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夜桜沙耶華と腐男子先輩
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「どどど、どうぞ……そ、粗茶でございまする!!」
と漫画部の3年の梶木先輩は畏ってお茶を出した。因みにお茶はスーパーなどで買える安物ティーパックだ。ポットも常備されている。
3年の先輩は眼鏡をかけておでこが広く、唇は分厚い方である。
【梶木百合子】先輩だ。
それに丸ッとしてつり目でボーイッシュな
【稲泉愛梨】先輩。
こちらは2年生。
そして部長の3年生の
【猪爪賢斗】先輩。痩せ型の猫背で青白く目のクマが凄いことになっている地味系だった。
そして私が憧れた
【小波龍馬】先輩、2年生は髪はボサボサでジャージを着て眠そうな男の方でした。この人が!この方が!!腐男子!!
と思うと思わず心が落ち着かない!
「スッゲー美女…」
と小波先輩か私を見て言う。
「初めまして。私、夜桜沙耶華と申します!本日はこちらに入部したく入部届を持って参りました!」
と言うと部員の皆様は驚いた!!
「ええええー!!?」
「美女がこんなしみったれた部に入部て!!」
「ていうか後ろの人もめっちゃイケメンと可愛い男子が!!」
「なんなの!?今日は?この部は異次元に迷い込んだの!?」
「落ち着け!!もしかしてら並行世界かもしれない!!ここは本来の地球ではないのかもしれない!!」
「しっかりして!部長おおおお!」
と部員の皆様は取り乱していたが、我が師匠と呼ぶべき、小波先輩は落ち着いて茶を啜ってポッキーをボリボリ食べていた。
そして言った。
「で?後ろの二人は?」
と言うと玲一郎は
「し、白藤玲一郎だ。お、俺もこの部にはい…入ろうと…」
「えーと…ぼ、僕も。あ、月城昇です…。よろしくお願いします」
と挨拶する二人。
すると小波先輩は
「ふーん…白藤くんは受けで、月城くんが攻めかな?」
と言い、私に雷が落ちた!!
「え!?何を…仰ってるのかしら??」
小波先輩は頭を掻き、
「ああ…ごめん、一般人には難解だったかな。気にしなくていい…」
と言う先輩に私は迫り肩を掴んだ!!
「!?」
「…攻めは玲一郎で、受けは月城くんかと!?」
と言うと小波先輩の口からポッキーが落ちて
「いや…いやいや、逆で!」
「いえ、受けは月城くんで!!」
「いや!月城くんは攻めだ!!」
と攻防が続いた所でおほんと部長が止めた。
「二人ともそのくらいで。夜桜さん…。貴方を誤解してすまない。人は見かけによらないのだね。歓迎するよ!我らの部へようこそ!!」
とさっきまで怯えていた部員達もなんか和やかになり私に話しかけた。
私は感じた。
この人達は仲間だと!!
私は皆さんと握手した。
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします!」
と言うと玲一郎が突っ込んだ!!
「嫁かよ!!?」
と。
それにちょっと白ける私と部員達。
「夜桜さん。彼等はたぶん理解していないようだが、漫画を描くことができるのかな?」
「それはどうかと?ついてきただけ?」
すると小波先輩が
「画力テストをしよう」
と言い出し、部長は
「そうだね、とりあえずこの紙に4コマを描いてもらおうか。テーマは春で…特にオチはつくらなくてもいい!」
と言う。
月城くんは不思議な顔で
「4コマなのにオチが無くていいんですか?」
と聞いた。
「いいんだよ、最初だしね、好きに描いてくれ」
と部長が言い、私達は実力を発揮することになった。
私は考えた。春と言えば出会いだ!
いや…違うわ…逆に……。
各々は紙に4コマを描き始めた。
玲一郎がいち早く終わらせた。
「こんなもの俺にかかれば造作もないな」
と見てみると、パンを加えた女子が曲がり角で男の子とぶつかって恋に落ちると言う定番のアレだった。
正直白けた。
「な、なんだよ!!?」
小波先輩は
「全然面白くないけど一応背景だけはめちゃくちゃ上手いな!」
て言われ玲一郎は
「ぜ、全然面白くない!?」
とショックを受けた。
梶木先輩も
「えーと…私ならここでヒロインが男の子にブチ切れて殺しますね」
と言ったので玲一郎は
「いや、なんでだよ!!?」
と突っ込んでいた。
私は
「玲一郎…。梶木先輩の言う通り、単なる4コマでもオチが無くても、面白い展開は必要なのよ!!
玲一郎の4コマにはそれが無い!!笑える要素も無ければ、続きを感じさせるものもない!!残念だわ」
と言うと、玲一郎は更に落ち込んだ。
次は月城くんが見せた。
「あ、あの僕も自信なくて」
と言い、見てみると、
一コマ目には可愛らしい兎が捨てられていた。捨て兎と描かれた段ボールに入っていた。
二コマ目では男子学生が通りかかる。
三コマ目では兎が「ワン!」と鳴いて男子学生が驚き、
四コマ目では男子学生のモノローグ突っ込みで「犬?兎?どっちなんだ??」
と描かれて終わっていた。
「ど、どうですかね?」
と月城くんは恐る恐る聞いた。
部長が
「うん、いいと思うよ」
とにこりとした。
「そうね、玲一郎よりは遥かにマシだわ!」
「絵も可愛いわ!」
と梶木先輩も言う。
「良かった…。自信なかったけど」
と月城くんは照れる。
玲一郎はそっぽを向いていた。
「夜桜さんのは?」
と小波先輩が言い、玲一郎も
「お前はどんなのを描いたんだ?」
と言うから私はとうとう自分のを発表することになった。
と漫画部の3年の梶木先輩は畏ってお茶を出した。因みにお茶はスーパーなどで買える安物ティーパックだ。ポットも常備されている。
3年の先輩は眼鏡をかけておでこが広く、唇は分厚い方である。
【梶木百合子】先輩だ。
それに丸ッとしてつり目でボーイッシュな
【稲泉愛梨】先輩。
こちらは2年生。
そして部長の3年生の
【猪爪賢斗】先輩。痩せ型の猫背で青白く目のクマが凄いことになっている地味系だった。
そして私が憧れた
【小波龍馬】先輩、2年生は髪はボサボサでジャージを着て眠そうな男の方でした。この人が!この方が!!腐男子!!
