上 下
8 / 8

第8話

しおりを挟む
 人気のない公園。そこには2人の少女がいた。1人はアリス。アリスの手にある手紙はもう1人の彼女からのもので、今日の夜に公園に来いと書かれていたので、やってきたのだ。

「私を呼びだしたのはあなたですか?」

 もう1人は紗良。手紙の差出人である彼女がアリスを呼びだしたのは用件があってのことだが、それは……。

「はい。あなたを呼びだしたのは私です。ヴィクトワールさん」
「そうですか。で、私に何の用です?」
「……あなた」

 少し間を空けた後、紗良は言葉を続けた。

「神弥遼河とハレンチなことをしていましたね。この前」
「!?」

 目を見開き、心臓が跳ね上がる。たしかにそれは事実だ。だが、あの場にいなかった紗良がなぜそれを知っているのかと少し恐怖を覚えた。

「まさか、ストーキングを……?」
「そんなわけないでしょう。あなたと彼がいっしょにいるのを偶然見かけただけです。ハレンチなことをしていたことだって確証があって言ったわけではないのですが、あなたのその様子だと本当のようですね」
「……」

 直接見られてないとはいえ、シたということを知られるだけでも羞恥を覚える。だが、アリスの中にあるプライドが言う。彼女にそれを悟らせてはいけないと。アリスはそれに従い、平静を装い(ちゃんとできてるかは別問題)ながら、口を開いた。

「それで、話というのはなんですか?」
「その前に、あなたはこう思っていませんか? 彼に勝ちたいと」
「……なぜそう思いますの?」

 これは自分の内に秘めている想いであり、誰にもそのことを言ったことはない。本人が言う気がないというのはもちろんあるが、なによりエロに関係あることなど誰に言えるのか、というのが一番の理由だ。

「簡単です。私も同じだからです」
「あなたも……?」
「私も幾度か彼に挑んだことがあるのですが、残念なことに全敗してるんですよ」
「……ああ」

 先輩にまで手を出していたのかと呆れるアリス。だが、同時に再認識した。遼河が恐れ知らずのスケベ男であることを。

「あなたと私が同じだとして、それがどう用件に繋がるのです?」
「共通の敵を持つあなたの手を借りたいのです。神弥遼河を倒すために」
「そういうことですか……」

 用件がわかると、アリスは踵を返す。

「そういうことでしたらお断りします。誰かの手を借りるなど、私のプライドが許しません」
「そうですか。では、そんなあなたにお聞きします」
「なんですの?」
「あなたは彼に勝つこととプライド、どちらが大事なんですか?」
「それは……」

 声が詰まる。プライドはもちろん大事だが、遼河に勝つこともアリスにとっては大事なことだ。どちらを選べばいいかわからず、アリスは顔を伏せたまま黙りこんだ。紗良はそれを見かねてか、助け船を出すことにした。

「あなたはたしかイギリス人でしたね。でしたら、この格言を知っていますか? “イギリス人は恋愛と戦争では、手段を選ばない”」

 そうだ。恋愛も戦争もあらゆる手段を取ってようやく掴み取れるもの。プライドは状況によっては大事なものなのは間違いないが、それによって掴み取れないものがあるなら……。

「わかりました。お貸ししましょう」
「感謝します。ところで、あなたに聞きたいことがあるのですが」
「何でしょう?」
「あなたは、彼が好きなのですか?」
「……は?」

 その時のアリスの顔はほんのり赤かったという。


―――――


 昼下がりの商店街を歩く。家にいてもヒマなのでぶらぶらしているだけなのだが、こういうのもたまにはいいものだ。

(気温も丁度いいし、今日は絶好の散歩日和だ―――)

 な、と思いかけたところで背後から首をひっかけるように腕が伸びる。固定された首がギュウッと締められる。

(誰だ……?)

 顔を見たくてもこの状態ではムリなので、頭を少し動かす。これはおっぱいで人物を判別するというもので、俺が長きに渡る経験で身につけた能力だ。おっぱいという名がついてる時点で分かる通り、この能力は女性にしか使えない。

(この弾力、柔らかさ……紗良先輩か?)
「大人しくしてください」

 やっぱり紗良先輩だ。彼女とはしばらく会っていなかったが、俺の能力はその程度じゃ鈍らない。

「お久しぶりです紗良先輩、元気にしてましたか?」
「あなたは相変わらずのスケベ面ですね。私と会わない間もスケベなことをしていたのでしょう?」

 その通りでございます。紗良先輩は俺のこと分かってるな。

「否定はしません。でも、俺は紗良先輩のことを忘れたことは一度だってないですよ」
「なっ……!?」

 紗良先輩の顔が赤くなる。チョロいな。

「そういうところも相変わらずですね……」
「お褒めにあずかり、光栄です」
「褒めてません!」

 更に首を絞められる。紗良先輩は気づいてないかもしれないが、俺は今密着してるおかげでおっぱいを自然な形で堪能できている。ありがとう紗良先輩! あなたのおっぱいは最高です!
 なんてこと思っていると、リムジンが俺達の横で停まる。開けられた車窓から顔を見せたのはもちろんアリスだ。

「ごきげんよう。急ですが、一緒に来てもらいます」
「え?」

 拒否権はないのか、返答を言うヒマもなく車に詰め込まれ、ウィリアムズ邸へ。アリスと紗良先輩は俺を空き部屋に入れると、ここには誰も入れないという強い意志を見せるようにドアと窓には鍵をかけた。

