のたしなみじゃないの!

…あれでしょ?ほ、ほら、たこ焼きの中に…タコはもちろん、ロシアンルーレット式で実はいろんな具材を投入して楽しんだりする…」
と私はクラスの女子達がワイワイと話してるのを1人、寂しく盗み聞いていたのだ!

「何を言ってる?あれは人数がいてからこそ楽しめるというのに、しかも俺たちのアパートに人を呼ぶ気か!?」

「は?そんなわけないじゃないの!?あんたと私でするのよ!」

「なんだと!?まさか!そんな侘しいことを本気で考えていたとは!!なんて奴なんだ!!もはやパーティーとすら呼べない!!」

「じゃあ、あの…カッパ……、高清水んちでやればいいじゃないのよ!!」
と勢い余って言うと…魚住はスマホを取り出してなんか打ったら

「ふむ…聖月くんはオッケーだって。侘しいからもう少し人数を増やしてもいいとか言ってたけど」

「人数って言っても…」

「なんなら女の子でも俺が声かけたらブワって勝手に増えますよ?お嬢様も友達ができるかも」

「あんた目当ての女子とか呼んでもあんたがハーレムになるだけでつまらないわ」

「ハッ!まさか…嫉妬!?」

「あー…ないない。隕石落ちてきてもない」
と私はバッサリ言う。

「じゃあ、どうするんですか?ぼっちお嬢様」

「実は…目をつけている女の子が1人いるわ」

「…百合ですか!?」

「違うわよ!!ぶん殴るわよ!?高清水が喜ぶだけでしょ!?」

「目を付けてるとは?」

「………綾さん」
と言うと魚住は嫌な顔をした。

「却下で!!」

「なんでよー、綾さんなんか呼べば直ぐに来るわよ?」

「いや、無理だろ!!大体姉さんはアメリカの大学に居る!」

「電話したらジェット機とか使って飛んで来るんじゃない?あんたの為なら」

「本当に来そうだからやめろ…」
とゲンナリしている魚住。

「あ、じゃあ…」
と私は思いついた。



「だからって何で俺が呼ばれなきゃならないんだよ!!?しかも全然面識の無い知らない金持ちの家でタコパって!!」
とナイスツッコミをするお隣さんのひーちゃんさん。

「まあまあ、日頃の迷惑料だと思ってー、ひーちゃんさん!」
と魚住が言うと

「ひーちゃん言うな!!俺は石神ひさしだっつの!!」
と見た目ヤンキーの体格の良い強面のひーちゃんが言う。

因みにヤンキーでは無いらしいがヤンキーに見える。

ブツクサ言いながらもとうとう、高清水の家に着いた。

「ほー、でけえな!!」
とひーちゃんも驚く。

インターホンを鳴らすとこの前の様に使用人が門を開け、玄関まで行って高清水が出てきてひーちゃんを見て

「ひっ!?ひいいい!!ヤンキー人種!!」
と腰を抜かした。

「いや、ヤンキーじゃ無いよ?聖月くん。こう見えておばあちゃん思いの優しい男だよ」
と魚住が説明すると

「う、うるせー!!その事は言うなっ!!」
と少し照れる。

「と、言うか、人数増やしてもと言いましたが、ここまで女子がいないとは!!くそ!百合にもなりやしない!!」
と高清水カッパは悔しそうだ。

「まあ、とりあえず始めようよ」
と材料を一応買ってきた魚住が言うと

「そうだね、じゃあこちらで」
と日本庭園の広大な敷地にポツンと東屋があり、横にテーブルが置いてあった。
その上にさらに小さなたこ焼き器が置いてあった。

アウトドアっぽい!!

すると高清水カッパか得意そうに自慢解説してきた。うざっ。

「ふふふ、こちらのたこ焼き器はカセットガス式でね!外はカリっと、中はトロッとした本格的なたこ焼きが作れるのさ!

まるで店の様な仕上がりでね!
もちろんフッ素加工しており、熱伝導や返しやすさも追求されたものさ。

ガスの方が早く焼けるしね!」
と言う。

「うんちくはいい!もうさっさと焼いていこうぜ!」
とひーちゃんは手際よく準備を進めたのでおーっと感心したわ。

「まあ、たこ焼きでバイトしてた時もあったからな」
と言うと魚住は

「ひーちゃんさん、プロだった!!凄い!!」
と尊敬していた。

「ま、お前らもやった事ないならやってみりゃ良いんだ。生地を入れ、具を入れ、ひっくり返して焼いて終わりだ」

と簡単そうに言っている。
まあ、そんなもんよね、テレビとかで見たことあるわ。確か最初に型に生地を入れて具を入れて…なんかクルンてするやつよね!

「じゃあ、どうせならパーティーらしくくじで焼く順番を決めましょう!後、その時に何の具材を入れたかわからない様、皆さんは焼いている所を見ない様にしたらいいかも!」
と魚住が提案した。

「それは…タコパと呼べるのか??」

「たぶん」

「面白そうではないですか!!もはやロシアン闇タコパ!!」
て高清水カッパはメガネをキラリとさせた。

「では、くじを引きますよーー!」
と魚住がくじを手に持ち、私達は一斉に棒を引いた。番号が書かれていて、最初は魚住、次がひーちゃん、次はカッパ、最後は私だった!

「あ、具材の用意はこの高清水聖月が用意させてもらいました!もちろん罰ゲーム用のものと正解用のも何種類か」
とカッパはズラリと使用人達に用意させ、いろいろな具材が集まったのだった!
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