と思うと思わず心が落ち着かない!
「スッゲー美女…」
と小波先輩か私を見て言う。
「初めまして。私、夜桜沙耶華と申します!本日はこちらに入部したく入部届を持って参りました!」
と言うと部員の皆様は驚いた!!
「ええええー!!?」
「美女がこんなしみったれた部に入部て!!」
「ていうか後ろの人もめっちゃイケメンと可愛い男子が!!」
「なんなの!?今日は?この部は異次元に迷い込んだの!?」
「落ち着け!!もしかしてら並行世界かもしれない!!ここは本来の地球ではないのかもしれない!!」
「しっかりして!部長おおおお!」
と部員の皆様は取り乱していたが、我が師匠と呼ぶべき、小波先輩は落ち着いて茶を啜ってポッキーをボリボリ食べていた。
そして言った。
「で?後ろの二人は?」
と言うと玲一郎は
「し、白藤玲一郎だ。お、俺もこの部にはい…入ろうと…」
「えーと…ぼ、僕も。あ、月城昇です…。よろしくお願いします」
と挨拶する二人。
すると小波先輩は
「ふーん…白藤くんは受けで、月城くんが攻めかな?」
と言い、私に雷が落ちた!!
「え!?何を…仰ってるのかしら??」
小波先輩は頭を掻き、
「ああ…ごめん、一般人には難解だったかな。気にしなくていい…」
と言う先輩に私は迫り肩を掴んだ!!
「!?」
「…攻めは玲一郎で、受けは月城くんかと!?」
と言うと小波先輩の口からポッキーが落ちて
「いや…いやいや、逆で!」
「いえ、受けは月城くんで!!」
「いや!月城くんは攻めだ!!」
と攻防が続いた所でおほんと部長が止めた。
「二人ともそのくらいで。夜桜さん…。貴方を誤解してすまない。人は見かけによらないのだね。歓迎するよ!我らの部へようこそ!!」
とさっきまで怯えていた部員達もなんか和やかになり私に話しかけた。
私は感じた。
この人達は仲間だと!!
私は皆さんと握手した。
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします!」
と言うと玲一郎が突っ込んだ!!
「嫁かよ!!?」
と。
それにちょっと白ける私と部員達。
「夜桜さん。彼等はたぶん理解していないようだが、漫画を描くことができるのかな?」
「それはどうかと?ついてきただけ?」
すると小波先輩が
「画力テストをしよう」
と言い出し、部長は
「そうだね、とりあえずこの紙に4コマを描いてもらおうか。テーマは春で…特にオチはつくらなくてもいい!」
と言う。
月城くんは不思議な顔で
「4コマなのにオチが無くていいんですか?」
と聞いた。
「いいんだよ、最初だしね、好きに描いてくれ」
と部長が言い、私達は実力を発揮することになった。
私は考えた。春と言えば出会いだ!
いや…違うわ…逆に……。
各々は紙に4コマを描き始めた。
玲一郎がいち早く終わらせた。
「こんなもの俺にかかれば造作もないな」
と見てみると、パンを加えた女子が曲がり角で男の子とぶつかって恋に落ちると言う定番のアレだった。
正直白けた。
「な、なんだよ!!?」
小波先輩は
「全然面白くないけど一応背景だけはめちゃくちゃ上手いな!」
て言われ玲一郎は
「ぜ、全然面白くない!?」
とショックを受けた。
梶木先輩も
「えーと…私ならここでヒロインが男の子にブチ切れて殺しますね」
と言ったので玲一郎は
「いや、なんでだよ!!?」
と突っ込んでいた。
私は
「玲一郎…。梶木先輩の言う通り、単なる4コマでもオチが無くても、面白い展開は必要なのよ!!
玲一郎の4コマにはそれが無い!!笑える要素も無ければ、続きを感じさせるものもない!!残念だわ」
と言うと、玲一郎は更に落ち込んだ。
次は月城くんが見せた。
「あ、あの僕も自信なくて」
と言い、見てみると、
一コマ目には可愛らしい兎が捨てられていた。捨て兎と描かれた段ボールに入っていた。
二コマ目では男子学生が通りかかる。
三コマ目では兎が「ワン!」と鳴いて男子学生が驚き、
四コマ目では男子学生のモノローグ突っ込みで「犬?兎?どっちなんだ??」
と描かれて終わっていた。
「ど、どうですかね?」
と月城くんは恐る恐る聞いた。
部長が
「うん、いいと思うよ」
とにこりとした。
「そうね、玲一郎よりは遥かにマシだわ!」
「絵も可愛いわ!」
と梶木先輩も言う。
「良かった…。自信なかったけど」
と月城くんは照れる。
玲一郎はそっぽを向いていた。
「夜桜さんのは?」
と小波先輩が言い、玲一郎も
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