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透明薬を試す(ニルス)
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俺は3年になり、イサベルも2年へと上がった。やっと邪魔者もいなくなり休みの日はイサベルを俺の部屋に呼び好きな研究をさせることにした。
めちゃくちゃ没頭しているのに驚く。
お茶を出しても振り向かないほど!
俺は暇になった。だが嬉々として研究しているイサベルに声をかけ邪魔するのもダメだと大人しく課題をしたり本を読んだりしていた。
………。
うん…あれ?
なんか…あれ?
いや、俺たちは婚約者でやっと気持ちが通じたはず!!う、うんそうだよなぁ。
とりあえず研究が終わり片付けて帰ろうとするイサベルに言う。
「なぁイサベル…」
「はい、なんでしょうかニルス様!本当に場所を提供してくれてありがとうございます!!」
とお礼を言われる。こんなに嬉しそうな顔を見るとたまには俺も構ってくれと言い出しにくい。
俺も男だし……いや、でも俺がいかがわしいことを考えているとか知れたら嫌われるかも!折角ここまで来たのに!
「…い、いや別に。好きなだけ研究したらいい!はは!」
結局俺は中々素直になれない。
「はい!ありがとうございます!!」
にこーっとキラキラの笑顔に押される!!
帰り際に別れの挨拶としてキスするのみだ。
それでも幸せだから我慢することにした。
イサベルが帰ると片付けた透明薬を手に取ってみる。
「……これを俺が使ったら…」
いや…何を考えている?クソ王子と同じ事をしてどうする!?あの時の襲われたイサベルはとても怖がり薬を犯罪に使われた事に震えていた。
「…しかし…俺が卒業した後、イサベルがあの王子みたいな男に狙われたら敵わない」
指輪の守りで多少は効果が発動するだろうが…。俺が卒業したら…あの商人の女友達だけではイサベルの周りが心配だ。今はまだ俺がいるから手を出してこない男達は居るだろうが…。
今も学年が違うからチャンスを狙ってる奴は多いかも。
俺は透明薬を少しだけ試してみることにした。
イサベルには悪いが使用させてもらう。
その日授業を腹が痛いと休み、1時間だけ消えられる薬を飲んだ。
すると俺の体は消え始めて周囲は認識出来なくなる。
確かイサベルは今日の午後は運動の時間であり服を動きやすい規定の服に着替えてくる。女子の運動着はやたらと作りが怪しい。
スカートは制服より短く動きやすい反面チラリと足が見える時もあり男子生徒はそれに興奮する。
今度学園長に運動着の改定案を出すべきだな!!
イサベルは案の定訓練場で目立っている。綺麗な銀髪が光に反射して友達の女と談笑している姿だけで男達は虜になる。
走るとスカートが揺れ男子達から
「おおお!あと少し!」
「下着見えないかな?」
「いや、揺れるイサベル様の胸もいい!」
と不埒な感想に俺はゴスゴスゴスと消えているのをいいことに殴りつけたら男子たちは勝手に勘違いしてお互いに喧嘩を始めた。
イサベル達女子は不思議そうに見ていた。
本当ならイサベルを見る男全員目潰ししてやりたかった。
結局俺はバレないで見守った。
イサベルは魔力の訓練はそれほどと言った所であった。研究の方が向いてるからな。
しかし妬む女子も沢山いることに気付いた。アンナじゃないがイサベルは今や学園一の美人となり人目は上がった。俺が重宝している薬師から緊張しない薬を毎回与えているがそれでも友達にしがみついて震えていることが多い。それすら男達は
「なんて可愛い!震えていて守りたい!」
「この野郎!俺こそ彼女のナイトになるべきだ!」
「あーあ、婚約者さえいなければな!ニルス様暗殺されないかなぁ」
などと聞こえ不愉快になりゴンゴンと俺は殴っておいた。
イサベルは今日用具入れの係で女友達が手伝っていたが女友達が他の女に呼ばれた。
その隙に他の陰険な女達がイサベルを用具入れに閉じ込めた!!
あの女達め!!俺はつっかえ棒やらを外して開けた。
「誰?」
イサベルは一瞬閉じ込められ不安だったのか泣きそうになっていたが誰かがつっかえ棒を外してくれたのに驚いていた。外したのは俺だがバレてないだろう。
「マリー?」
と見渡しても誰もいないのでマリーとか言うのでは無いと感じたのか…キョロキョロ見渡して
「もしかして…ニルス様!?」
と聞かれたからぎくりとした!!
まだ薬が解けるのに時間がある。見えてないよなと何度も確認した。透明薬を作ったイサベルにはわかったのかもしれない。
どうする?声をかけるか?でも勝手に薬を使ったしど、どうしたらいい?
