1 / 22
何の罰か
しおりを挟む
何かこの国マールバラ王国の第一王子エルトン・マイルズ・ホースウッド様がギャアギャアとカラスみたいに
「お前との婚約は破棄だ!セシリア!愛しいエステル・ギャブリエラ・ステップニー男爵令嬢に嫌がらせばかりしたと聞いている!エステルにはお腹に子がいるんだぞ!!?」
夜会に出席した来訪者達は一斉に私を見る。
はぁ?
知らんよ。私じゃない。ちゃんと調べたの?何でエステルなんとかさんも被害者面して目を潤ませてるんだろう?
身に覚えのない嫌がらせなんてしてないし王子が婚約者の私を放置して勝手に爵位の低い手を出しやすそうな女の子と遊んで妊娠させて何か口実つけて婚約破棄したかっただけじゃない?
と私…綺麗な銀髪の少しふんわりとした印象で胸は並クラスで消してだらしなくないプロポーションを持ち、エステルなんとかより明らかに美人だけど王子の目は腐ってるらしい。
ついには
「セシリア・ミキャエラ・チェスタートン侯爵令嬢!お前は冷たい!!肌なんか死人のように冷たいし、目も冷めてて死んでいる!気持ち悪い!エステルの輝くような生き生きした瞳とは大違いだ!」
と悪口まで言われた!!
後ろで控えていた私の侍女のリネットも流石に怒りでブルブルしてきた。
まぁ落ち着きなさいなリネット。
と私はアイコンタクトを送る。リネットは落ち着き耐えた。
肌が冷えているのは冷え性だからだし冷めた目とか言われてもお前らの浮気現場見た日からこうなったんだよ。何も信じられねえよ。
この浮気者が!!
こっちの方が婚約破棄してえとこだったんだよ!!
と言いたい。
が、我慢して
「判りましたわ…。婚約破棄を受け入れましょう…。お幸せに!殿下!」
と頭を下げて下がろうとしたら
「待て!お前にピッタリな結婚相手は既に決めている!お前の父君にももう紹介状は出しておいた!俺は優しいだろう?次の相手を見つけてやったんだ!感謝しろ!」
となんか凄い余計な事までしてきた。
何こいつ、こいつの方が嫌がらせだわよ!
きっとロクな相手ではないな…と悟った。
王子に寄り添う頭の悪そうな黒髪のストレートの女の子は少し笑ったような気がする。
勝手にしてくれ。もうどうでもいい。
どの道政略結婚とかでだったし。そこまでこの王子のこと実は好きでは無かった。
こいつそこそこ顔はいいけど性格悪いし。浮気はするし、しかも孕ませとるし。孕ませるのも婚約破棄の布石であることも私は察していた。
こいつは実はずる賢くて卑怯者だと言うことがなんか判ったので未練はすっぱりない。
婚約破棄できて嬉しいわ!
じゃあね!!
*
家に帰るとお父様は怒って髭をピンとさせた!
お母様は泣くし。王家との縁談に期待を寄せて今まで散々王妃教育で無駄に修行させられたのが全て水の泡だ。
そしてお父様は言った。
「これが王子に新たに紹介されたお前の夫となる方だ」
と姿絵を見せられた。王子の遠縁の親戚の伯爵で最近両親が亡くなり未だ独り身だそうな。
何の特徴もない青年の絵が描かれていた。むしろ地味?
「…ローレンス・アラスター・ファーニヴァル伯爵だ。20歳だそうだ。この姿絵では髪の毛があるが実はこれはカツラで…。本当は禿げた男らしい…」
「えっ!!?」
と驚いた!!あの王子!!禿げた人を紹介とか普通に性格悪い!!
王子ぶん殴ってきたい!!
