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六、お泊り修業開始
お泊り修業開始3
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時計の針は夕方の六時を指していた。
「もうこんな時間ね。今日はここまで。マットレスを入れなくちゃいけないわね」
律がそう言うとバイオリンがまた光り、光の球体はイオへと姿を変えた。イオはかなでに声をかけた。
「それじゃあいってらっしゃーい」
「さて、ワタシは楽器のほうにもどろうかな」
かなでのバイオリンのレッスンを見学していたルゥトも腰を上げた。
「二人ともちょっとは手伝ってよお」
「言ってもきかないわ」
「そうそう。ボクらは好きなことしかしないのさ」
「なにそれー、うらやましいなあ」
かなでは律にいつものように「ありがとうございました」とあいさつをして、バイオリンをかたづけると二人で庭に出た。
マットレスはまだ少しほこりくさいものの、なんとか眠れそうだ。二人は屋根裏部屋にマットレスを無事に運びこみ、ベッドにセットした。律が新品のシーツとまくらを持ってきて、シーツを二人で大きく広げると気球のようにふくらんだ。
「わたし、実はイオと律さんの関係ってなんだろうって思ってたんです」
「そりゃそうね。まあパートナーっていうほうが近いわね」
シーツのしわをのばしながら律は答えた。
「いつイオと出会ったんですか?」
律は雪原のようにベッドの上にこしを下ろした。そして自身のとなりをぽんぽんとたたいた。となりに座るようにうながされたかなではそのとおりにした。ベッドは食パンと消しゴムの間くらいのかたさで、かなでにとってはちょうどよかった。
「イオは元々、わたしのバイオリンの先生のところにいたの。ほかの楽器は想鳴者である祖父から習っていたんだけれど、祖父はバイオリンをひかなかったから、先生のところに通ったのよ」
今の律からは想像できない。どんな先生だったのか、かなでは少し気になった。律は続ける。
「楽器の魂はね、わたしたち想鳴者だけでなく音楽のことが大好きで、心の底から楽しめる人にもひかれるらしいわ。先生がそうだったみたいでね。先生からイオのことを聞いたことは一度もなかったんだけれど、イオのほうはわたしのことをいろいろ聞いていたみたい。どうやらこっそりレッスンをのぞきにもきたこともあるらしいわ」
イオにとって律のバイオリンの先生との日々も、きっと楽しいものだったのだろう。そしてイオは昔から変わっていないようだ。
「想鳴者になってすぐだったから、はたちくらいだったわね。先生がバイオリンをひけなくなったから、ゆずってくれることになったのよ」
「律さんのバイオリンの先生はなんでひけなくなったんですか?」
「もうお年でね。バイオリンを構え続けることが難しくなったの。『ひくことができない自分のところよりも、たくさんひいてもらえるあなたのところがいいでしょうからね』って。それから『変わっているけれど、おもしろい子だからね』ってつけ加えられたわね。そういえばいたずらっ子みたいな顔してたわ」
律は当時を思い出したのかうでを組んでため息をついた。
「しかもイオったら、ケースを開けたらいきなり人の姿で飛び出してきたのよ?」
「なんか、イオらしいですね」
かなではびっくり箱のように現れたイオと、目をまん丸にしている律を想像して笑ってしまいそうになったが、なんとかがまんした。
「いっしゅんなにがなんだかわからなかったわよ。でもアノーやルゥト、それにオッディも祖父の代からいたから、すぐにイオも楽器の魂だって気がついたわ。まあ、イオはわたしが思っていたよりもおどろかなかったのが、不満だったみたいだけど」
かなでの頭にくちびるをとがらせているイオの顔がうかんだ。
「イオは見た目よりもしっかりしていてね。わたしがくじけそうになったときも支えてくれたし、けんかもしたりしたけれど。いい兄妹ってかんじね。イオはわたしの代ではじめて出会った楽器の魂なのよ。祖父でさえ八十年以上かけて出会えた楽器の魂は三人だった」
長い年月をかけても三人にしか出会えないと思うと、ここにいる楽器の魂たちが集まっているのは、奇跡のように感じた。
「二百年以上前の楽器が残っていることそのものがめずらしいし、さらにそこから大切にされ続けている楽器と出会える可能性はさらに低くなる。けれどだいじょうぶ。あなたならかならず出会えるから」
「はいっ」
かなでは力強く返事をした。
(わたしはどんな楽器の魂と出会うんだろう?)
いつかが来るその日のことを考えると、心がおどってしかたなかった。
その後律と二人でつくったばんごはんは、ぶたの冷しゃぶ、夏野菜のあげびたし、きゅうりとわかめのポン酢和え、おみそしる、ごはんだった。かなでは野菜を切ったり盛りつけを手伝ったりした。お母さんの料理は味がはっきりしているが、律の料理はせんさいでやさしい味だった。
食事の片づけを終えると、律とかなではふたたび席についた。律が麦茶をテーブルの上に置くと、いつものように想鳴者についての勉強をはじめる。
「さて、このあいだはどこまで話したかしら」
律はいつもかならずそう言う。かなでを試しているのだ。
「想鳴者がしてはいけないことです」
「そうだったわね。どんなことだったかしら」
「うらみ、憎しみの感情をこめることです」
「そうね。思い出は大切なものよ。残しておくのは楽しかったり、うれしかったりしたことだけでいいんだから」
律は麦茶を一口ふくんだ。かなでもその麦茶を飲んだ。
「あの、律さん」
「なに?」
かなではコップを置き、姿勢を正して尋ねた。
「想鳴者ってどれくらいの人数がいるんですか?」
「さあ。ただあまり人数はいないでしょうね」
「なんでですか?」
律はもう一口麦茶を飲んで答えた。
「想鳴者はものに思い出をこめるという、不思議な仕事。それは基本的にはよく思われていたけれど、時代や場所によってはおそろしいとも考えられていたそうなの」
「ええ? すてきなことなのに」
かなでは目を丸くした。律は表情を変えずに説明を続けた。
「……魔女狩りって知ってる?」
かなでは首を横にふりながら「いいえ」と答えた。
「魔女狩りっていうのは主に十六世紀から十七世紀にかけてヨーロッパで行われた、魔女の疑いがある人たちが処刑されたできごとのこと。でも実際の多くは魔女ではなく、ごくふつうの人たちだった。たしかに一にぎりの人たちは特別な力を持っていてその中に想鳴者もいた。これがきっかけで思い出をこめることを辞めた人もいた。国の外に運よく逃げきれた人もいたし、道半ばで亡くなった人もいた」
「じゃあ、想鳴者ってもともとヨーロッパにしかいなかったんですか?」
「そう言われているわね。その想鳴者が日本ににげてきて、日本人に技術を伝えたの。その内の一つがここ、ひびき沢。ここから電車で四十五分ほどのところに港があるでしょう。そこからひびき沢にきたのよ」
律は一度言葉を区切り、逃げてきた想鳴者のことを話しはじめた。
「当時の村人たちは、想鳴者としての技は外国人みんなができると思っていたみたい。
昔の日本は妖怪だとかいろんなものに神さまが宿っているって考え方で、自分たちのものさしだけで測ることができないことはたくさんあるって信じていた。だから想鳴者が思い出をこめることができてもおそれることはなく、むしろ尊敬していた」
村人が自分と同じ気持ちで、かなでは安心した。
「当時日本にきた想鳴者たちはいくつかのグループに分かれて、自分たちがしずかに暮らせるところを探していたの。……何十年何百年経っても、きずつけられたことも伝えられて、また魔女狩りのようにされるかと思うとこわくて仕方なかったでしょうね」
かなではもしも自分のおじいちゃんやおばあちゃん、ご先祖さまから、いろんな人から処刑されそうになった、追いかけ回されたなどと聞かされたら、と想像した。
(……わたしだったらそんな思いなんてしたくない。きっとだれにも言わないだろうな)
律の説明は続いた。
「慣れない土地を歩き回っている内に、想鳴者たちは倒れてしまった。それを近くの村の人たちが助けた。当時の村人たちが想鳴者たちを手厚く看病して、想鳴者たちはそのまま村に住まわせてもらうことになった。畑仕事をしたりいっしょに生活するうちに言葉を覚え、村人たちに心を開いた想鳴者は、思い出をこめてあげたりその技術を伝えるようになった」
