生まれ変わったら幸せになりたいと願った不運な女は、何故か猫の王子様のペットになっていた。

刹那玻璃

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第一章

スーパーキャットディ(にゃん×6の日)

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「……あら? ルーチェちゃん、お散歩? 今日はごきげんね?」

 おっとりと微笑むのは、ごしゅじんしゃまのまましゃま、アンナマリアしゃまです。
 アンナマリアしゃまにゆっくりと近づくと、すりっとドレスのスカートの裾を撫でます。
 ふわっと花のような甘い匂いです。
 香水より優しい匂いなので大好きです。



 うなぉ(まましゃま、おはようごじゃいましゅ)



 あたちはあまり歩けません。
が、ちょっとずつ歩く練習中です。

 ごしゅじんしゃまはおしっしょ……お師匠しゃまのエマヌエーレしゃまと一緒に王宮にお出かけなので、ウリッセしゃんがそばにいます。
 本当はウリッセしゃんも王宮についていく予定でしたが、あたちのことが心配っていうごしゅじんしゃまに言われてここにいます。
 でも、



 みゅぅ……(ごしゅじんしゃま、いにゃいの、ちゅまんにゃい)

「あらあら……アルカンジェロがいないから寂しいのね?」
「……今日はどうしても、一緒に出かけられないからと」



ウリッセしゃんはあたちのハーネスをしっかり握ってます。

 あたちはとっても成長が遅いらしいです。
 同じ目が開いてから歩き、走り回るようになる同じ翼猫族アーラガットたちは、あたちくらいになるともう飛ぶ練習に入るのだそうです。
 でも、あたちはまだハイハイとコロンコロン中心で、歩くのもちょっと。
 それに、翼猫族の幼体の中でもかなり好奇心も薄いらしく、気になるのはちょうちょしゃんとごしゅじんしゃまのお耳と尻尾。
 攻撃するよりごしゅじんしゃまのそばにいて、じっと見てる方がわくわく面白いってウリッセしゃんにお話ししたら、それを聞いたごしゅじんしゃまがいっぱい心配して女王しゃまにご相談に行きました。
 そこで、首を引っ張るタイプじゃない、お洋服みたいなハーネスはどうかと言われたといっぱい届けてもらいました。
 最初はごしゅじんしゃまが、

「こんなに作らせるなんて……大きくなったら着れなくなるのに……」

って言ってました。

「それに、そんなに重そうなもの、ルーチェには可哀想だよ?」

 とも言ってくれましたが、あたちはごしゅじんしゃまのお目目と一緒の色が嬉しいです。
 2、3枚、ふわんふわんでつま先以外足も覆う帽子がついたものもあります。
 ぬいぐるみみたいです。

「こっちはティグリス、こっちはレパードっていう生き物らしいよ。そして今日着てるのはパンサー……これらは異国にいる大きな同族なんだって」

 ごしゅじんしゃまが書物を見ながら教えてくれました。
 パンサーしゃんはブチ柄でヒョウしゃんみたいですが、なんで羽根持ってる怪獣をくっつけてるのでしょう?

 うなぁーお……(これにゃんでしゅか?)

 ツンツンとつつくと、

「それは悪い魔族だよ。パンサーは魔族を追い払う聖なる獣なんだ。ドラゴンほど強いわけじゃないけど、僕たちとも仲良しだよ」

へぇ……一つ勉強になりました。
 パンサーしゃんは、すごいのですね。

 そして今日はレパードですが……レパードって濃い土色の毛色です。
 ティグリスしゃんは白地に黒い縞模様でした。
 どこか見た模様です……どこででしょう。



「ルーチェ。そろそろミルクの時間ですよ」

 ウリッセしゃんの声です。
 カツッ……という音が聞こえます。
 見ているのは、アダルジーザしゃまにいただいたと言う時計です。
 懐中時計っていうものです。
 でも、おおきいですね。
 前世では、5センチほどの円形……胸ポケットに楽々入るサイズだった気がしますが……ウリッセしゃんの手のひら大です。
 重そうです。



「……5センチ? アルコバレーノ様? この大きさより小さい時計をご存知ですか?」



 うなぉ……(うん)



 もちろん知っています。
 それは大きいと重たいと思うのです。



「でも、これ以上小さいと、中の機器が組み込めないこともあるのですよ? それに、緩みとか……」



 うなうなうなーお(ネジが緩まないように、硬い宝石とか使うといいのです……多分)



「硬い宝石……」



 考え込んでいます。

 ルビーは一番硬いダイヤモンドの次に硬い鉱石。
 ちなみに、ルビーとサファイアは同じ鉱石なのです。
 でも、サファイアの石の中で鳩の血ピジョンブラッドの色だけがルビーなのです。
 サファイアの中でも矢車草の青ブルーが珍重されてましたが、ピンクとかイエローも可愛いです。



「ルビー……硬くないと思うのですが……昔のブラックプリンスのルビーは……傷がついたとか……」



 みゅぅぅぅ……(それはレッドスピネルだと思う……)



「スピネル?」



 そっくりな色だけど、全然違う石。
 ルビーより硬度が低いよ?
 綺麗だけど違うよ?



「これはどうですか?」



 うなぁー(わかんにゃい)



 硬度を鑑定はできません。
 鑑定士じゃないもん。
 時計を作る技術者でもないし……あたちはあたち。



「ちょ……ちょっと待ってください。鑑定できるなら、私でもわかりますか?」



 ウリッセしゃんが、みたいなら。
 鑑定士って言っても専門が違う時もあるけど、勉強するなら視ることも出来ると思う。



「分かりました! これから勉強していきます。私は、アルカンジェロ様や女王陛下のために……」



 なななーう(がんばれ)



 あたちは寝るのです。
 おかあしゃまが抱っこしてくれたので、お膝の上でゴロゴロします。
 おやしゅみなしゃい……。

~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~

 今日はニャンニャンニャンのひ。
なので、リハビリにもなっていませんが、2時22分に。
 お目汚しお許しくださいm(_ _)m
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