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 【第二分岐点】分岐する異世界

 武器は鍛冶場で作ってます。

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 ギルドに戻る。
 何も手に出来なかったあさりんはギルドに手ぶらで戻って来た。
「はぁ~、あさりんさん手ぶらとは、何をやってんたか。」
 あさりんを見たフィニがため息混じりに呟く。
 方やあさりんは。

 どっぷりと先の森消滅に大きなため息を付いていた。
 アサシンは2人を見ながら、呟く。
「どっちもどっちだなぁ、処でフィニっち。」
「誰がフィニっちだ。」
「そんな事はこの際置いといてだ。」
「そんなとこに置くなって。」
「棚上げだなぁ、まぁこの際もう一人あさりんに付けるか、魔法の出来る冒険者を紹介して貰わないと。」
 アサシンの目があさりんに訴えかける。
 あさりんは少し考える。
(そう言えばアサシンは使い者に成らない、魔法使いでも1人居れば…だがそんな簡単に魔法使いが居れば良いんだけどねぇ。)
 チラッとフィニを見る。
 フィニが書類から美味しい冒険者を発見したのはその時であった。
「居た居た、丁度手頃な冒険者が居ました、ドワーフと言う魔法使いなのでレアですよ。」
 あさりん、アサシンは顔を見合わせる。
「何故にドワーフの魔法使いなんだ。」
 フィニは含み笑いをして、言い放つ。
「其れはドワーフが魔法を使えるとは、普通に考えても有り得ないから面白(うふぅん)、元いパーティに活力源として相応しいかなぁって。」
 と言う事で、自称ドワーフと(フィニが)勝手に何故か言って居るポピットが来た。
 オドオドとちっこく、見た目はドワーフの様な装備をさせられた、重装甲に不格好なポピットが現れた。
「あの~、フィニ様この。」
 フィニが被せる様に大きな声で。
今回あさりん達のパーティに参加する、ドワーフの、『ミズル』と言います。
 ミズルは初歩の魔法から、上級魔法まであらゆる魔法を、使い熟す、重砲物理魔職前衛魔法使いと言われる鉄壁の防御に、魔法まで使える逸材ですよ。」
 あさりん、アサシンはフィニの考えが分からないが、仲間として増える事には、何の問題も無いと承諾した。
 ミズルは口をパクパクと、お魚の様にしていた。
 アサシンは腹が減ったと、フィニの昼食をつまみ食い、と同時にフィニにバレた。
 取っ組み合いの喧嘩を他所に、あさりんと、ミズルはいそいそと外に出て行った。
 あさりんは取り敢えず小腹が減ったので、ミズルと共に屋台風の出見世で食事をする事に。
 出見世では獣人が、ケバブに似た物を調理中、反対の出見世では、ラーメン風のうどんラーメンを人が、作っていた。
 何方に入るか、あさりんが悩むと、先程まで居なかったアサシンが、急にあさりんの手を掴み、言う。
「この辺の出見世は辞めておけ、それ寄りフィニがちゃんとした店を教えてくれた、其処に向かおう。」
 とアサシン、ミズル、あさりんはそのまま出見世を素通り、一軒の料理店に入る。
 中にはテーブルが数席で、小ぢんまりした風の店構えで、店の名前は『終末のうさぎ』と書いた看板であった。
 店主がこれまたうさぎの様な獣人の店主で、受付のウエーターが対応して来た。
「いらっしゃいませ、3名様ですか、此処のテーブルにお掛けください。」
 淡々とあさりん達は流されるままにテーブルに付いた。
「ご注文がお決まりなら、お呼びください。」
 何処ぞの料理店を思い出す様な質素な食事のメニューが載った、物がテーブルの片隅に置かれて、其れを見たあさりん。
 和食、洋食と言う今1っ信じられない料理に、此処は異世界かぁと戸惑うのであった。
 あさりんは社畜時代を思い返す。
(そう言えば良く、会社時代にこの様な定食屋に行ったなぁ。)
 と思う間も無く、出て来た料理は全部異世界やんと言う不味い料理ばかりであった。
「うまいねぇ、(くちゃくちゃ)初めてこんな美味い料理食べました。」
 とミズルが食べる、同じくとなりでは、アサシンがご飯をがっつく様に、注文を踏まえ食べる。
 少しあさりんは食べたが、料理の味に不満足して、やや引き気味で、お茶の様な薬膳茶を啜るのであった。
 アサシンが言うには此処の勘定はフィニの付けで良いとの事で、ひたすら食事ヲする2人を他所に、あさりんは今ひとつ料理に手が出なかった。
 其れでも他の出見世寄り余程良い物が出てると聴き、今後の料理に思いを馳せるあさりんであった。
 魔物の肉は血抜きが不確定で、生臭い、その上野菜などは油を通した物に、ドレッシングの様な物を掻け、米は古古米以上の硬さに水で速炊いた為、黄色く変色した冷めたお米に、米の香りが乗り、変な味を出し、匂いが米臭い。
 素人に食材を持たせた様な料理屋と思える料理にこれ以上不味い料理を食べてる此処の人達を不憫にも、思える思いであった。
 其れでも美味しいと食べてる2人を横目に、不味いとは言えないあさりんでもあった。
「ミズルさんは、ドワーフでは無いでしょう、もしかしてポピット族では…。」
「その通りです、私は幼い頃はポピット族でも身体が丈夫で、家で親は鍛冶屋をしてたのも相まって、鍛冶し見習いをしてました。
 その為、大鎚で鉄を鍛える内に、筋肉が異常に発達して、頑丈な腕、足、腹筋と見た目ドワーフと見間違える程、筋肉ムキムキな身体に成りました。」
「なるほど、だからフィニが見た目でドワーフって言う事を止めなかったんだ。」
「いえ、それ以外でドワーフと言う事で鍛冶のお手伝いをしなさいと言われまして…貴方様のお手伝いで鍛冶の仕方を、恐縮ですが、お教えしなさいと…。」
「なるほど、理解はしました、ミズルさんは鍛冶が出来ると思っても大丈夫ですねぇ。」
 ミズルはお腹を叩き。
「はい、任せてください。」
 満面の笑みを浮かべてました。
 「では何処かで鍛冶する為の、鍛冶場を借りて…って鍛冶場って貸して貰えるのだろうか。」
 ミズルは項垂れる。
 アサシンが2人の話を聴き。
「取り敢えずフィニに何とかして貰え。」
 (フィニに…何か良からぬ気配もするけど、鍛冶場が無い事には、致し方ないなぁ。)
「分かった、フィニに鍛冶場を聞こう。」
 此処で最後にアサシンが追加注文をするのを他所に、2人はわくわくして、フィニに聴きに行く、と言う事になった。

 宿屋ギルド内、フィニが目を点にして居た。
「な、なんと言うか、意外と早かったなぁ、もう少し鍛冶屋巡りでもして来る物だと、思っていたんだけど、まだ此方の準備が出来て無いんだよねぇ。」
 あさりんがフィニの言う事を聴き、不穏な空気感となっていた。
「仕方ない、場所は貸すから、今回は私の私物を、特別にあさりんにあげよう。」
 あさりんの表情は明ら様に、嫌な顔をして言う。
「また、変な物では無いんだろうなぁ。」
 フィニはにこやかに手渡す
「はい此れを使って良いわよ。」
 其処には簡易のカバンが見て取れる。
 あさりんは何の躊躇いも無いままに言う。
「何です、このカバンは、私にどうしろと言うんだ。」
 フィニが待ってましたとばかりに、カバンの説明をした。
「このカバンは〇〇カバンと言い、中からは欲しい部材が出て来るって言う優れもの、但し武器の類いは含まれず、危険な物とか、その他生きてる物も含まれるが出て来ません、物質で、欲しい物を最大セットで3個まで取り出せます。
 『例えば金属加工する部材。』って言えば、鉄なら10個まで、しかも加工されて出て来ます。」
 
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