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恋愛ゲーム開始!?
はい、あーんをしてみたいと思います!
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今日はいい天気ですわ。
外に行きたいのですが、お父様や弟たちが許してくれません。
なので、ペットたちと中庭で遊びたいと思います。
ちなみに中庭と言ってもとても広く、1500年以上前に外にある森の一部をそのまま囲って宮殿を建てたので、大きな木々が鬱蒼としげる林状態です。
手入れもほぼしていないので、鳥や外の森からやってきた生き物が住んでいます。
今日は、ルイーシャお姉さま、クローディアお兄さまとディアナお姉さまが一緒にいてくださいます。
「ほーら、とってこい!」
柔らかいボールを投げるお兄さまやディアナお姉さまの周りには、好奇心旺盛な子たちが多いです。
でも、まだリハビリ中のマラミュートと甘えっ子のプードル、そして最近やってきた前世の世界で世界最大の犬だったアイリッシュ・ウルフハウンド……と言うのだと、ルイーシャお姉さまが教えてくれました……風の子も来ました。
ウルフとつけた子ですが、とっても見た目と違い大人しく、お昼寝好きです。
今、三頭と一緒に、ルイーシャお姉さまとお茶の準備をしています。
そして、わたくしたちがお昼を食べたりしている間、みているだけもかわいそうなので、お姉さまとおやつを作りました。
乗獣たちは甘いものが大好物なのだそうです。
なので、ヴルヴルのミルクと花の蜜、そしてお米や麦のようなものの粉を練り込んで作ったクッキーです。
わたくしも頑張りました!
わたくしたちも食べられるそうですが、長持ちさせるためにかた焼きにしたそうです。
物凄い量作ってるなぁと思いましたが、何日分だったのでしょう……。
「お姉さま。これは何日分ですか?」
「そうですねぇ……これはトレーニング用でもありますし、今、姫さまのところにいる子は10頭超えていますから、5日分でしょう」
「えぇぇぇ! こんなに作ったのに、たった5日分!」
「わたくしたちも食べますし、これは一応騎獣用の携帯食にもなりますからね。よく作るんですよ」
「ほえぇぇ……」
わたくしの口には一個で十分ですが、この子たちにはこのサイズでは小さすぎるのでしょうか?
「大きさは関係ありませんよ。褒める時にちぎってあげるのではなく、小さいクッキーを一枚あげるだけでいいのですから、なるべく割らずに済む小さい方がいいのです」
「そっか……じゃぁ、わたくしも期間を決めて作ってあげようかな」
「その時は私と一緒ですよ? 火傷を負っては困りますからね」
ルイーシャお姉さまは念を押した。
「お腹すいた~!」
先に飽きて戻ってきたのはディアナお姉さま。
「姉さん、姫さま。何かある?」
「サンドウィッチがありますよ」
カゴに隠していたお昼を示す。
「スープも紅茶もあります。まずは手を洗ってきてね」
「はーい!」
離れていく。
「おい、ディアナ! なんで逃げるんだ! おわぁぁ!」
乗獣たちに取り囲まれ遊ばれているクローディア。
「クローディアお兄さま。大丈夫?」
「あぁぁ……重い……」
「みんな? おやつをあげるからいらっしゃい」
わたくしの言葉にさぁぁっと離れる。
そして、自分もおやつをちょうだいと言わんばかりに押し合いへし合いになる。
「ちょっと待って。まずは順番。割り込んじゃだめよ?」
一個ずつ口に放り込みながら、怪我や調子の変化を確認する。
それを繰り返していると、
「姫さま。サンドウィッチ、ディアナが食べ尽くしてるぞ?」
「あっ! もうちょっと……」
「仕方ないなぁ……はい、口開けて」
「あーん」
クローディアの手の中の、カラシ抜きの卵サンドを頬張る。
「美味しい!」
「そっか……ほら、もう一口」
「……クローディアお兄さまは食べてますか?」
「さっき、ハムサンドとチキンサンドと、フルーツサンド食べた。あっ、姫さまの頬に卵ついてる」
「えっ! どこですか?」
両手はベトベトなのでオロオロする。
すると、顔が近づき唇の横をかすめた。
「はい取れた」
「……えっ、ふ、拭いてくだされば……良かったのに……」
ルイーシャお姉さまとディアナお姉さまの視線に、何故か頬が赤くなりました。
ドキドキです。
「取れたからいいじゃん。サンドウィッチはいらないの?」
