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三章 オタク仲間を増やしたい

メイサと紅茶

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「王都観光ですか…?」

何を言われると思っていたのかわからないが、そんな事でいいの?という顔でメイサさんがこちらを見てる。


そう、私は王都観光がしたかったんだ…!

前回はスキルの話でわちゃわちゃしてる間に帰らなきゃいけない日になってすぐ実家に戻ったし、今回こそはちゃんと見て回りたいのである。

「メイサさんが王都観光に連れてってくれたらこの紅茶を提供してあげますけど、どうでしょうか?」

「…そんな事でよろしいのですか?色々な紅茶をいただけるのであれば、一生ただ働きをしろとか、血を吐くまでお馬さんごっこしろ…とかなんでもする覚悟を決めたところでしたのに…。」

「紅茶くらいでそんな事要求しないよ…?」

「紅茶くらいではありません!リリー様!」

「あっはいっすみません…」

紅茶の話になるとメイサさんがマジで怖い。

これはこれからあまり紅茶を出さない方が良いな気がしてきた…ここぞという時にしよう。


「それでは今すぐにお二人にリリー様の観光案内をして良いか確認して参ります!」

「あ、ありがとう」


メイサさんがまた父達の所へ許可をとりにいった。

好きなものの話になるとみんなすごいな…と遠い目をしながら座ってると、5分もかからず戻ってきて

「許可とれました!今から行きましょう!さぁ!リリー様!ご準備を!」

と私を急かし始めた。

これは、王都観光後じゃないと紅茶を飲めないと思ってるやつだな?

「メイサさん…?先に紅茶を飲んで大丈夫なので、落ち着いてから観光に連れて行ってもらっていいですか?」

「え…っ!?!?先に飲んでもよろしいのですか!?!?」

「はい、大丈夫ですよ」

そうでもしないと高速で観光させられそうだ。せっかくなのでゆっくり観光したいよ…。


「で、では…早速…」

口の端からよだれが垂れそうな勢いで紅茶をガン見して缶を開け始める。


「あぁ!!!この香り!!!この味…!!」

興奮して茶葉ごとを少し食べ始めた。

ちょ、えっ…

「すっ…素晴らしい…!!このような品質の紅茶が後4つも…!?早速淹れて飲んでみなければ…!!お湯!!ティーポット!!ティーカップ!!あぁ…すぐ準備してこれを…」

メイサさんは完全に自分の世界に入ってしまった。

あー…これはダメやつや。


どうしたもんかと困っていると

「リリー、アランと話が終わったから宿に戻るぞー…ってメイサと観光行くんだっけか?」

とパパンがドアをあけて声をかけてきた。

ノックしような??と思いながらもちょうど良いタイミングだ。

「そのつもりだったんだけど、メイサさんあんな感じになっちゃって、多分今日は無理だと思う」

そう言って2人でメイサを見つめた。


「あーー…あぁなったら今日は無理だな」

「私もそう思う」

「んじゃ、宿に戻るか」


とりあえずメイサさんは放置でいいだろう。

別室で伯父さんに挨拶をし、メイサさんには明日観光に連れて行ってもらえるように調整を頼んだ。仕事もあるだろうし勝手には連れ出せないだろう。

そして伯父さんに食品とオムツの販売が順調だと教えてもらい、今回だした紅茶も是非商会に…と言われてしまった。

また売り出す商品が増えてしまった。ぐぬぬ。

とりあえず観光は明日だね。

あー!楽しみ!
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