7 / 42
お節介なおばちゃんヴァルキュリア……?
関興くんはブラコンです。……これは絶対!
しおりを挟む
真侑良は、うつ伏せのまま始末書を書いている。
「ふーん♪ ふーんふーん……♪」
「た、楽しそうですね」
関平くんを見上げニッコリと、
「部署が違うと、書き方違うなぁ思て。おもろいなぁ……ほいっと」
書かされたんは、
『関帝廟裏にて、起こした騒動にて、謹慎二週間』
やった。
仕事に行っても良かったんやけど、髭親父が治療の為に破った制服や、外聞があぁだこうだと言い出して、関平くんの弟の関興くんが持ってきたんよ。
で、
「似とらんなぁ……兄弟」
ついつい口にしてしもた。
いやぁ……関平くんは美少年なんや、うん。
きりっとした表情はしとっても、その分、目がくりくりっとしとって垂れ目。
まつげがめちゃくちゃ長いんよ。
まつげの短いうちには、本当に羨ましいわ。
それに二重まぶたで、唇もリップも塗っとらんのにピンク色。
あの髭親父の息子にどう見ても見えん。
それに、関興くんは……。
「えらい美男やなぁ……いや、ビックリやわ」
関平くんと同年代なのに美男!
スッキリとした眼差しに、顔立ちも整っとって、奥二重まぶたが色っぽい。
あ、目尻にほくろ見っけ!
「えっと、百目鬼さん、ですよね? 面白がるのは結構ですが、兄上の邪魔はされないで下さい!」
「こ、こら、安国、駄目だよ!」
「紫蘭兄上も兄上です! どこの誰とも解らない、どう見ても下っぱのヴァルキュリアに興味を示さなくとも! 兄上は……」
「あー、うーん? ブラコン弟君や?」
「誰がブラコンです!」
食って掛かろうとする関興くんに、はぁ……とため息をついてやる。
「あのなぁ? うち、あんたらよりも若いけど、そこそこおばはんな訳。ついでに、おばはんは解っとるんやけど? うちと関平くんの霊の格の違い。うちは地上ではありふれとる浮遊霊や。偶然、あの『陰険インテリエロ眼鏡』に取っ捕まってここに連れてこられた、ヴァルキュリアの下層も下層。ろくに魂も取ってこれん、やけん、ここでこの程度のやけどで、二週間安静や。こんなん、関興くんや関平くんは一瞬にして消す前に、やけどに遭うこともあらせんやろ? 関平くんも関興くんも、日本で言うたら神様や。中国やけん人や仙人や神君って言うて、神に近い存在になっとる。うちはそんな上も上の存在に、敬意はあるけど好意はない!」
きっぱりはっきり言い切ったったうちは、毛布に潜り込む。
「ほんじゃな。兄弟仲良うおしや。ほな、いんでや」
「……百目鬼さん! す、すみません! 弟も悪気はないんです!それに……」
「解っとるけん、もういんでくれへんかな? だんだん」
『子龍(しりゅう)くん。』だけはおってくれるよな……。
ギュッと抱き締めると背ェ痛いけど、我慢せないかん……。
あぁ、胸も痛いかも……。
「あん時……嫁にいっとたら……あの子らみたいな、子がおったんやろかなぁ……」
呟いた声を聞き取った関平は、聞いて良かったのだろうかと迷っていたのだった。
「ふーん♪ ふーんふーん……♪」
「た、楽しそうですね」
関平くんを見上げニッコリと、
「部署が違うと、書き方違うなぁ思て。おもろいなぁ……ほいっと」
書かされたんは、
『関帝廟裏にて、起こした騒動にて、謹慎二週間』
やった。
仕事に行っても良かったんやけど、髭親父が治療の為に破った制服や、外聞があぁだこうだと言い出して、関平くんの弟の関興くんが持ってきたんよ。
で、
「似とらんなぁ……兄弟」
ついつい口にしてしもた。
いやぁ……関平くんは美少年なんや、うん。
きりっとした表情はしとっても、その分、目がくりくりっとしとって垂れ目。
まつげがめちゃくちゃ長いんよ。
まつげの短いうちには、本当に羨ましいわ。
それに二重まぶたで、唇もリップも塗っとらんのにピンク色。
あの髭親父の息子にどう見ても見えん。
それに、関興くんは……。
「えらい美男やなぁ……いや、ビックリやわ」
関平くんと同年代なのに美男!
スッキリとした眼差しに、顔立ちも整っとって、奥二重まぶたが色っぽい。
あ、目尻にほくろ見っけ!
「えっと、百目鬼さん、ですよね? 面白がるのは結構ですが、兄上の邪魔はされないで下さい!」
「こ、こら、安国、駄目だよ!」
「紫蘭兄上も兄上です! どこの誰とも解らない、どう見ても下っぱのヴァルキュリアに興味を示さなくとも! 兄上は……」
「あー、うーん? ブラコン弟君や?」
「誰がブラコンです!」
食って掛かろうとする関興くんに、はぁ……とため息をついてやる。
「あのなぁ? うち、あんたらよりも若いけど、そこそこおばはんな訳。ついでに、おばはんは解っとるんやけど? うちと関平くんの霊の格の違い。うちは地上ではありふれとる浮遊霊や。偶然、あの『陰険インテリエロ眼鏡』に取っ捕まってここに連れてこられた、ヴァルキュリアの下層も下層。ろくに魂も取ってこれん、やけん、ここでこの程度のやけどで、二週間安静や。こんなん、関興くんや関平くんは一瞬にして消す前に、やけどに遭うこともあらせんやろ? 関平くんも関興くんも、日本で言うたら神様や。中国やけん人や仙人や神君って言うて、神に近い存在になっとる。うちはそんな上も上の存在に、敬意はあるけど好意はない!」
きっぱりはっきり言い切ったったうちは、毛布に潜り込む。
「ほんじゃな。兄弟仲良うおしや。ほな、いんでや」
「……百目鬼さん! す、すみません! 弟も悪気はないんです!それに……」
「解っとるけん、もういんでくれへんかな? だんだん」
『子龍(しりゅう)くん。』だけはおってくれるよな……。
ギュッと抱き締めると背ェ痛いけど、我慢せないかん……。
あぁ、胸も痛いかも……。
「あん時……嫁にいっとたら……あの子らみたいな、子がおったんやろかなぁ……」
呟いた声を聞き取った関平は、聞いて良かったのだろうかと迷っていたのだった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる