糸がもつれるようなもどかしい思いが恋らしい。

刹那玻璃

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出発前に一眠り

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 レイ先生についていくと、発着場のそばにある屋根のついた場所に着いた。
 誰かいるのかと思っていたけど、まだ誰もいなかった。

「あ、大きな子がいた」

 地面に丸くなっている大きな毛玉。
 毛色は濃い土色。

 くあぁぁ……

大きくあくびをすると、目をぱっちり開けて、

 くるぅるぅ……

って可愛らしい声で鳴いた。

「あぁ、時計、見つかったよ。ププ」

 レイ先生は近づくと鼻の先を撫でた。
 気持ちよさそうに目を細めてる。

「ププ? 竜ですか?」
「違うよ。この子は私の乗獣……ナムグって言う翼のある生き物で、プリシアって言うんだ。愛称がププ。ププ。この子が今日騎士の館に一緒に行く、ユーザーとシア」
「は、はじめまして、プリシアさん……ボクはユーザーで、この子はシアです」

 近づいて大丈夫かな?
 昨日、水浴びしたから、いつもより綺麗にしてるつもりなんだけど……。
 先生は手招きしてくれるから……。

 恐る恐る近づくと、うぅーんとプリシアが首を伸ばしてきた。

 あ、結構大きい頭。
 大きい目は濃い茶色。

 くるる?

 大きな体に似合わず、可愛らしい声がしたと思ったら、急にボクのマントを咥えて引っ張った。
 足に履いていた布草履が片方脱げる。

「わぁ! 破れる! 破れちゃう。ボク、これ一枚しかないんだよ!」

 慌てて逃げようと思ったけど、プリシアに抱き込まれて、ふわふわの毛に埋もれてしまう。

「うわぁ……ふわふわ……気持ちいい」

 くるくる……

喉を鳴らす声が聞こえる。

 トントン……

 鼻で優しく頭を突かれた。
 おやすみって言ってくれてるのかな?

「まだ時間があるから、遊んでいてね。ププ。私はちょっと荷物取りに行くからね」

 きゅきゅる

 優しい声を聞きながら、ボクは眠気を堪えられずにあくびをして目を閉じた。
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