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《23》しょうが焼き(?)

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「なに!?本当か!」

叫んだのは、ギルドマスターだ。
かなり慌てている様子。
忙しい様子で執務室に戻っていった。

だが、僕達には関係のない話だ。
空いてるテーブルにつくと、こたつがどこからか、料理を運んできた。
見たところしょうが焼きだ。

「食べていいの?」

口からよだれを垂らしたフグリがいう。
こたつがコクリとうなずくのを見て僕もフォークを手に取る。

.....ちょとまて。
豚肉なんていつ手にいれた?

「この豚肉まさか、オークキングか?」

こたつがさっと目をそらす。
料理が出来ると感心していたが、前言撤回だ。

「お兄ちゃん、多分、食べれるよ。見た目豚だったし。」

二足歩行で、武器を使っていたところをみるとかなりの知能があるように見えたが....。
やはり食べる気になれない。
そもそも、オークキングは魔物であって、動物ではない。

「飛べなかったし、ただの豚だよ!」

なんか聞いたことあるような台詞が来た。
というか、フグリも一切手をつけてない。
先に食べさせる作戦か。
しかし、覚悟を決めて口にいれる。

口の中に肉汁が広がった。
たれ(?)もいい塩気でめちゃくちゃうまい。
時折、あの顔が思い出されるが、そんなのは気にできないほどの出来。

「すごいうまいよこれ!?」

こたつが少し照れるそぶりを見せた。
が、無表情。
フグリもしょうが焼き(?)に手をつけ始めたころ、さっきの新聞記者が店の真ん中で何か話している。

「現在、王宮の勇者と『りんご』の魔法使い、そして、りんご教の人たちが行っています!
 王宮の勇者はともかく、『りんご』の少年なら、大丈夫だと思われます。
さらに、少年を崇拝する、りんご教の人もいるよ!」

今、さらっととんでもないことを聞いた気がする。
『りんご』と言えば、こたつが使う『みかん』と対になる魔法だったな。
しかも、崇拝する人たちがいるのか。

そういえばこたつが何で、性奴隷になったのか聞いてなかったな。

「・・・。」

やっぱりそう簡単に話してくれないか。

「ふむ。『他の魔法の使い手に攻められて、両親も殺された』と言いたそうな目だねぇ。」

何で、フグリは通訳できるんだよ。
普通分かんないだろ。

「ふふふ、お兄ちゃんもまだまだですなー。」

いや、そう簡単にわかるものではないと思うが。
言いたいことをバッチリと当てられたこたつは一人、驚いていた。
だが、無表情だ。



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