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第3章
一人ぼっちの男の子
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ペーシェはこの一週間、毎日バラばあさんの庭の手入れを見て、一緒に散歩をした。庭で遊ぶこともあった。今まさにかくれんぼの最中である。
「もういいかーい」
バラばあさんの声が玄関から聞こえる。ペーシェはピンク色のバラの根本に隠れる。葉っぱがペーシェの姿を消した。ペーシェは「もーいいーよー」と合図を送った。
「さーて、ペーシェ君はどこにいるのかしら?」
じっとしているとバラばあさんの足元が見えた。しかしペーシェの前を通り過ぎた。ペーシェはくすくすと笑った。すると葉っぱがカサカサと動いてしまった。
「ペーシェ君、みーつけた」
「ああ、見つかっちゃった」
ペーシェはバラの根本から出てきた。そんなペーシェを見て今度はバラばあさんがくすくすと笑った。
「ペーシェ君、葉っぱがついてるわ」
そう言いながらバラばあさんは、ペーシェの頭の上に乗っている枯れかけの葉っぱをとった。
「えへへ、ありがとう。じゃあ次はぼくがおにね」
ペーシェは玄関のドアの前まで行き、十まで数え始めた。
午前中はずっとかくれんぼをして、午後からは散歩に出かけた。
「ねえ、今日はどこを散歩しよう?」
「そうねえ……ああ。この時期きれいに咲く花畑があるのよ。そこはどうかしら?」
「いいね! ぼく、そこに行きたい」
「じゃあ決まりね」
ペーシェとバラばあさんは、今日は森を抜けずに西のほうへ向かった。板の道を歩き続けていると、丘というには小さい膨らみを登る。するとそこには白、黄色、ピンク、紫などの様々な花がひっそりとたくさん咲いていた。
「わあっ。すっごくきれいっ」
ペーシェは思わず駆けだした。花はペーシェと同じか少し高いくらいで、花びらがペーシェの耳や頬をかすめる。花はペーシェをくすぐりながら来客を喜んでいるようだった。しばらく花の中を走っていたペーシェは、花畑の真ん中で思いきりダイブした。花たちが優しく受け止めてくれた。ペーシェは寝転んだまま大きく息を吸いこんだ。土と緑の匂いが中の綿まで染み込んでいく。
「はー……。いいにおい」
「ペーシェ君はお花の匂いが好きなの?」
隣に腰かけたバラばあさんに尋ねられたペーシェは素直に答えた。
「お花のにおいも好きだよ。でも一番好きなのはブラウニーのにおいなの」
「まあそうなの? それじゃあ明日はブラウニーを焼きましょうか」
「やったーっ」
ペーシェは勢いよく起き上がり、その場で跳びはねた。半回転したところで、人の姿を花畑の中で見つけた。下を向いていて、紺色の髪のせいで顔は見えないが、ボーダーの服を着ていることだけはわかった。ペーシェはその人物の元に近づいた。
「こんにちは」
「うわっ」
花のせいでペーシェの姿に気がつかなかったのか、紺色の髪の人物はとても驚いたようだった。紺色の髪の人物は少年だった。手にはそれぞれ、小さな図鑑と虫メガネを握っている。
「こんにちは。ぼくはペーシェ。きみの名前は?」
「オサム……」
「オサムはなにしてるの?」
ペーシェはオサムに尋ねた。
「花を観察してるんだ」
「かんさつ?」
「注意深く見ることだよ。いろんなことがわかるんだ」
「どんなことがわかるの?」
ペーシェの問いにオサムは一輪の花を指差した。
「例えば、この青い花。真ん中は黄色いところと、黄緑なところがあるだろう? これは種を作るためなんだよ。この黄緑のやつの先に、黄色いところにある粉がくっつくんだ。そうすると種ができるんだよ」
「花がかれるから種ができるんじゃないの?」
「ちがうよ。種ができるから花が枯れるんだよ」
「そうなんだっ。オサムってもの知りだね」
ペーシェがそう褒めると、オサムは照れくさそうに頬を掻いた。
「ぼく、お花がこんな風になっているなんて知らなかったよ」
ペーシェはいろんな方向から花を眺めはじめた。
「あ、虫さん」
「アブラムシっていうんだよ」
「へえ。あ、こっちにもいる……ってうわあ、いっぱいいるっ」
花の裏側を見るとアブラムシが体を寄せ合うようにくっついていた。ペーシェはそっと花から離れた。
「そうだ。オサムは一人? ぼくはバラばあさんといっしょにきたんだ」