「ってことはここには律さん以外の想鳴者がいるんですか? 聞いたことはないですけど」
かなではうでを組んで自分の記憶を探った。
「この町には今ではわたしだけみたいね。前はわたしの祖父がいたけれど亡くなったから。関東に住んでいる想鳴者は何人か知っているけれど。想鳴者はそれぞれの人ごとに、独自のつながりがあるから」
「独自のつながり?」
「ええ。想鳴者同士のつながりで、わたしはあまりつながりのある人はいないけれど、たくさんの想鳴者と知り合い、という人もいるわ。でも想鳴者の人数自体が多くないから、だれか会いたかったり、用事がある場合は大体四人から五人たどればれんらくをとることができるの」
律は思い出したように「ああ、そうだ」と言葉をこぼしかなでにつげた。
「かなで、あなたには明日からさっそくしてもらうことがあるの」
かなでは期待の眼差しをむけた。
「なんですか?」
「庭の花や野菜の水やりよ」
「へ? み、水やりですか?」
意外な答えにかなでは少々間の抜けた声を出してしまった。律はこくんとうなずいた。
「ここにいるあいだ、雨の日をのぞいて毎日。
花や野菜を育てるっていうのはね、とてもいい修業になるわ。からさないようにもしくは花開くまで毎日続ける根気、元気のないものがないかチェックできる視野の広さ、気配り、集中力。大切なことがたくさんつまっている」
かなでは「はい」と返事しながらもいまいちぴんとこなかった。
「もうこんな時間ね。今日はここまで。マットレスを入れなくちゃいけないわね」
律がそう言うとバイオリンがまた光り、光の球体はイオへと姿を変えた。イオはかなでに声をかけた。
「それじゃあいってらっしゃーい」
「さて、ワタシは楽器のほうにもどろうかな」
かなでのバイオリンのレッスンを見学していたルゥトも腰を上げた。
「二人ともちょっとは手伝ってよお」
「言ってもきかないわ」
「そうそう。ボクらは好きなことしかしないのさ」
「なにそれー、うらやましいなあ」
かなでは律にいつものように「ありがとうございました」とあいさつをして、バイオリンをかたづけると二人で庭に出た。
マットレスはまだ少しほこりくさいものの、なんとか眠れそうだ。二人は屋根裏部屋にマットレスを無事に運びこみ、ベッドにセットした。律が新品のシーツとまくらを持ってきて、シーツを二人で大きく広げると気球のようにふくらんだ。
「わたし、実はイオと律さんの関係ってなんだろうって思ってたんです」
「そりゃそうね。まあパートナーっていうほうが近いわね」
シーツのしわをのばしながら律は答えた。
「いつイオと出会ったんですか?」
律は雪原のようにベッドの上にこしを下ろした。そして自身のとなりをぽんぽんとたたいた。となりに座るようにうながされたかなではそのとおりにした。ベッドは食パンと消しゴムの間くらいのかたさで、かなでにとってはちょうどよかった。
「イオは元々、わたしのバイオリンの先生のところにいたの。ほかの楽器は想鳴者である祖父から習っていたんだけれど、祖父はバイオリンをひかなかったから、先生のところに通ったのよ」
今の律からは想像できない。どんな先生だったのか、かなでは少し気になった。律は続ける。
「楽器の魂はね、わたしたち想鳴者だけでなく音楽のことが大好きで、心の底から楽しめる人にもひかれるらしいわ。先生がそうだったみたいでね。先生からイオのことを聞いたことは一度もなかったんだけれど、イオのほうはわたしのことをいろいろ聞いていたみたい。どうやらこっそりレッスンをのぞきにもきたこともあるらしいわ」
イオにとって律のバイオリンの先生との日々も、きっと楽しいものだったのだろう。そしてイオは昔から変わっていないようだ。
