1 / 48
プロローグ
しおりを挟む
侯爵家令嬢の私…イサベル・マリア・キルシュは昔からの親同士の決めた会ったこともない婚約者ニルス・ダーヴィト・シャーヴァン公爵令息様と
16歳の学園入学の際にラーデマッハ学園で初めてお会いすることになる。
ニルス様は生徒会の一員であり、大変容姿も優れている。容姿は姿絵で見たことがあった。でもあの時はまだ子供の頃の絵だから正直よくわからないがかなり美少年だった。
金髪に碧の瞳を持ち…この国フォルクアの王族の従兄弟にあたるから王子とは兄弟のような近しい関係らしかった。
成長したら女の人にはモテそうな生真面目そうな印象で、実際モテていると聞く。私はやりたい研究が有り夜会に出なかったから社交界に疎い。あまり人の多いところが苦手で呼吸困難を起こす持病があるからだ。
研究とは…透明になれる薬だ。魔法が特化した国の為、私の先祖は戦争時代多いに貢献した黒魔女の家系で有り、怪しい黒魔術の古い本はたくさん書庫にあった。
幼い私は其れ等を絵本代わりに読み、侍女を困らせた。
元々人見知りだし友達は一人しかいない。
お母様の友達の娘で商家の三女であるハイデマリー・ヴォルケだ。茶髪にそばかすの入った顔にメガネをかけポニーテールをしていて胸が大きい!
私は銀髪で髪は三つ編みで後ろに結っている。侍女のサラ・シュルツェ・ポップにはもっと伸ばせば男性からモテると聞いているが別にモテようとも思っていない。
瞳は蒼い。
サラは髪を整えてくれながら
「本日からようやくご入学ですね、お嬢様!やっと人前にお出になられるなんてサラは嬉しくて!」
「……私は嫌だな。大勢の人がうじゃうじゃいる所にいたらきっと気分が悪くなる…」
「気の持ちようですよ!お嬢様!!貴方はお美しいのですからきっと話題になり、婚約者様もイサベル様を見たらきっと一目惚れなさるでしょう!」
とサラの方が自信満々だ。
「…でも…今まで会ったこともないし…向こうも別に会おうとしなかったし私には興味無いと思うわよ?」
「…お嬢様はどうしてそうなのですか?年頃の女性は恋愛や結婚について熱くなる時期なのに!」
「私はいいわ。興味無いの…。はぁ…学園が始まるまでに透明薬を完成させこの世から消えて無くなりたかったわ…」
と言うとサラは怒る。
「そんな出来もしない研究ばかりして引きこもって!!お嬢様は世間を知るべきですわ!侯爵家の令嬢なのですからね!ご長女のカミラ様を見習ってくださいませ!」
と姉さんのことを言われる。
うちの姉は美しく同じ銀髪と蒼の瞳を持っているが私と違いかなり積極的な性格で外へバンバンと出て旅行やら事業やらいろいろ派手な夜会にも出席していた。学園は去年卒業して婚約者の方と結婚間近だ。
「カミラ姉様と比べないで…。私は消えてひっそりと身を隠し生きていければいいの。人にあまりジロジロと見られたく無いわ。そういう人だっているでしょう?」
と言うとサラはため息を吐き
「馬車が着ておりますから!早く支度なさって観念して学園へ行ってニルス様にお会いしてきちんと挨拶するのですよ!」
と言われた。
ニルス様は一つ学年が上だから私より一年先輩にあたる。
「憂鬱だわ」
向こうも私に興味ないし引きこもりの研究女だと思っているだろう……。
そうだ…学園に入学したら…薬草学部に入って放課後はひっそりとしてよう。
と決めた。挨拶はささっと終わらせよう。
そう考えて馬車に乗り込んだ。
16歳の学園入学の際にラーデマッハ学園で初めてお会いすることになる。
ニルス様は生徒会の一員であり、大変容姿も優れている。容姿は姿絵で見たことがあった。でもあの時はまだ子供の頃の絵だから正直よくわからないがかなり美少年だった。
金髪に碧の瞳を持ち…この国フォルクアの王族の従兄弟にあたるから王子とは兄弟のような近しい関係らしかった。