「バラばあさん?」
ペーシェは離れたところにいるバラばあさんを指した。そして手を振った。それに気がついたバラばあさんは手を振り返してくれた。
「君の持ち主?」
「ううん、友達だよ」
ペーシェがそう答えるとオサムは俯いた。ペーシェはそんなオサムを覗き込んだ。寂しそうな顔をしていた。
「オサム、どうしたの?」
ペーシェは尋ねた。するとオサムは溜息を吐いて答えた。
「ぼく、友達いないんだ」
「そうなの?」
オサムは頷いた。
「まあ、友達は無理に作るものじゃないってお父さんも言ってたから、いいんじゃないかな?」
「でもぼく、本当はみんなと一緒に遊びたいんだ。でも誰も声をかけてくれないんだ。ぼく、独りなのに」
オサムはすねたように言った。ペーシェはなぜオサムがすねているのかわからなかった。
「オサムはひとりがいやなの?」
「そりゃあ、友達と一緒で楽しいほうがいいよ」
「じゃあ、なんでオサムから声をかけないの?」
ペーシェは思ったことをオサムに尋ねた。
「声のかけ方なんてわからないよ」
「じゃあオサムは今までどうやって友達を作ってきたの?」
ペーシェは不思議に思った。そして考えたけれど声をかけずに友達を作る方法など思いつかなかった。
「声をかけてくれるまで待つ」
「それまで誰とも遊んだりしないの?」
オサムはうなずいた。
「ええ? それってとっても時間がかかるんじゃないの?」
ペーシェは予想していなかった答えに驚きを隠せなかった。そんなペーシェの反応に気を悪くした風でもなく、オサムは答えた。
「でも話しかけてくれたらきっと友達になれたよ」
「ねえ、オサムから友達になりにいったことはあるの?」
オサムは首を横に振った。ペーシェにとっては信じられないことだった。
「だって誰かに話しかけてもらわないと友達になれないじゃない」
「そんなことないよ。ぼくはいつもぼくから話しかけるよ」
「どんな風に?」
今度はオサムが尋ねた。ペーシェはかわいらしい腕を組んで、普段の行動を思い出した。
「なにしてるのって聞いたり、おしゃべりしようって言うよ」
「なんで話しかけられるの?」
ペーシェは「うーん」と考え込んだ。しかし答えは浮かばなかった。
「ごめんね。ぼくのことだけどよくわかんないや」
「そっか。
ぼくはね、友達の作り方って話しかけてもらう以外、ないって思ってた。だって今までずっとそうだから。独りでいても誰かが話しかけてくれた。でも今年は誰も話しかけてくれないかもしれない。でも声をかけるなんてできない」
「なんで?」
「だって、そんな勇気ないよ」
ペーシェは「勇気」とオサムの言葉を繰り返した。しかしいまいちピンとこなかった。
「そうだ、バラばあさんならわかるかも。呼んでくるからちょっと待っててね」
ペーシェはオサムの返事も聞かずに、バラばあさんの元に戻った。そしてバラばあさんに事情を説明した。するとバラばあさんはペーシェを抱いて、オサムに近づいた。
「あなたがオサム君ね。ペーシェ君から話は聞いたわ。
話しかける勇気が出ないのよね?」
オサムは頷いた。バラばあさんは花畑の中に腰を下ろした。ペーシェはバラばあさんの腕の中から出て、オサムの隣に座った。
「そうねえ、それは自分を奮い立たせるしかないと思うわ」
「バラばあさん、どうやったら勇気って出るの?」
ペーシェは手を挙げて尋ねた。バラばあさんは少し困ったように笑った。
「自分で出そうって思わなくちゃ難しいわね。泉みたいに湧いて出てくるんじゃなくって、火のように自分で起こさなくちゃいけないから」
「でもぼく、勇気の起こし方ってわからないです」
オサムがバラばあさんに言った。バラばあさんはオサムにある提案をした。
「勇気貯金をしてみるのはどうかしら」
「勇気貯金?」
初めて聞く言葉にペーシェとオサムは互いに顔を合わせて、それぞれ首を傾げた。バラばあさんは説明した。
「心の中に勇気を貯金するの。授業で手を挙げることができたとき、誰かに質問をしたとき、知らない人に声をかけたとき。そういうことができたときに、心の中に勇気を貯めておくの。その勇気貯金が貯まったら、きっとお友達になろうって言えるようになるわ」
ペーシェはオサムを見た。オサムの表情は出会ったときよりも明るくなっていた。
「ぼく、勇気貯金やってみる。ぼく、貯金は得意なんだ」