「えっと、いります!」
「はい」
結局卵とハムサンドを、クローディアお兄さまに食べさせてもらいました。
外に行きたいのですが、お父様や弟たちが許してくれません。
なので、ペットたちと中庭で遊びたいと思います。
ちなみに中庭と言ってもとても広く、1500年以上前に外にある森の一部をそのまま囲って宮殿を建てたので、大きな木々が鬱蒼としげる林状態です。
手入れもほぼしていないので、鳥や外の森からやってきた生き物が住んでいます。
今日は、ルイーシャお姉さま、クローディアお兄さまとディアナお姉さまが一緒にいてくださいます。
「ほーら、とってこい!」
柔らかいボールを投げるお兄さまやディアナお姉さまの周りには、好奇心旺盛な子たちが多いです。
でも、まだリハビリ中のマラミュートと甘えっ子のプードル、そして最近やってきた前世の世界で世界最大の犬だったアイリッシュ・ウルフハウンド……と言うのだと、ルイーシャお姉さまが教えてくれました……風の子も来ました。
ウルフとつけた子ですが、とっても見た目と違い大人しく、お昼寝好きです。
今、三頭と一緒に、ルイーシャお姉さまとお茶の準備をしています。
そして、わたくしたちがお昼を食べたりしている間、みているだけもかわいそうなので、お姉さまとおやつを作りました。
乗獣たちは甘いものが大好物なのだそうです。
なので、ヴルヴルのミルクと花の蜜、そしてお米や麦のようなものの粉を練り込んで作ったクッキーです。
わたくしも頑張りました!
わたくしたちも食べられるそうですが、長持ちさせるためにかた焼きにしたそうです。
物凄い量作ってるなぁと思いましたが、何日分だったのでしょう……。
「お姉さま。これは何日分ですか?」
「そうですねぇ……これはトレーニング用でもありますし、今、姫さまのところにいる子は10頭超えていますから、5日分でしょう」
「えぇぇぇ! こんなに作ったのに、たった5日分!」
「わたくしたちも食べますし、これは一応騎獣用の携帯食にもなりますからね。よく作るんですよ」
「ほえぇぇ……」
わたくしの口には一個で十分ですが、この子たちにはこのサイズでは小さすぎるのでしょうか?
「大きさは関係ありませんよ。褒める時にちぎってあげるのではなく、小さいクッキーを一枚あげるだけでいいのですから、なるべく割らずに済む小さい方がいいのです」
「そっか……じゃぁ、わたくしも期間を決めて作ってあげようかな」
「その時は私と一緒ですよ? 火傷を負っては困りますからね」
ルイーシャお姉さまは念を押した。
「お腹すいた~!」
先に飽きて戻ってきたのはディアナお姉さま。
「姉さん、姫さま。何かある?」
「サンドウィッチがありますよ」
カゴに隠していたお昼を示す。
「スープも紅茶もあります。まずは手を洗ってきてね」
「はーい!」
離れていく。
「おい、ディアナ! なんで逃げるんだ! おわぁぁ!」
乗獣たちに取り囲まれ遊ばれているクローディア。
「クローディアお兄さま。大丈夫?」
「あぁぁ……重い……」
「みんな? おやつをあげるからいらっしゃい」
わたくしの言葉にさぁぁっと離れる。
そして、自分もおやつをちょうだいと言わんばかりに押し合いへし合いになる。
「ちょっと待って。まずは順番。割り込んじゃだめよ?」
一個ずつ口に放り込みながら、怪我や調子の変化を確認する。
それを繰り返していると、
「姫さま。サンドウィッチ、ディアナが食べ尽くしてるぞ?」
「あっ! もうちょっと……」
「仕方ないなぁ……はい、口開けて」
「あーん」
クローディアの手の中の、カラシ抜きの卵サンドを頬張る。
「美味しい!」
「そっか……ほら、もう一口」
「……クローディアお兄さまは食べてますか?」
「さっき、ハムサンドとチキンサンドと、フルーツサンド食べた。あっ、姫さまの頬に卵ついてる」
「えっ! どこですか?」
両手はベトベトなのでオロオロする。
すると、顔が近づき唇の横をかすめた。
「はい取れた」
「……えっ、ふ、拭いてくだされば……良かったのに……」
ルイーシャお姉さまとディアナお姉さまの視線に、何故か頬が赤くなりました。
ドキドキです。
「取れたからいいじゃん。サンドウィッチはいらないの?」
「えっと、いります!」
「はい」
結局卵とハムサンドを、クローディアお兄さまに食べさせてもらいました。
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