成長したら女の人にはモテそうな生真面目そうな印象で、実際モテていると聞く。私はやりたい研究が有り夜会に出なかったから社交界に疎い。あまり人の多いところが苦手で呼吸困難を起こす持病があるからだ。
研究とは…透明になれる薬だ。魔法が特化した国の為、私の先祖は戦争時代多いに貢献した黒魔女の家系で有り、怪しい黒魔術の古い本はたくさん書庫にあった。
幼い私は其れ等を絵本代わりに読み、侍女を困らせた。
元々人見知りだし友達は一人しかいない。
お母様の友達の娘で商家の三女であるハイデマリー・ヴォルケだ。茶髪にそばかすの入った顔にメガネをかけポニーテールをしていて胸が大きい!
私は銀髪で髪は三つ編みで後ろに結っている。侍女のサラ・シュルツェ・ポップにはもっと伸ばせば男性からモテると聞いているが別にモテようとも思っていない。
瞳は蒼い。
サラは髪を整えてくれながら
「本日からようやくご入学ですね、お嬢様!やっと人前にお出になられるなんてサラは嬉しくて!」
「……私は嫌だな。大勢の人がうじゃうじゃいる所にいたらきっと気分が悪くなる…」
「気の持ちようですよ!お嬢様!!貴方はお美しいのですからきっと話題になり、婚約者様もイサベル様を見たらきっと一目惚れなさるでしょう!」
とサラの方が自信満々だ。
「…でも…今まで会ったこともないし…向こうも別に会おうとしなかったし私には興味無いと思うわよ?」
「…お嬢様はどうしてそうなのですか?年頃の女性は恋愛や結婚について熱くなる時期なのに!」
「私はいいわ。興味無いの…。はぁ…学園が始まるまでに透明薬を完成させこの世から消えて無くなりたかったわ…」
と言うとサラは怒る。
「そんな出来もしない研究ばかりして引きこもって!!お嬢様は世間を知るべきですわ!侯爵家の令嬢なのですからね!ご長女のカミラ様を見習ってくださいませ!」
と姉さんのことを言われる。
うちの姉は美しく同じ銀髪と蒼の瞳を持っているが私と違いかなり積極的な性格で外へバンバンと出て旅行やら事業やらいろいろ派手な夜会にも出席していた。学園は去年卒業して婚約者の方と結婚間近だ。
「カミラ姉様と比べないで…。私は消えてひっそりと身を隠し生きていければいいの。人にあまりジロジロと見られたく無いわ。そういう人だっているでしょう?」
と言うとサラはため息を吐き
「馬車が着ておりますから!早く支度なさって観念して学園へ行ってニルス様にお会いしてきちんと挨拶するのですよ!」
と言われた。
ニルス様は一つ学年が上だから私より一年先輩にあたる。
「憂鬱だわ」
向こうも私に興味ないし引きこもりの研究女だと思っているだろう……。
そうだ…学園に入学したら…薬草学部に入って放課後はひっそりとしてよう。
と決めた。挨拶はささっと終わらせよう。
そう考えて馬車に乗り込んだ。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

愛せないですか。それなら別れましょう
黒木 楓
恋愛
「俺はお前を愛せないが、王妃にはしてやろう」
婚約者バラド王子の発言に、 侯爵令嬢フロンは唖然としてしまう。
バラド王子は、フロンよりも平民のラミカを愛している。
そしてフロンはこれから王妃となり、側妃となるラミカに従わなければならない。
王子の命令を聞き、フロンは我慢の限界がきた。
「愛せないですか。それなら別れましょう」
この時バラド王子は、ラミカの本性を知らなかった。

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。

あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる