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二章 初めての王都と父の実家

お爺ちゃんと対面

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次の日の朝、宿でまったりしていると
商会の使いの人から祖父が王都に戻ってきたと連絡があったので、両親に連れられ父の実家の商会にまたやってきた。

午前中なのにもう商会の中にはお客さんがいっぱい!流石大手の商会だ。

入り口で出迎えてくれたトムさんに案内され、昨日とは別の客間のようなところに通された。

ソファーも机も装飾品も高そうなものばかりで、多分VIPルーム的に使ってる場所なんじゃないかな。

3歳児をこんなところに連れてきて大丈夫なのかと心配になる。



「会長とアラン様を呼んで参ります。」

とトムさんが部屋を出て行き、メイサと呼ばれる従業員さんがお茶を用意してくれた。

私はジュースだけどね!

宿とかで飲んだのとかよりは美味しいけど、個人的にはそんなに美味しくない。

ぅぅ…日本の100%オレンジジュースが飲みたい…!!あと炭酸も…。



メイサさんは黒髪ボブの綺麗な人で、昨日も大人通し話し合ってる時に飲み物とかお菓子を出してくれた。

黒髪だからなんか親近感わいちゃうよね…!!メイド服とか着て欲しいなー!


とか思いつつジュースを飲んでると、客間のドアが叩く音と声がした。

「失礼します。会長とアラン様がお越しになりました。」

トムさんがそう言い、
昨日あった赤髪メガネの伯父さんらしき人と赤髪で髭を生やしたいかにも偉い人オーラのあるお爺さんが入ってきた。

伯父さんの名前がアランって言うらしい。
祖父は商会長だから会長って呼ばれてるみたいだね。


…ふむ。
伯父さんは昨日会ったけど、この人が祖父か。見た目ちょっと頑固ジジイっぽい感じがある。

じっと祖父を見つめていると目が合った気がしたがすぐに逸らされた。


「おう、兄貴!昨日ぶり。それに親父、久しぶりだな!しばらく見ない内によりジジイになったな…!」

と父が話しかけると、祖父の眉毛がピクッと動くが、何も言わない。

「はぁ…お前は相変わらずだよな…。とりあえずマリーさんとリリーちゃんをちゃんと親父に紹介してあげてくれ」

父のテンションに慣れてる伯父さんは昨日と同じように話を進めていく。

母が祖父に挨拶をし、真似をして私も挨拶をする。

「リリーです。よろしくおねがいします!」

よし!ちゃんと言えた!と、満足気に祖父を見る。

祖父は無愛想なのだろうか、あまり表情を変えずに無言でこちらを見下ろし、たまに口を開こうとする様子はあるが、言葉になっていない。

何か失礼な事をしたのかと心配になり

「リリーのおじいしゃまですよね…?」

と問いかけると驚いたように目を見開き

「……あぁ…」

と素っ気ない返事が返ってきた。

なんかお爺ちゃん怖いんだけど????
なんで??子供嫌いなの?

祖父の真意がわからずどうしたらいいのかと思っていると伯父さんが解説してくれた。

「リリーちゃん、おはよう。昨日ぶりだね。俺の親父…リリーちゃんのお爺ちゃんはこんな見た目してるけど可愛いものに目がなくてね…。普段はもっとちゃんとしてるんだけど、多分今はリリーちゃんが可愛すぎて暴走しないように頑張ってるだけだと思うから怖がらないであげて欲しいんだ…」

ん…?暴走しないように頑張ってる?

「お爺ちゃんは別に嫌ってたり怒ってたりするわけじゃないから大丈夫だよ。」


と伯父さんが言うと、祖父も横で頷く。


え、本当にそんな理由だったの…?


とりあえず私がいると祖父の機能が停止するという事で、私は説明をしている間メイサさんと隣の部屋にいることに。

なんでやねん…。






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