しかし確信したのかイサベルは手を前に突き出し俺を探すようにさわさわと手探りを始めた。
めちゃくちゃ没頭しているのに驚く。
お茶を出しても振り向かないほど!
俺は暇になった。だが嬉々として研究しているイサベルに声をかけ邪魔するのもダメだと大人しく課題をしたり本を読んだりしていた。
………。
うん…あれ?
なんか…あれ?
いや、俺たちは婚約者でやっと気持ちが通じたはず!!う、うんそうだよなぁ。
とりあえず研究が終わり片付けて帰ろうとするイサベルに言う。
「なぁイサベル…」
「はい、なんでしょうかニルス様!本当に場所を提供してくれてありがとうございます!!」
とお礼を言われる。こんなに嬉しそうな顔を見るとたまには俺も構ってくれと言い出しにくい。
俺も男だし……いや、でも俺がいかがわしいことを考えているとか知れたら嫌われるかも!折角ここまで来たのに!
「…い、いや別に。好きなだけ研究したらいい!はは!」
結局俺は中々素直になれない。
「はい!ありがとうございます!!」
にこーっとキラキラの笑顔に押される!!
帰り際に別れの挨拶としてキスするのみだ。
それでも幸せだから我慢することにした。
イサベルが帰ると片付けた透明薬を手に取ってみる。
「……これを俺が使ったら…」
いや…何を考えている?クソ王子と同じ事をしてどうする!?あの時の襲われたイサベルはとても怖がり薬を犯罪に使われた事に震えていた。
「…しかし…俺が卒業した後、イサベルがあの王子みたいな男に狙われたら敵わない」
指輪の守りで多少は効果が発動するだろうが…。俺が卒業したら…あの商人の女友達だけではイサベルの周りが心配だ。今はまだ俺がいるから手を出してこない男達は居るだろうが…。
今も学年が違うからチャンスを狙ってる奴は多いかも。
俺は透明薬を少しだけ試してみることにした。
イサベルには悪いが使用させてもらう。
その日授業を腹が痛いと休み、1時間だけ消えられる薬を飲んだ。
すると俺の体は消え始めて周囲は認識出来なくなる。
確かイサベルは今日の午後は運動の時間であり服を動きやすい規定の服に着替えてくる。女子の運動着はやたらと作りが怪しい。
スカートは制服より短く動きやすい反面チラリと足が見える時もあり男子生徒はそれに興奮する。
今度学園長に運動着の改定案を出すべきだな!!
イサベルは案の定訓練場で目立っている。綺麗な銀髪が光に反射して友達の女と談笑している姿だけで男達は虜になる。
走るとスカートが揺れ男子達から
「おおお!あと少し!」
「下着見えないかな?」
「いや、揺れるイサベル様の胸もいい!」
と不埒な感想に俺はゴスゴスゴスと消えているのをいいことに殴りつけたら男子たちは勝手に勘違いしてお互いに喧嘩を始めた。
イサベル達女子は不思議そうに見ていた。
本当ならイサベルを見る男全員目潰ししてやりたかった。
結局俺はバレないで見守った。
イサベルは魔力の訓練はそれほどと言った所であった。研究の方が向いてるからな。
しかし妬む女子も沢山いることに気付いた。アンナじゃないがイサベルは今や学園一の美人となり人目は上がった。俺が重宝している薬師から緊張しない薬を毎回与えているがそれでも友達にしがみついて震えていることが多い。それすら男達は
「なんて可愛い!震えていて守りたい!」
「この野郎!俺こそ彼女のナイトになるべきだ!」
「あーあ、婚約者さえいなければな!ニルス様暗殺されないかなぁ」
などと聞こえ不愉快になりゴンゴンと俺は殴っておいた。
イサベルは今日用具入れの係で女友達が手伝っていたが女友達が他の女に呼ばれた。
その隙に他の陰険な女達がイサベルを用具入れに閉じ込めた!!
あの女達め!!俺はつっかえ棒やらを外して開けた。
「誰?」
イサベルは一瞬閉じ込められ不安だったのか泣きそうになっていたが誰かがつっかえ棒を外してくれたのに驚いていた。外したのは俺だがバレてないだろう。
「マリー?」
と見渡しても誰もいないのでマリーとか言うのでは無いと感じたのか…キョロキョロ見渡して
「もしかして…ニルス様!?」
と聞かれたからぎくりとした!!
まだ薬が解けるのに時間がある。見えてないよなと何度も確認した。透明薬を作ったイサベルにはわかったのかもしれない。
どうする?声をかけるか?でも勝手に薬を使ったしど、どうしたらいい?
しかし確信したのかイサベルは手を前に突き出し俺を探すようにさわさわと手探りを始めた。
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