「王子からの紹介を無碍に断れない…。伯爵家とは言え、王家に縁は少しはあるし…禿げた所だけ目を瞑って嫁に行ってくれないか?セシリア…」
とお父様は言う。うちは上に兄がおり兄が既に跡取りであるから女は嫁に行くのだ。兄も婚約者と結婚間近だし私がさっさと行かないと邪魔だろう。
仕方ないわね。
「判りました。伯爵様の所にお嫁に行きますわ」
とどうでも良くなり私は返事をした。もちろん社交界に出れば私は引くて天田で男達に声をかけられるだろうが、そこであのクソ王子が私に良からぬ噂を流して来るに決まっている!
あいつ、昔私がわざとじゃなく後ろにいたの気付かないで腕が当たり勝手によろけて肥溜に落ちたこと今も根に持っているのだ。
まぁ相当臭くて私は鼻を覆ったからそれ見て傷ついたみたい。性格が悪いとか冷めてる目とか言われたのはそのせいもあるけど自業自得じやない?
*
ともあれ私は禿げた青年伯爵のとこに白いドレスを着て馬車に侍女のリネットと乗り込んだ。
リネットは可愛らしくリスのようなくりくりした黒目で泣いた。
「何で!お嬢様みたいなお美しい方が禿げた方へ嫁がないといけないのでしょう!?酷いっ!お嬢様は銀の髪にアイスブルーの美しい瞳…それにプロポーションも抜群であの頭悪そうな男爵令嬢なんかよりよっぽどおモテになるのに!!あの令嬢絶対にしたたかですよ!妊娠なんて!!王子の方もですが、こんなタイミングよくします?最低ですわ!お二人とも!!」
とリネットは茶色の髪とおさげを揺らし怒った!
「済んだことよ…。私は悪役令嬢で幕を引くわ。あの人達がヒーローでヒロインなんでしょ?自分たち中心で邪魔者の悪役令嬢が酷い目に遭い退散したってことでもういいわ。ありがとうリネット…」
「うう!あんまりですわ!お嬢様!禿げ男に初夜を捧げるなんて!!」
とまだリネットは泣いていた。
初夜か…。潤の勉強もしたけど…なんかもうどうでもいいわ。勝手にしてくれや…。
と思った。諦めの境地…。
今更王子達に復讐する気も起きないし王族に手を出したならうちが没落するかもしれない。兄達の婚姻も無くなったら私のせいになる。
我慢すればいい。私だけが。
それで丸く収まる。
*
伯爵家までは数日かかったけどようやく到着してウェディングドレスのまま私は伯爵邸を潜る。王家の縁と言っても建物自体は古く何か床もギシギシ言う。王子め!!こんなとこに飛ばしやがって!
「ああ!ようこそ!奥様!待ちわびておりました!ようやく坊ちゃん…いえ、旦那様にもお嫁様が来られた!」
とお爺さん執事のディーンさんが挨拶した。
使用人達も頭も下げた。
階上からカツラをつけた伯爵が柱からチラリと顔を出した。私を見ると慌てて柱に隠れた。
「ローレンス様!旦那様!こんなにお美しい花嫁様がいらっしゃいましたよ!早く降りてらっしゃい!!」
とディーンさんは叱る。
ビクビクそろそろと階段を降りてくる。地味顔で赤くなり消え入りそうな声で
「よ、ようこそ初めまして!この度はどうも遠路遥々お疲れでしょう?……ああ、とてもお美しくていらっしゃる!姿絵よりもずっと!」
と褒める。
「どうもよろしくお願いしますわ。私はセシリアと呼び捨てでも、おいとかお前とかでもいいですわよ」
と投げやりで言うと慌てて
「と、とんでもないです!セシリア様!うちより爵位の上の方にこちらが丁重におもてなさなければなりません!う、うちは王家の縁があると言っても本当に少しで…何故僕があんまり会ったこともない王子から紹介を受けたのか判らず…」
なにい?こいつも王子になんとなく利用されてたのか?