「でも忘れないで。ぼくとオサムはもう友達だよ」
「本当? ありがとう、ペーシェ」
ペーシェとオサムは握手をした。そしてバラばあさんも一緒に花を観察した。
「もういいかーい」
バラばあさんの声が玄関から聞こえる。ペーシェはピンク色のバラの根本に隠れる。葉っぱがペーシェの姿を消した。ペーシェは「もーいいーよー」と合図を送った。
「さーて、ペーシェ君はどこにいるのかしら?」
じっとしているとバラばあさんの足元が見えた。しかしペーシェの前を通り過ぎた。ペーシェはくすくすと笑った。すると葉っぱがカサカサと動いてしまった。
「ペーシェ君、みーつけた」
「ああ、見つかっちゃった」
ペーシェはバラの根本から出てきた。そんなペーシェを見て今度はバラばあさんがくすくすと笑った。
「ペーシェ君、葉っぱがついてるわ」
そう言いながらバラばあさんは、ペーシェの頭の上に乗っている枯れかけの葉っぱをとった。
「えへへ、ありがとう。じゃあ次はぼくがおにね」
ペーシェは玄関のドアの前まで行き、十まで数え始めた。
午前中はずっとかくれんぼをして、午後からは散歩に出かけた。
「ねえ、今日はどこを散歩しよう?」
「そうねえ……ああ。この時期きれいに咲く花畑があるのよ。そこはどうかしら?」
「いいね! ぼく、そこに行きたい」
「じゃあ決まりね」
ペーシェとバラばあさんは、今日は森を抜けずに西のほうへ向かった。板の道を歩き続けていると、丘というには小さい膨らみを登る。するとそこには白、黄色、ピンク、紫などの様々な花がひっそりとたくさん咲いていた。
「わあっ。すっごくきれいっ」
ペーシェは思わず駆けだした。花はペーシェと同じか少し高いくらいで、花びらがペーシェの耳や頬をかすめる。花はペーシェをくすぐりながら来客を喜んでいるようだった。しばらく花の中を走っていたペーシェは、花畑の真ん中で思いきりダイブした。花たちが優しく受け止めてくれた。ペーシェは寝転んだまま大きく息を吸いこんだ。土と緑の匂いが中の綿まで染み込んでいく。
「はー……。いいにおい」
「ペーシェ君はお花の匂いが好きなの?」
隣に腰かけたバラばあさんに尋ねられたペーシェは素直に答えた。
「お花のにおいも好きだよ。でも一番好きなのはブラウニーのにおいなの」
「まあそうなの? それじゃあ明日はブラウニーを焼きましょうか」
「やったーっ」
ペーシェは勢いよく起き上がり、その場で跳びはねた。半回転したところで、人の姿を花畑の中で見つけた。下を向いていて、紺色の髪のせいで顔は見えないが、ボーダーの服を着ていることだけはわかった。ペーシェはその人物の元に近づいた。
「こんにちは」
「うわっ」
花のせいでペーシェの姿に気がつかなかったのか、紺色の髪の人物はとても驚いたようだった。紺色の髪の人物は少年だった。手にはそれぞれ、小さな図鑑と虫メガネを握っている。
「こんにちは。ぼくはペーシェ。きみの名前は?」
「オサム……」
「オサムはなにしてるの?」
ペーシェはオサムに尋ねた。
「花を観察してるんだ」
「かんさつ?」
「注意深く見ることだよ。いろんなことがわかるんだ」
「どんなことがわかるの?」
ペーシェの問いにオサムは一輪の花を指差した。
「例えば、この青い花。真ん中は黄色いところと、黄緑なところがあるだろう? これは種を作るためなんだよ。この黄緑のやつの先に、黄色いところにある粉がくっつくんだ。そうすると種ができるんだよ」
「花がかれるから種ができるんじゃないの?」
「ちがうよ。種ができるから花が枯れるんだよ」
「そうなんだっ。オサムってもの知りだね」
ペーシェがそう褒めると、オサムは照れくさそうに頬を掻いた。
「ぼく、お花がこんな風になっているなんて知らなかったよ」
ペーシェはいろんな方向から花を眺めはじめた。
「あ、虫さん」
「アブラムシっていうんだよ」
「へえ。あ、こっちにもいる……ってうわあ、いっぱいいるっ」
花の裏側を見るとアブラムシが体を寄せ合うようにくっついていた。ペーシェはそっと花から離れた。
「そうだ。オサムは一人? ぼくはバラばあさんといっしょにきたんだ」
「バラばあさん?」
ペーシェは離れたところにいるバラばあさんを指した。そして手を振った。それに気がついたバラばあさんは手を振り返してくれた。
「君の持ち主?」
「ううん、友達だよ」