「想鳴者になってすぐだったから、はたちくらいだったわね。先生がバイオリンをひけなくなったから、ゆずってくれることになったのよ」
「律さんのバイオリンの先生はなんでひけなくなったんですか?」
「もうお年でね。バイオリンを構え続けることが難しくなったの。『ひくことができない自分のところよりも、たくさんひいてもらえるあなたのところがいいでしょうからね』って。それから『変わっているけれど、おもしろい子だからね』ってつけ加えられたわね。そういえばいたずらっ子みたいな顔してたわ」
律は当時を思い出したのかうでを組んでため息をついた。
「しかもイオったら、ケースを開けたらいきなり人の姿で飛び出してきたのよ?」
「なんか、イオらしいですね」
かなではびっくり箱のように現れたイオと、目をまん丸にしている律を想像して笑ってしまいそうになったが、なんとかがまんした。
「いっしゅんなにがなんだかわからなかったわよ。でもアノーやルゥト、それにオッディも祖父の代からいたから、すぐにイオも楽器の魂だって気がついたわ。まあ、イオはわたしが思っていたよりもおどろかなかったのが、不満だったみたいだけど」
かなでの頭にくちびるをとがらせているイオの顔がうかんだ。
「イオは見た目よりもしっかりしていてね。わたしがくじけそうになったときも支えてくれたし、けんかもしたりしたけれど。いい兄妹ってかんじね。イオはわたしの代ではじめて出会った楽器の魂なのよ。祖父でさえ八十年以上かけて出会えた楽器の魂は三人だった」
長い年月をかけても三人にしか出会えないと思うと、ここにいる楽器の魂たちが集まっているのは、奇跡のように感じた。
「二百年以上前の楽器が残っていることそのものがめずらしいし、さらにそこから大切にされ続けている楽器と出会える可能性はさらに低くなる。けれどだいじょうぶ。あなたならかならず出会えるから」
「はいっ」
かなでは力強く返事をした。
(わたしはどんな楽器の魂と出会うんだろう?)
いつかが来るその日のことを考えると、心がおどってしかたなかった。
その後律と二人でつくったばんごはんは、ぶたの冷しゃぶ、夏野菜のあげびたし、きゅうりとわかめのポン酢和え、おみそしる、ごはんだった。かなでは野菜を切ったり盛りつけを手伝ったりした。お母さんの料理は味がはっきりしているが、律の料理はせんさいでやさしい味だった。
食事の片づけを終えると、律とかなではふたたび席についた。律が麦茶をテーブルの上に置くと、いつものように想鳴者についての勉強をはじめる。
「さて、このあいだはどこまで話したかしら」
律はいつもかならずそう言う。かなでを試しているのだ。
「想鳴者がしてはいけないことです」
「そうだったわね。どんなことだったかしら」
「うらみ、憎しみの感情をこめることです」
「そうね。思い出は大切なものよ。残しておくのは楽しかったり、うれしかったりしたことだけでいいんだから」
律は麦茶を一口ふくんだ。かなでもその麦茶を飲んだ。
「あの、律さん」
「なに?」
かなではコップを置き、姿勢を正して尋ねた。
「想鳴者ってどれくらいの人数がいるんですか?」
「さあ。ただあまり人数はいないでしょうね」
「なんでですか?」
律はもう一口麦茶を飲んで答えた。
「想鳴者はものに思い出をこめるという、不思議な仕事。それは基本的にはよく思われていたけれど、時代や場所によってはおそろしいとも考えられていたそうなの」
「ええ? すてきなことなのに」
かなでは目を丸くした。律は表情を変えずに説明を続けた。
「……魔女狩りって知ってる?」
かなでは首を横にふりながら「いいえ」と答えた。