「結婚相手を探していたのではないのですか?だってその…髪…」
と言うとローレンス伯爵は素直に観念し
「ああ、やはり王都の方でも広まっておりますか?私の禿げは」
とカツラをあっさり取り後ろを向いて禿げを見せた。使用人は少しだけ笑っている。
頭のてっぺんより少し下後頭部に円形禿げが3つくらいある。恥ずかしそうに俯いてボソリと言う。
「すみません。こんな頭で…。あの僕…す、ストレスに弱くて昔からそれで気付いたら若い頃からもうこうなって笑われて…それで僕の所に来るお嫁さんもいないし、僕が女の人を好きになると相手は迷惑そうな顔をされるのでそ、その…も、もういいんです」
としょぼくれた。
まぁ見た目だけ見たら笑う者はいるだろう。
「ああ!安心してください!!僕は貴方に指一本さわりませんよ?初夜などただの体裁で別々の部屋を用意しておりますから今夜はゆっくりお休みください!お食事も用意しております!」
とまるで客扱いだ。
「………ローレンス様…お薬とか試されましたの?ストレスならば治るのでは?」
と言ってみるが
「あはは…まぁ最初は…頑張ったんですけどなんだか虚しくなりやめたんです…。僕…一生孤独で生きようと決めていたものですから…」
とまたしょぼくれていた。
それから私はそのまま少しのもてなしや結婚料理や宴会芸みたいなものを見せられた後普通にお部屋に通された。掃除はされ綺麗に整えられた1人用のベッドで眠ることとなった。
仮面夫婦かと少し思ったが。
旦那様は終始申し訳ないと言いつつ、私の顔をチラチラと見てはいたけどやはり申し訳ないという顔をしていた。
「お前との婚約は破棄だ!セシリア!愛しいエステル・ギャブリエラ・ステップニー男爵令嬢に嫌がらせばかりしたと聞いている!エステルにはお腹に子がいるんだぞ!!?」
夜会に出席した来訪者達は一斉に私を見る。
はぁ?
知らんよ。私じゃない。ちゃんと調べたの?何でエステルなんとかさんも被害者面して目を潤ませてるんだろう?
身に覚えのない嫌がらせなんてしてないし王子が婚約者の私を放置して勝手に爵位の低い手を出しやすそうな女の子と遊んで妊娠させて何か口実つけて婚約破棄したかっただけじゃない?
と私…綺麗な銀髪の少しふんわりとした印象で胸は並クラスで消してだらしなくないプロポーションを持ち、エステルなんとかより明らかに美人だけど王子の目は腐ってるらしい。
ついには
「セシリア・ミキャエラ・チェスタートン侯爵令嬢!お前は冷たい!!肌なんか死人のように冷たいし、目も冷めてて死んでいる!気持ち悪い!エステルの輝くような生き生きした瞳とは大違いだ!」
と悪口まで言われた!!
後ろで控えていた私の侍女のリネットも流石に怒りでブルブルしてきた。
まぁ落ち着きなさいなリネット。
と私はアイコンタクトを送る。リネットは落ち着き耐えた。
肌が冷えているのは冷え性だからだし冷めた目とか言われてもお前らの浮気現場見た日からこうなったんだよ。何も信じられねえよ。
この浮気者が!!
こっちの方が婚約破棄してえとこだったんだよ!!
と言いたい。
が、我慢して
「判りましたわ…。婚約破棄を受け入れましょう…。お幸せに!殿下!」
と頭を下げて下がろうとしたら
「待て!お前にピッタリな結婚相手は既に決めている!お前の父君にももう紹介状は出しておいた!俺は優しいだろう?次の相手を見つけてやったんだ!感謝しろ!」
となんか凄い余計な事までしてきた。
何こいつ、こいつの方が嫌がらせだわよ!
きっとロクな相手ではないな…と悟った。
王子に寄り添う頭の悪そうな黒髪のストレートの女の子は少し笑ったような気がする。
勝手にしてくれ。もうどうでもいい。
どの道政略結婚とかでだったし。そこまでこの王子のこと実は好きでは無かった。
こいつそこそこ顔はいいけど性格悪いし。浮気はするし、しかも孕ませとるし。孕ませるのも婚約破棄の布石であることも私は察していた。
こいつは実はずる賢くて卑怯者だと言うことがなんか判ったので未練はすっぱりない。
婚約破棄できて嬉しいわ!
