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恋愛ゲーム開始!?
読書は楽しいです。
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昨日、古書庫で本を探すのと、おじさまとお話しすることで予定時間をオーバーしてしまいました。
なので、今日は借りてきた本を読もうと思ったのですが……。
「どうしましょう……読めません!」
文字が読めませんでした。
基本的な文字は、三ヶ国語教わっていますが、その文字のどれでもありませんでした。
昨日、最後は時間がなかったので、表紙の絵で決めてしまったのもいけなかったのかもしれません。
せっかく選んだのに……どうすればいいのでしょう。
わたくしは落ち込んでしまいます。
「姫さま?」
お部屋の方から声が聞こえてきます。
あ、今わたくしはお部屋から出て、ベランダにあるテーブルに本を置き、椅子に座っておりました。
「あっ、ランベルトお兄さま。昨日はありがとうございました」
立ち上がって頭を下げます。
「あっ、椅子にお座りになってくださいませ」
「ううん、いいんだけど……さっき『読めません!』って」
「あっ……」
そんなに大きな声だったのでしょうか……恥ずかしいですわ。
「えっと……昨日借りた本なのですが、絵が綺麗で選んだ本があるのですが、文字が読めませんでした……」
「あぁ、あの古書庫は、世界中のほぼ全ての言語が網羅されているって言うから……」
「そうなんですか?」
「うん。この王都がここに定められる前の、前の王都や、僕とクローディアのご先祖さまが住んでいた街にあった書庫に、埋もれていた本も発掘されてここに納められているから……」
前に術師のおじいさまに教わった、歴史の授業を思い出しましたわ。
「えっと……ギ、偽王の乱……でしたか? それよりも前の書物があるのでしょうか?」
「あっ、勉強しているんだね? すごい」
「えへへっ」
頭を撫でてくれました。
嬉しいですわ。
「じゃぁ、これは、どこの言語でしょうか?」
本を見えるようにお兄さまに差し出しました。
「あぁ、ラディリアの言葉だね」
「ラディリア……えっと、別の大陸の国でしたか?」
「ううん。この大陸の中にある小さい公国の一つ。もう一つはスティアナ。で、このお話はこの大陸で起こった戦いに巻き込まれた、公主と公妃の物語」
「……死んじゃったのですか?」
歴史では、まだ大まかなことしか教わっていません。
でも、確か……。
「そうだね。公主は、お腹に赤ちゃんのいた公妃を実家である僕の家に逃し、殺されたんだよ。その後、男の子を生み、体調を崩した公妃は何年か後に亡くなったのだとか」
「……そうなのですか……男の子はどうなったのでしょうか?」
「養子として別の家で育ったそうですよ。姫さまのご先祖さまです」
「そうなのですか……じゃぁ、公主さまや公妃さまは、わたくしのずっと前のおじいさまとおばあさまなのですね。頑張って読めるようになりたいです」
表紙は笑顔の男性と女性、そして赤ちゃんの絵です。
戦いに巻き込まれなければ、幸せな日々を過ごせたはずです。
「えっと、ランベルトお兄さま。この文章は分かりますか? 自分で勉強して読んでみたいですが、まずは一回読んでみたいのです」
「うん。分かるよ。でも、アリスター殿下はきっと読めると思うよ?」
「えっ……は、恥ずかしいですわ。わたくし、10歳ですのに、アリスターより遅れています」
顔が赤い……前世は世間知らずで、一応教科書とノートで勉強していましたが、病院以外は全く知りませんでした。
今度は元気なので、ちゃんと家庭教師の先生に勉強を、マナーの先生に、術師のおじいさまには術のことや歴史を教わっていますが、弟たちより頭が悪いなんて……。
「えっ? 違うよ? 姫さまは10歳のお姫様ですがとっても賢いです。確か、向こうの大陸の言語も、ルーズリア、リールの言葉を勉強していますよね? この国の言語も古語に現代語まで。それに計算もとても進んでいるそうですね。歴史の予習もされていて、知識もあるって祖父が褒めてましたよ?」
「えっ? そ、そうでしょうか? でも、おじいさまのお話はとっても面白いです! 次の授業が楽しみなのですわ! あっ、それに、授業の合間にお兄さまやエディートお姉さまのお話も聞かせてくれます」
「えっ? 僕たちの話?」
「はい! お兄さまが初めて読んだ本のお話とか、術の練習のこと、ケンカのお話です」
「……お、おじいさま……言わないで欲しかった」
うつむいて大きな手で顔を隠す、お兄さまのお耳が真っ赤ですわ。
「そうですか? えっと、わたくし。アラステア達とケンカしたことがありませんし、楽しそうだなぁって……時々、クローディアお兄さまとお兄さまがお話ししているのも、楽しいです」
お兄さま達はとっても仲良しなのですね。
羨ましいです。
「まぁ……いいけど。じゃぁ、姫さまに読んであげるね。まずは訳した文から。そしてラディリアの言葉で読むからね?」
「はい! ノートを持ってきています!」
「集中できないと思うから、まずは聞こうね?」
そのあと、お兄さまに三回も繰り返して読んでもらいました。