「あの―――」
「あなたはこちらです」

 紗良先輩に投げ飛ばされ、身体が空を舞う。荒っぽいと思いつつも、身体はベッドへダイブ。そこから先回りしていたアリスと紗良先輩に挟まれ、身動きが取れなくなった。方法はアレだが、結果的に“両手に花”状態になったので、得したと言えるだろう。

「幸福ですか? 幸福ですよね? あなたのことですから」
「美女に囲まれてるんですから、幸福でないわけないですよ」

 腕を脇に通し、2人のおっぱいを揉む。どっちも大きくて柔らかい。俺の興奮はすぐさまペニスに伝達され、ビンッと勃ちあがった。
 ふっと笑うアリスと紗良先輩。それが何を意味するかは、俺には分からない。かといって、2人がそれに答えるわけもなく、ペニスは2人の手中に収まった。

「反応が早いですわね。流石スケベ男」
「本当に、救いようがありませんね」

 罵倒ほめことばを浴びせながら、ペニスがこすられていく。強すぎず、かといって弱すぎない力加減がキモチよくて、息のリズムは自然と乱れていく。

「息が乱れていますよ? そんなにキモチいいんですか?」
「はい。すごくっ」

 指テクもそうだが、何より美少女にされてるというのがいい。100人の男子にアンケートを出したとしても、俺の意見が大半を占めるな絶対。

「イキなさい。快楽の赴くままに」

 紗良先輩の言葉に導かれるように出た精液。それが紗良先輩とアリスに付着し、白くて長いをがもう精液まみれにした。

「余韻など与えませんわよ。私達のターンはまだ終わってないのですから」

 俺の前に跪き、4つの球体がペニスを囲む。指を遥かに凌ぐ柔らかさに、息はまたもや乱れる。

「いい顔ですね。キモチよがってるのがひと目で分かりますよ」
「さあ、もっと快楽に身を委ねる姿を見せてください」

 目的は分からないが、こんなことされたら見せないわけにはいかない。というか、こんなの耐えられるわけない! これに耐えられるのは煩悩を捨て去ったヤツだけだ!
 だが、俺は断言する。そんなヤツはこの世に存在しない。煩悩とは妻のようなもの。したがって、煩悩を切り離すことなどできはしないのだ!

「また、出るっ……!」
「いいですよ。遠慮はいりません」

 言われなくてもガマンなんてできない。それが伝心したのか、精液はまたもやアリスと紗良先輩に付着した。それを指ですくい取り、舐める2人。言うとぶっ飛ばされそうなので心の内に留めておくが、すっごいエロい……。

「まだ出せますよね?」
「まさか、出せないとか言いませんわよね?」

 舐められたものだ。この程度でへばるとなっちゃスケベ男の名が廃るというもの。ということで俺は紗良先輩の挑発に乗り、2人の身体をベッドに倒した。

「随分ヤッてくれたな。ここからは俺のターンだ」

 いまだに興奮が収まらないペニスをナカに挿す。続けて子宮を突くが、紗良先輩の挑発は止まなかった。

「この程度ですかっ♡まだまだですねっ♡」
「なら、これはどうです?」

 手を伸ばし、おっぱいを揉みしだく。寄せて、上げて、乳首を弄って。手の動きに合わせて形を変えるおっぱいに興奮を覚え、精液を子宮にぶちこむ。同時に紗良先輩もイッたようで、愛液は精液と抱きあう。

「はあ、はあ……やはりあなたは、スケベ男……」

 吐き捨てるように言うと、紗良先輩は動かなくなった。気を失ったようだが、しばらくすれば目を覚ますだろう。

「待たせたな。アリス」
「誰も待ってな―――!」

 奇襲をかけるが如くペニスを挿しこみ、腰を振る。さっきアリスは待ってないと言いかけてたが、身体のほうは歓迎してくれた。その証拠に、子宮への道がペニスをしめつけてるし。

「そんなに動いちゃ、やっ♡」
「いい加減素直になれよ。おまえの身体みたいにさ」
「そ、それは……」

 アリスが視線を外す。もし否定するとしたら、“好きじゃない”と答えるはず。だが、彼女は否定しなかった。つまり、そういうことだ。

「キモチいい……キモチいいですわよっ♡あなたにこうされるのが好きで好きでたまりませんのぉっ♡」
「じゃあ、俺はそれに応えないとな」

 腰の動きを速めると、アリスは嬌声のボリュームを上げる。もうヤバい。限界だ。

「アリス、出すぞっ」
「はいっ♡出して、くださいっ♡」

 アリスの呼びかけに応じるように、精液は子宮に入りこむ。出された愛液は追い出された精液を慰めるように混ざり合った。

「この私をここまで……。私はやはり、あなたが……」
「?」
「す、き……」

 かすかな声だったが、たしかに聞こえた。きっと俺に会わない間、あの告白のことをずっと考えていたのだろう。そして今、彼女なりの勇気を出して返事をくれた。それだけでもわざと誘拐された甲斐があるというものだ。

「私をここまでにした責任、しっかり取ってもらいますからね……♡」
「取るさ。この命がある限り、ずっとな」

 アリスは満足したように微笑むと、そっと唇を重ねた。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...