じゃあね!!
*
家に帰るとお父様は怒って髭をピンとさせた!
お母様は泣くし。王家との縁談に期待を寄せて今まで散々王妃教育で無駄に修行させられたのが全て水の泡だ。
そしてお父様は言った。
「これが王子に新たに紹介されたお前の夫となる方だ」
と姿絵を見せられた。王子の遠縁の親戚の伯爵で最近両親が亡くなり未だ独り身だそうな。
何の特徴もない青年の絵が描かれていた。むしろ地味?
「…ローレンス・アラスター・ファーニヴァル伯爵だ。20歳だそうだ。この姿絵では髪の毛があるが実はこれはカツラで…。本当は禿げた男らしい…」
「えっ!!?」
と驚いた!!あの王子!!禿げた人を紹介とか普通に性格悪い!!
王子ぶん殴ってきたい!!
「王子からの紹介を無碍に断れない…。伯爵家とは言え、王家に縁は少しはあるし…禿げた所だけ目を瞑って嫁に行ってくれないか?セシリア…」
とお父様は言う。うちは上に兄がおり兄が既に跡取りであるから女は嫁に行くのだ。兄も婚約者と結婚間近だし私がさっさと行かないと邪魔だろう。
仕方ないわね。
「判りました。伯爵様の所にお嫁に行きますわ」
とどうでも良くなり私は返事をした。もちろん社交界に出れば私は引くて天田で男達に声をかけられるだろうが、そこであのクソ王子が私に良からぬ噂を流して来るに決まっている!
あいつ、昔私がわざとじゃなく後ろにいたの気付かないで腕が当たり勝手によろけて肥溜に落ちたこと今も根に持っているのだ。
まぁ相当臭くて私は鼻を覆ったからそれ見て傷ついたみたい。性格が悪いとか冷めてる目とか言われたのはそのせいもあるけど自業自得じやない?
*
ともあれ私は禿げた青年伯爵のとこに白いドレスを着て馬車に侍女のリネットと乗り込んだ。
リネットは可愛らしくリスのようなくりくりした黒目で泣いた。
「何で!お嬢様みたいなお美しい方が禿げた方へ嫁がないといけないのでしょう!?酷いっ!お嬢様は銀の髪にアイスブルーの美しい瞳…それにプロポーションも抜群であの頭悪そうな男爵令嬢なんかよりよっぽどおモテになるのに!!あの令嬢絶対にしたたかですよ!妊娠なんて!!王子の方もですが、こんなタイミングよくします?最低ですわ!お二人とも!!」
とリネットは茶色の髪とおさげを揺らし怒った!
「済んだことよ…。私は悪役令嬢で幕を引くわ。あの人達がヒーローでヒロインなんでしょ?自分たち中心で邪魔者の悪役令嬢が酷い目に遭い退散したってことでもういいわ。ありがとうリネット…」
「うう!あんまりですわ!お嬢様!禿げ男に初夜を捧げるなんて!!」
とまだリネットは泣いていた。
初夜か…。潤の勉強もしたけど…なんかもうどうでもいいわ。勝手にしてくれや…。
と思った。諦めの境地…。
今更王子達に復讐する気も起きないし王族に手を出したならうちが没落するかもしれない。兄達の婚姻も無くなったら私のせいになる。
我慢すればいい。私だけが。
それで丸く収まる。
*
伯爵家までは数日かかったけどようやく到着してウェディングドレスのまま私は伯爵邸を潜る。王家の縁と言っても建物自体は古く何か床もギシギシ言う。王子め!!こんなとこに飛ばしやがって!