今度、単語の意味も教えてもらいます。
とっても楽しみですわ。
他の図鑑などは読んだことのある言葉なので、明日、読みたいと思います。
なので、今日は借りてきた本を読もうと思ったのですが……。
「どうしましょう……読めません!」
文字が読めませんでした。
基本的な文字は、三ヶ国語教わっていますが、その文字のどれでもありませんでした。
昨日、最後は時間がなかったので、表紙の絵で決めてしまったのもいけなかったのかもしれません。
せっかく選んだのに……どうすればいいのでしょう。
わたくしは落ち込んでしまいます。
「姫さま?」
お部屋の方から声が聞こえてきます。
あ、今わたくしはお部屋から出て、ベランダにあるテーブルに本を置き、椅子に座っておりました。
「あっ、ランベルトお兄さま。昨日はありがとうございました」
立ち上がって頭を下げます。
「あっ、椅子にお座りになってくださいませ」
「ううん、いいんだけど……さっき『読めません!』って」
「あっ……」
そんなに大きな声だったのでしょうか……恥ずかしいですわ。
「えっと……昨日借りた本なのですが、絵が綺麗で選んだ本があるのですが、文字が読めませんでした……」
「あぁ、あの古書庫は、世界中のほぼ全ての言語が網羅されているって言うから……」
「そうなんですか?」
「うん。この王都がここに定められる前の、前の王都や、僕とクローディアのご先祖さまが住んでいた街にあった書庫に、埋もれていた本も発掘されてここに納められているから……」
前に術師のおじいさまに教わった、歴史の授業を思い出しましたわ。
「えっと……ギ、偽王の乱……でしたか? それよりも前の書物があるのでしょうか?」
「あっ、勉強しているんだね? すごい」
「えへへっ」
頭を撫でてくれました。
嬉しいですわ。
「じゃぁ、これは、どこの言語でしょうか?」
本を見えるようにお兄さまに差し出しました。
「あぁ、ラディリアの言葉だね」
「ラディリア……えっと、別の大陸の国でしたか?」
「ううん。この大陸の中にある小さい公国の一つ。もう一つはスティアナ。で、このお話はこの大陸で起こった戦いに巻き込まれた、公主と公妃の物語」
「……死んじゃったのですか?」
歴史では、まだ大まかなことしか教わっていません。
でも、確か……。
「そうだね。公主は、お腹に赤ちゃんのいた公妃を実家である僕の家に逃し、殺されたんだよ。その後、男の子を生み、体調を崩した公妃は何年か後に亡くなったのだとか」
「……そうなのですか……男の子はどうなったのでしょうか?」
「養子として別の家で育ったそうですよ。姫さまのご先祖さまです」
「そうなのですか……じゃぁ、公主さまや公妃さまは、わたくしのずっと前のおじいさまとおばあさまなのですね。頑張って読めるようになりたいです」
表紙は笑顔の男性と女性、そして赤ちゃんの絵です。
戦いに巻き込まれなければ、幸せな日々を過ごせたはずです。
「えっと、ランベルトお兄さま。この文章は分かりますか? 自分で勉強して読んでみたいですが、まずは一回読んでみたいのです」
「うん。分かるよ。でも、アリスター殿下はきっと読めると思うよ?」
「えっ……は、恥ずかしいですわ。わたくし、10歳ですのに、アリスターより遅れています」
顔が赤い……前世は世間知らずで、一応教科書とノートで勉強していましたが、病院以外は全く知りませんでした。
今度は元気なので、ちゃんと家庭教師の先生に勉強を、マナーの先生に、術師のおじいさまには術のことや歴史を教わっていますが、弟たちより頭が悪いなんて……。
「えっ? 違うよ? 姫さまは10歳のお姫様ですがとっても賢いです。確か、向こうの大陸の言語も、ルーズリア、リールの言葉を勉強していますよね? この国の言語も古語に現代語まで。それに計算もとても進んでいるそうですね。歴史の予習もされていて、知識もあるって祖父が褒めてましたよ?」
「えっ? そ、そうでしょうか? でも、おじいさまのお話はとっても面白いです! 次の授業が楽しみなのですわ! あっ、それに、授業の合間にお兄さまやエディートお姉さまのお話も聞かせてくれます」
「えっ? 僕たちの話?」
「はい! お兄さまが初めて読んだ本のお話とか、術の練習のこと、ケンカのお話です」
「……お、おじいさま……言わないで欲しかった」
うつむいて大きな手で顔を隠す、お兄さまのお耳が真っ赤ですわ。
「そうですか? えっと、わたくし。アラステア達とケンカしたことがありませんし、楽しそうだなぁって……時々、クローディアお兄さまとお兄さまがお話ししているのも、楽しいです」
お兄さま達はとっても仲良しなのですね。
羨ましいです。
「まぁ……いいけど。じゃぁ、姫さまに読んであげるね。まずは訳した文から。そしてラディリアの言葉で読むからね?」
「はい! ノートを持ってきています!」
「集中できないと思うから、まずは聞こうね?」
そのあと、お兄さまに三回も繰り返して読んでもらいました。
今度、単語の意味も教えてもらいます。
とっても楽しみですわ。
他の図鑑などは読んだことのある言葉なので、明日、読みたいと思います。
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