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爆速で討伐してくる勇者

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王様と王妃様の寝室に転移するなんて一体何考えてるのか!!
衛兵やら護衛兵が剣や槍を向け、こちらを包囲している。何で私が巻き込まれなきゃならないのか。

「な、なんじゃ!お前達は!暗殺者か!!?」
と王様が叫ぶ。そりゃそうですよね、思い切り不審者ですよね。

私とクリスはとりあえずひざまづき、

「国王陛下!僕をお呼び出しいただきましたのでこうして参りました。御用は何でありましょうか?」
とクリスはキリってして言うと横にいた王妃様がポッとなった。

「ま、まあ!な、何て顔がいいの?あなた!この青年はきっと賊ではないわよ!」

「えっ!!?マリーベル!?何を言っとる!?顔とか今、関係ないじゃろ!?

つか、何お前ポッとしとるんだ!!」
と王様が焦る。

「お前は何者だ!!?」
と護衛兵が叫び、クリスは

「僕はサウザンド村のクリス・パステルです。陛下に呼ばれたので参りました。

こっちは将来僕と結婚する予定の幼馴染のエレア・ザクセンです!」
と紹介した!ひいいいい!名前がバレた!!殺される!無礼罪で牢に入れられる!私はもう、絶望した。何故か王妃様からは睨まれてるし。

「そ、そなたが…光の精霊に選ばれたと言う者か!?

いや、は、早すぎんか!?でんれいをだし、迎えに使わせたから馬車で城まで後、3日かかるはずなのに、何故馬車を使わず、転移魔法で来た!?」
と王様が突っ込んだ。

当たり前である。

「失礼ながら…僕は待つことがかなり嫌いなのでこうして参上しました!」

「いや、それでも!!それでもな、もうわし等は寝る所じゃったんじゃ!

時と場合があるじゃろ!?せめて明日の朝転移してくるとかあったじゃろ!?

まだお前の仲間となる者も到着しておらん」
と言う。

「仲間とは?」
とクリスは言う。

「いや、じゃから、それに関しては仲間が集まって全員揃った場所で説明を行うつもりでいたから、まず、仲間が来るまで待ってくれんかのう?

じゃから、ほれ、い、一旦村に帰りなさい。わしは眠い」
と王様は目を擦るが、クリスは

「仲間とやらを集めて何をしろと!?もしや魔王の討伐でしょうか?」

「えっ!?
う、ううむ、まあ、そうじゃが、まず仲間にも説明したいから今度で…」
と王様もタジタジしている。

「魔王とはこの王都近くの廃城に最近来たやつのことでしょうか?この国がその魔王に潰されるかもしれないから討伐してこいと言うことで間違い無いですか?」

「え、じゃから詳しいことはまた今度と!?」
と王様がいい加減にしろと言う空気を出しているのにクリスは引き下がらなかった?王妃様はポワンとして

「ええ!そうよ!そうなの!我が国エレマリアは脅威にさらされているの!魔王軍に潰されたら困るから仲間と共に旅立って欲しいのよ!魔王の首を取ってね」
と王妃様が喋ったので王様が青くなる。

「お前、マリーベル!!何で先に言うんじゃ!こういうのはちゃんと段階を踏むべきじゃ!」
と王様がまた突っ込むか、クリスは

「分かりました。仲間とか要りませんし、これからちょっと魔王城へ赴き首取って来ます」
と言うクリス。

「え?はあ!?な、何言っておる!?お前、まだ旅の支度とかあるじゃろ!?魔王倒すには剣とか防具やら資金もいろいろ用意しなくちゃで…」

「必要ないです。光魔法の剣作れますから」
と言うとクリスはブウウンと前世の映画に出てくるような細長い光る棒みたいなやつ出した!!

「ええーー!?」
とこの場の一同が驚く。

「では、国王陛下。ちよっと首を持ってくるのでしばし、エレアを預かっていてください!

エレア数分待っててね」
とクリスは言い、
魔法陣で1人転移して行った!!

ポカンとした一同。そして今度は私に目が向いた!!

「お、お主は…あの光の者の幼馴染とか言ったな!?」
と王様が呆れたように言う。

「は、はい!クリスが大変な失礼を!わ、私や村の人も止めたんです!さ、せめて明日の朝と!き、聞かなくて…。

気付いたらここに私も転移魔法で移動されられており……」
と頭を下げつつ謝る。

「お、お主もなんか…不憫よのう。良い、帰ってくるまでひとまず城の部屋で休むがいい」

「ひえ!わ、私如きがありがたき幸せにございます!」
と頭を下げるが、王妃様は

「…エレアさんと言ったかしら?」

「は、はい王妃様!!」
怖っ!!

「貴方、将来はあの者と結婚とか言っていたわね?どう言うことかしら?」

「ひえ!あ、あのそれは、クリスが勝手に言っており、わ、私は…ふさわしくありませんので!

王妃様の大切な王女様や教会からの聖女様なんかがクリスの結婚相手に相応しいかと!!」
と言うと王妃様は

「あら、わかっているわね!エレアさん!

そうよ、光に選ばれしものが貴方のような何の力もないただの村娘に釣り合うわけなくてよ!!

娘…シーナとの結婚に第二夫人予定となる聖女カミラが相応しいでしょう!……そして私の愛人としても」
と最後に言い、王様が

「マリーベル!!?お前今、愛人とか言ったかな!?」

「聞き間違いでしょう?」

「いや、言った!!お前わ、わしを捨てる気か!?」

「うるさいのよ、このヒゲ太り!!黙ってらっしゃい!!」
と王妃様が怒鳴ったかところでバアアっと魔法陣からクリスが出て来て、なんかでっかい魔王の生首を持って現れた。

血が寝室に滴り、王様も王妃様も私も護衛達もパニックを起こしかけた。

「ぎゃああああ!!な、なん!
お前それえええ!!」

「はっ…!魔王ロキシードとか言う奴の首です!

ロキシードも寝ようとしてベッドに潜った所を光の剣で首を斬り持ち帰りました」


「も、文字通り、まさかの魔王の寝首をかきおったーー!!」
と王様が突っ込んだ!王様の突っ込みが的確すぎる!

「もう討伐は終わりました。僕達、村に帰りますね」
とクリスは護衛の人に首を渡してぺこりとお辞儀して私を抱えて魔法陣を光らせた。

「え、ま、待ちなさい!!ちょっと!王女とのけっこ…」
と言う王妃様の声が聞こえるが私は光に包まれ村へとまた戻って来た。

戻って来た私たちに騎士団長が近づき、

「あ、戻って来た!一体、一体何が!?後、服が汚れているがどうした!?襲われたのか!?」
とクリスの魔王の返り血を見て団長が叫ぶが

「はあ、もう終わりましたから」

「え?何が?」

「だから!魔王倒して来たんでうちの国大丈夫ですから帰っていいですよ、皆さん!お疲れ様でした!」
とクリスは団長に頭を下げると

「エレア!送ってくよ!」
とルンルンと手を繋ぎ私を家まで送った。
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