「ああ!ようこそ!奥様!待ちわびておりました!ようやく坊ちゃん…いえ、旦那様にもお嫁様が来られた!」
とお爺さん執事のディーンさんが挨拶した。
使用人達も頭も下げた。
階上からカツラをつけた伯爵が柱からチラリと顔を出した。私を見ると慌てて柱に隠れた。
「ローレンス様!旦那様!こんなにお美しい花嫁様がいらっしゃいましたよ!早く降りてらっしゃい!!」
とディーンさんは叱る。
ビクビクそろそろと階段を降りてくる。地味顔で赤くなり消え入りそうな声で
「よ、ようこそ初めまして!この度はどうも遠路遥々お疲れでしょう?……ああ、とてもお美しくていらっしゃる!姿絵よりもずっと!」
と褒める。
「どうもよろしくお願いしますわ。私はセシリアと呼び捨てでも、おいとかお前とかでもいいですわよ」
と投げやりで言うと慌てて
「と、とんでもないです!セシリア様!うちより爵位の上の方にこちらが丁重におもてなさなければなりません!う、うちは王家の縁があると言っても本当に少しで…何故僕があんまり会ったこともない王子から紹介を受けたのか判らず…」
なにい?こいつも王子になんとなく利用されてたのか?
「結婚相手を探していたのではないのですか?だってその…髪…」
と言うとローレンス伯爵は素直に観念し
「ああ、やはり王都の方でも広まっておりますか?私の禿げは」
とカツラをあっさり取り後ろを向いて禿げを見せた。使用人は少しだけ笑っている。
頭のてっぺんより少し下後頭部に円形禿げが3つくらいある。恥ずかしそうに俯いてボソリと言う。
「すみません。こんな頭で…。あの僕…す、ストレスに弱くて昔からそれで気付いたら若い頃からもうこうなって笑われて…それで僕の所に来るお嫁さんもいないし、僕が女の人を好きになると相手は迷惑そうな顔をされるのでそ、その…も、もういいんです」
としょぼくれた。
まぁ見た目だけ見たら笑う者はいるだろう。
「ああ!安心してください!!僕は貴方に指一本さわりませんよ?初夜などただの体裁で別々の部屋を用意しておりますから今夜はゆっくりお休みください!お食事も用意しております!」
とまるで客扱いだ。
「………ローレンス様…お薬とか試されましたの?ストレスならば治るのでは?」
と言ってみるが
「あはは…まぁ最初は…頑張ったんですけどなんだか虚しくなりやめたんです…。僕…一生孤独で生きようと決めていたものですから…」
とまたしょぼくれていた。
それから私はそのまま少しのもてなしや結婚料理や宴会芸みたいなものを見せられた後普通にお部屋に通された。掃除はされ綺麗に整えられた1人用のベッドで眠ることとなった。
仮面夫婦かと少し思ったが。
旦那様は終始申し訳ないと言いつつ、私の顔をチラチラと見てはいたけどやはり申し訳ないという顔をしていた。
0
お気に入りに追加
1,717
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
【完結】悪役令嬢のトゥルーロマンスは断罪から☆
白雨 音
恋愛
『生まれ変る順番を待つか、断罪直前の悪役令嬢の人生を代わって生きるか』
女神に選択を迫られた時、迷わずに悪役令嬢の人生を選んだ。
それは、その世界が、前世のお気に入り乙女ゲームの世界観にあり、
愛すべき推し…ヒロインの義兄、イレールが居たからだ!
彼に会いたい一心で、途中転生させて貰った人生、あなたへの愛に生きます!
異世界に途中転生した悪役令嬢ヴィオレットがハッピーエンドを目指します☆
《完結しました》
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
完 さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。
水鳥楓椛
恋愛
わたくし、エリザベート・ラ・ツェリーナは今日愛しの婚約者である王太子レオンハルト・フォン・アイゼンハーツに婚約破棄をされる。
なんでそんなことが分かるかって?
それはわたくしに前世の記憶があるから。
婚約破棄されるって分かっているならば逃げればいいって思うでしょう?
でも、わたくしは愛しの婚約者さまの役に立ちたい。
だから、どんなに惨めなめに遭うとしても、わたくしは彼の前に立つ。
さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる