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あーんって、するのもされるのも恥ずかしい
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キープ100人超えました。
ありがとうございます。
=============
「お、焼き菓子か。エンリの国の食べ物か?」
「違うけど、よく作ってたよ」
クッキーは和食じゃないよね?何とかおばさんも外人だった気がするし…
バターの良い香りと、焼きたて熱々な感じが何とも食欲をそそります。これって逆に冷たいものも作れるのでは…色々検証しないとだね。MP(魔力)使いすぎに注意しなきゃだな。
早速オル先輩に味見してもらわねば。クッキーを差し出し「あーん」してみる。
「そ、それはちょっとだな…」
「はい、あーん。オル、あーん」
「おま……しょうがねぇな」
私のあーん攻撃に屈したオルは、目元を赤くしながらクッキーをパクリと……みぎゃああああぁぁぁあああぁぁぁ!!!!
「何で指まで食べるの!舐めるの!オルのバカ!変態!イケメン!」
「これすげぇ美味いな。っつか、イケメンって何だ?悪口なのか?」
真っ赤な顔でオルの大胸筋をポカポカ叩いていると、ふと視線を感じる。
気配に敏感なオルが反応しないという事は、たぶん無害なのだろうけれど……ちょっと気になるな。
「市場で店をやってる人達の子供だろう。匂いにつられて来たな」
「そっか。ねぇオル…」
上目遣いでオルを見ると私が何も言わないのに、オルは買い物した食材の中から小麦粉などを取り出した。
オルはやっぱりイイ男だわ。惚れ直しちゃうわ。
「嫁の願いを叶えるのが、夫の幸せだろ?」
「……嫁確定なの?」
「嫌か?」
「……嬉しいけど恥ずかしい」
隙あらばイチャコラしつつ、オルの陰でこっそり魔法陣を起動させ、追加のクッキーを大量に作る。
私達って器用だな…
「おいでー、お菓子あげるよー」
呼びかけると、おずおずと子供達が寄ってきた。男の子三人と女の子四人、小学生くらいかな?
最年長はトータ君という十歳の男の子だった。いつも親の仕事が終わるまで子供達の面倒を見ているらしい。クッキーを出すと、子供達は目をキラキラさせて覗き込んできた。
「仲良く分けるんだよー、トータ君よろしくね」
クッキーを渡すと、オルが「子守り頑張れよ」と声をかけた。オルを見て固まるトータ君。
おーい、大丈夫かーい?
「に、二対の剣、く、黒髪に青い瞳、あ、あ……」
「え?でんせつにでてくる、きしさま?」
「最強!一番強いやつ!」
「ほんもの?ねぇほんもの?」
おお!こんな小さな子にもオル大先生の偉大さが広まっているにですね!?
私が尊敬の眼差しで見ると、オルは決まり悪そうに頬を掻いた。
「んー、まぁそんなもんだ。よし、少し遊ぼうか。何がしたい?」
「オルって子供好きなんだ?」
「村で先生みたいな事をやってたからな。ミラも育てたし」
なんか良いなぁ…オルはきっと良いお父さんになるんだろうなぁ…
にやけながら妄想していると、「早く子作りしねぇとな!」って言われて、こ、こ、子供の前で何て事を言うのですか!いけません!ハレンチですよ!
「きしさまは、このおねえちゃんとチューするの?」
ちょ、あどけない顔して何て事言うの!?お母さんが泣くよ!?
アワアワな私を見てニヤリと笑うオル。チューは?と言う子を担ぎ上げて肩に乗せた。きゃっきゃと笑い声があがると、他の子達が羨ましがってオルの周りに集まった。
「ああ、俺はこのお姉ちゃんが大好きなんだ」
「ふぁっ!?」
もう!オルったらそんな事を子供達に言うなんて……嬉しすぎる!!大好き!!
ひとしきり子供達と遊んで、定番のダルマ…は理解してもらえなかったので、「まんまるおじさんが転んだ」にして遊んで、私達は空き地を後にした。
オルはその遊びのルールを教えると、しきりに感心して「騎士隊にも取り入れたら気分転換に良さそうだ」とか言ってるけど、私嫌だからね?そんなむさい男だらけのダルマさんが転んだとか。
市場に戻り、雑貨屋を中心に見ていく。姪のミラさんはどんな子かと聞くと、とにかく可愛いしか出てこなくて叔父バカを最大レベルで発揮したため、途中から何も聞かずに私の独断と偏見で選んだ。というよりも、私が作る事にした。
糸と布があれば錬成魔法で服飾が作れるじゃないか。これこそ私のオタク脳が最大限発揮出来るはず。
オルの役に立ててミラさんが喜ぶのなら、私の魔法も人の役に立てるんだ…と、すごく嬉しい。
「ありがとうな、エンリ」
「ふふ、まだお礼には早いよ?」
「いや、一緒にいてくれるだけで俺はいいんだ」
「オル……」
宿に戻るまで周囲を気にせずイチャコラしすぎた私達は、オルだけでなく私も王都で有名になりつつある事に気付いていなかった。
その日からギルドへ訓練に行くたびに冷やかされる苦行に、私はのたうち回るのであった……。
ちなみにオルはなぜか満足気だった。
もしやオルの計算?
……まさかね?
ありがとうございます。
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「お、焼き菓子か。エンリの国の食べ物か?」
「違うけど、よく作ってたよ」
クッキーは和食じゃないよね?何とかおばさんも外人だった気がするし…
バターの良い香りと、焼きたて熱々な感じが何とも食欲をそそります。これって逆に冷たいものも作れるのでは…色々検証しないとだね。MP(魔力)使いすぎに注意しなきゃだな。
早速オル先輩に味見してもらわねば。クッキーを差し出し「あーん」してみる。
「そ、それはちょっとだな…」
「はい、あーん。オル、あーん」
「おま……しょうがねぇな」
私のあーん攻撃に屈したオルは、目元を赤くしながらクッキーをパクリと……みぎゃああああぁぁぁあああぁぁぁ!!!!
「何で指まで食べるの!舐めるの!オルのバカ!変態!イケメン!」
「これすげぇ美味いな。っつか、イケメンって何だ?悪口なのか?」
真っ赤な顔でオルの大胸筋をポカポカ叩いていると、ふと視線を感じる。
気配に敏感なオルが反応しないという事は、たぶん無害なのだろうけれど……ちょっと気になるな。
「市場で店をやってる人達の子供だろう。匂いにつられて来たな」
「そっか。ねぇオル…」
上目遣いでオルを見ると私が何も言わないのに、オルは買い物した食材の中から小麦粉などを取り出した。
オルはやっぱりイイ男だわ。惚れ直しちゃうわ。
「嫁の願いを叶えるのが、夫の幸せだろ?」
「……嫁確定なの?」
「嫌か?」
「……嬉しいけど恥ずかしい」
隙あらばイチャコラしつつ、オルの陰でこっそり魔法陣を起動させ、追加のクッキーを大量に作る。
私達って器用だな…
「おいでー、お菓子あげるよー」
呼びかけると、おずおずと子供達が寄ってきた。男の子三人と女の子四人、小学生くらいかな?
最年長はトータ君という十歳の男の子だった。いつも親の仕事が終わるまで子供達の面倒を見ているらしい。クッキーを出すと、子供達は目をキラキラさせて覗き込んできた。
「仲良く分けるんだよー、トータ君よろしくね」
クッキーを渡すと、オルが「子守り頑張れよ」と声をかけた。オルを見て固まるトータ君。
おーい、大丈夫かーい?
「に、二対の剣、く、黒髪に青い瞳、あ、あ……」
「え?でんせつにでてくる、きしさま?」
「最強!一番強いやつ!」
「ほんもの?ねぇほんもの?」
おお!こんな小さな子にもオル大先生の偉大さが広まっているにですね!?
私が尊敬の眼差しで見ると、オルは決まり悪そうに頬を掻いた。
「んー、まぁそんなもんだ。よし、少し遊ぼうか。何がしたい?」
「オルって子供好きなんだ?」
「村で先生みたいな事をやってたからな。ミラも育てたし」
なんか良いなぁ…オルはきっと良いお父さんになるんだろうなぁ…
にやけながら妄想していると、「早く子作りしねぇとな!」って言われて、こ、こ、子供の前で何て事を言うのですか!いけません!ハレンチですよ!
「きしさまは、このおねえちゃんとチューするの?」
ちょ、あどけない顔して何て事言うの!?お母さんが泣くよ!?
アワアワな私を見てニヤリと笑うオル。チューは?と言う子を担ぎ上げて肩に乗せた。きゃっきゃと笑い声があがると、他の子達が羨ましがってオルの周りに集まった。
「ああ、俺はこのお姉ちゃんが大好きなんだ」
「ふぁっ!?」
もう!オルったらそんな事を子供達に言うなんて……嬉しすぎる!!大好き!!
ひとしきり子供達と遊んで、定番のダルマ…は理解してもらえなかったので、「まんまるおじさんが転んだ」にして遊んで、私達は空き地を後にした。
オルはその遊びのルールを教えると、しきりに感心して「騎士隊にも取り入れたら気分転換に良さそうだ」とか言ってるけど、私嫌だからね?そんなむさい男だらけのダルマさんが転んだとか。
市場に戻り、雑貨屋を中心に見ていく。姪のミラさんはどんな子かと聞くと、とにかく可愛いしか出てこなくて叔父バカを最大レベルで発揮したため、途中から何も聞かずに私の独断と偏見で選んだ。というよりも、私が作る事にした。
糸と布があれば錬成魔法で服飾が作れるじゃないか。これこそ私のオタク脳が最大限発揮出来るはず。
オルの役に立ててミラさんが喜ぶのなら、私の魔法も人の役に立てるんだ…と、すごく嬉しい。
「ありがとうな、エンリ」
「ふふ、まだお礼には早いよ?」
「いや、一緒にいてくれるだけで俺はいいんだ」
「オル……」
宿に戻るまで周囲を気にせずイチャコラしすぎた私達は、オルだけでなく私も王都で有名になりつつある事に気付いていなかった。
その日からギルドへ訓練に行くたびに冷やかされる苦行に、私はのたうち回るのであった……。
ちなみにオルはなぜか満足気だった。
もしやオルの計算?
……まさかね?
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