「魔女狩りっていうのは主に十六世紀から十七世紀にかけてヨーロッパで行われた、魔女の疑いがある人たちが処刑されたできごとのこと。でも実際の多くは魔女ではなく、ごくふつうの人たちだった。たしかに一にぎりの人たちは特別な力を持っていてその中に想鳴者もいた。これがきっかけで思い出をこめることを辞めた人もいた。国の外に運よく逃げきれた人もいたし、道半ばで亡くなった人もいた」
「じゃあ、想鳴者ってもともとヨーロッパにしかいなかったんですか?」
「そう言われているわね。その想鳴者が日本ににげてきて、日本人に技術を伝えたの。その内の一つがここ、ひびき沢。ここから電車で四十五分ほどのところに港があるでしょう。そこからひびき沢にきたのよ」
律は一度言葉を区切り、逃げてきた想鳴者のことを話しはじめた。
「当時の村人たちは、想鳴者としての技は外国人みんなができると思っていたみたい。
昔の日本は妖怪だとかいろんなものに神さまが宿っているって考え方で、自分たちのものさしだけで測ることができないことはたくさんあるって信じていた。だから想鳴者が思い出をこめることができてもおそれることはなく、むしろ尊敬していた」
村人が自分と同じ気持ちで、かなでは安心した。
「当時日本にきた想鳴者たちはいくつかのグループに分かれて、自分たちがしずかに暮らせるところを探していたの。……何十年何百年経っても、きずつけられたことも伝えられて、また魔女狩りのようにされるかと思うとこわくて仕方なかったでしょうね」
かなではもしも自分のおじいちゃんやおばあちゃん、ご先祖さまから、いろんな人から処刑されそうになった、追いかけ回されたなどと聞かされたら、と想像した。
(……わたしだったらそんな思いなんてしたくない。きっとだれにも言わないだろうな)
律の説明は続いた。
「慣れない土地を歩き回っている内に、想鳴者たちは倒れてしまった。それを近くの村の人たちが助けた。当時の村人たちが想鳴者たちを手厚く看病して、想鳴者たちはそのまま村に住まわせてもらうことになった。畑仕事をしたりいっしょに生活するうちに言葉を覚え、村人たちに心を開いた想鳴者は、思い出をこめてあげたりその技術を伝えるようになった」
「ってことはここには律さん以外の想鳴者がいるんですか? 聞いたことはないですけど」
かなではうでを組んで自分の記憶を探った。
「この町には今ではわたしだけみたいね。前はわたしの祖父がいたけれど亡くなったから。関東に住んでいる想鳴者は何人か知っているけれど。想鳴者はそれぞれの人ごとに、独自のつながりがあるから」
「独自のつながり?」
「ええ。想鳴者同士のつながりで、わたしはあまりつながりのある人はいないけれど、たくさんの想鳴者と知り合い、という人もいるわ。でも想鳴者の人数自体が多くないから、だれか会いたかったり、用事がある場合は大体四人から五人たどればれんらくをとることができるの」
律は思い出したように「ああ、そうだ」と言葉をこぼしかなでにつげた。
「かなで、あなたには明日からさっそくしてもらうことがあるの」
かなでは期待の眼差しをむけた。
「なんですか?」
「庭の花や野菜の水やりよ」
「へ? み、水やりですか?」
意外な答えにかなでは少々間の抜けた声を出してしまった。律はこくんとうなずいた。
「ここにいるあいだ、雨の日をのぞいて毎日。
花や野菜を育てるっていうのはね、とてもいい修業になるわ。からさないようにもしくは花開くまで毎日続ける根気、元気のないものがないかチェックできる視野の広さ、気配り、集中力。大切なことがたくさんつまっている」
かなでは「はい」と返事しながらもいまいちぴんとこなかった。
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