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三章 オタク仲間を増やしたい
紅茶と条件
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父の実家の商会の客間でメイサさんが戻ってくるのを待ってると、しばらくして興奮した様子で戻ってきた。
「リリー様!お2人から許可をいただけました!!」
「良かったですね。今ちょうどスキルを使って確認をしてみたら増えてましたよ…紅茶!」
ニヤリとしながらそう伝えると、「よっしゃっ!」と言いながらガッツポーズしている姿が見えた。
お淑やかなイメージだったけど、紅茶の事になると人が変わりすぎじゃない??
「それで、どんな紅茶があるのでしょうか?予算はアラン様からいただいてますのでご心配なく!とりあえずスキルで買える紅茶は全て購入しましょう!!!」
そう言いつつ金貨をドンドン出し始めた。
試しに紅茶を買うだけなのに金貨って…
メイサさんの熱意に若干引いてしまうが、これが好きなアニメのグッズの話だと思うと気持ちはわかる。
予算があるなら高くてもとりあえず全部買っちゃうよね…!!(お金がない時はボーナスの時期まで泣く泣く諦めてたけど…)
そんな事を考えつつも圧が強いのでさっさと紅茶を購入し、テーブルの上に並べていく。
もちろん前の世界で売っていたパッケージのまま取り出すのはあれなので、アイテムボックスの中で紅茶の葉をこちらの世界で出しても大丈夫そうな容器に詰め替えた上でだ。
流石に通販で買える紅茶を全種類出すのは無理なので、前にいた世界で有名だった英国王室御用達の高級紅茶を5種類ほどだし
「これがロイヤルブレンドで香りは~、こっちがアールグレイクラシックってやつで…」
と、商品説明を一つ一つ読み上げていく。
メイサさんは説明してる横で、「いったいどんな味わいなのでしょうか…この香りは…」とブツブツいいながらメモをとっているのだが、真剣すぎて少し怖い。
一通り説明が終わると
「さっそく淹れてましょう!!準備をして参りますね!!」
と、すぐに部屋を出て行こうとする。
早く飲みたくて仕方ないんだろうな…
でも…!
「メイサさん!…ちょっと待って!」
私は部屋を出る直前に呼び止める。
振り返った顔がとても悲しそうだったが、そんな事は気にしない。
「メイサさん。私はスキルでこの紅茶達を提供するには条件があります…!!」
そう言うと、メイサさんが一瞬固まった。
「……失礼致しました。リリー様、その条件というのはいったい…?私が出来る事であればなんでも致しますので何卒この紅茶達を私に…」
と、泣きそうな顔でこちらを見る。
ごめんよ、別にいじめたいわけじゃないんだ…そんな顔で見ないでおくれ。
「この紅茶達を提供する条件は…《私を王都観光に連れていく事》です!」
「リリー様!お2人から許可をいただけました!!」
「良かったですね。今ちょうどスキルを使って確認をしてみたら増えてましたよ…紅茶!」
ニヤリとしながらそう伝えると、「よっしゃっ!」と言いながらガッツポーズしている姿が見えた。
お淑やかなイメージだったけど、紅茶の事になると人が変わりすぎじゃない??
「それで、どんな紅茶があるのでしょうか?予算はアラン様からいただいてますのでご心配なく!とりあえずスキルで買える紅茶は全て購入しましょう!!!」
そう言いつつ金貨をドンドン出し始めた。
試しに紅茶を買うだけなのに金貨って…
メイサさんの熱意に若干引いてしまうが、これが好きなアニメのグッズの話だと思うと気持ちはわかる。
予算があるなら高くてもとりあえず全部買っちゃうよね…!!(お金がない時はボーナスの時期まで泣く泣く諦めてたけど…)
そんな事を考えつつも圧が強いのでさっさと紅茶を購入し、テーブルの上に並べていく。
もちろん前の世界で売っていたパッケージのまま取り出すのはあれなので、アイテムボックスの中で紅茶の葉をこちらの世界で出しても大丈夫そうな容器に詰め替えた上でだ。
流石に通販で買える紅茶を全種類出すのは無理なので、前にいた世界で有名だった英国王室御用達の高級紅茶を5種類ほどだし
「これがロイヤルブレンドで香りは~、こっちがアールグレイクラシックってやつで…」
と、商品説明を一つ一つ読み上げていく。
メイサさんは説明してる横で、「いったいどんな味わいなのでしょうか…この香りは…」とブツブツいいながらメモをとっているのだが、真剣すぎて少し怖い。
一通り説明が終わると
「さっそく淹れてましょう!!準備をして参りますね!!」
と、すぐに部屋を出て行こうとする。
早く飲みたくて仕方ないんだろうな…
でも…!
「メイサさん!…ちょっと待って!」
私は部屋を出る直前に呼び止める。
振り返った顔がとても悲しそうだったが、そんな事は気にしない。
「メイサさん。私はスキルでこの紅茶達を提供するには条件があります…!!」
そう言うと、メイサさんが一瞬固まった。
「……失礼致しました。リリー様、その条件というのはいったい…?私が出来る事であればなんでも致しますので何卒この紅茶達を私に…」
と、泣きそうな顔でこちらを見る。
ごめんよ、別にいじめたいわけじゃないんだ…そんな顔で見ないでおくれ。
「この紅茶達を提供する条件は…《私を王都観光に連れていく事》です!」
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