ペーシェがそう答えるとオサムは俯いた。ペーシェはそんなオサムを覗き込んだ。寂しそうな顔をしていた。
「オサム、どうしたの?」
ペーシェは尋ねた。するとオサムは溜息を吐いて答えた。
「ぼく、友達いないんだ」
「そうなの?」
オサムは頷いた。
「まあ、友達は無理に作るものじゃないってお父さんも言ってたから、いいんじゃないかな?」
「でもぼく、本当はみんなと一緒に遊びたいんだ。でも誰も声をかけてくれないんだ。ぼく、独りなのに」
オサムはすねたように言った。ペーシェはなぜオサムがすねているのかわからなかった。
「オサムはひとりがいやなの?」
「そりゃあ、友達と一緒で楽しいほうがいいよ」
「じゃあ、なんでオサムから声をかけないの?」
ペーシェは思ったことをオサムに尋ねた。
「声のかけ方なんてわからないよ」
「じゃあオサムは今までどうやって友達を作ってきたの?」
ペーシェは不思議に思った。そして考えたけれど声をかけずに友達を作る方法など思いつかなかった。
「声をかけてくれるまで待つ」
「それまで誰とも遊んだりしないの?」
オサムはうなずいた。
「ええ? それってとっても時間がかかるんじゃないの?」
ペーシェは予想していなかった答えに驚きを隠せなかった。そんなペーシェの反応に気を悪くした風でもなく、オサムは答えた。
「でも話しかけてくれたらきっと友達になれたよ」
「ねえ、オサムから友達になりにいったことはあるの?」
オサムは首を横に振った。ペーシェにとっては信じられないことだった。
「だって誰かに話しかけてもらわないと友達になれないじゃない」
「そんなことないよ。ぼくはいつもぼくから話しかけるよ」
「どんな風に?」
今度はオサムが尋ねた。ペーシェはかわいらしい腕を組んで、普段の行動を思い出した。
「なにしてるのって聞いたり、おしゃべりしようって言うよ」
「なんで話しかけられるの?」
ペーシェは「うーん」と考え込んだ。しかし答えは浮かばなかった。
「ごめんね。ぼくのことだけどよくわかんないや」
「そっか。
ぼくはね、友達の作り方って話しかけてもらう以外、ないって思ってた。だって今までずっとそうだから。独りでいても誰かが話しかけてくれた。でも今年は誰も話しかけてくれないかもしれない。でも声をかけるなんてできない」
「なんで?」
「だって、そんな勇気ないよ」
ペーシェは「勇気」とオサムの言葉を繰り返した。しかしいまいちピンとこなかった。
「そうだ、バラばあさんならわかるかも。呼んでくるからちょっと待っててね」
ペーシェはオサムの返事も聞かずに、バラばあさんの元に戻った。そしてバラばあさんに事情を説明した。するとバラばあさんはペーシェを抱いて、オサムに近づいた。
「あなたがオサム君ね。ペーシェ君から話は聞いたわ。
話しかける勇気が出ないのよね?」
オサムは頷いた。バラばあさんは花畑の中に腰を下ろした。ペーシェはバラばあさんの腕の中から出て、オサムの隣に座った。
「そうねえ、それは自分を奮い立たせるしかないと思うわ」
「バラばあさん、どうやったら勇気って出るの?」
ペーシェは手を挙げて尋ねた。バラばあさんは少し困ったように笑った。
「自分で出そうって思わなくちゃ難しいわね。泉みたいに湧いて出てくるんじゃなくって、火のように自分で起こさなくちゃいけないから」
「でもぼく、勇気の起こし方ってわからないです」
オサムがバラばあさんに言った。バラばあさんはオサムにある提案をした。
「勇気貯金をしてみるのはどうかしら」
「勇気貯金?」
初めて聞く言葉にペーシェとオサムは互いに顔を合わせて、それぞれ首を傾げた。バラばあさんは説明した。
「心の中に勇気を貯金するの。授業で手を挙げることができたとき、誰かに質問をしたとき、知らない人に声をかけたとき。そういうことができたときに、心の中に勇気を貯めておくの。その勇気貯金が貯まったら、きっとお友達になろうって言えるようになるわ」
ペーシェはオサムを見た。オサムの表情は出会ったときよりも明るくなっていた。
「ぼく、勇気貯金やってみる。ぼく、貯金は得意なんだ」
「でも忘れないで。ぼくとオサムはもう友達だよ」
「本当? ありがとう、ペーシェ」
ペーシェとオサムは握手をした。そしてバラばあさんも一緒に花を観察した。
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