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第2章〜承
今日、正式に診断されました。その後の事件
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今日、病院に行った。
すると、名前を呼ばれ、椅子に座った目の前で、
「うーん、うーん。T先生って本当に絶妙な薬を選んでるよね。ここまで細かく薬処方されると、追加の薬って出せないんだよ……」
と、2回目の診察でF先生が机に大量の薬をばら撒き……いや、そう見えるだけで、説明のために置いているのだろう……頭を抱えてくれた。
カルテには、私の現在服用している薬が全て記載されていた。
T先生と言うのは、一番長くかかっている内科のかかりつけ医である。
あと、心療内科のA先生、外科のM先生、S先生は脳神経外科と頭痛外来。
そして、今日来たのは皮膚科。
コピーして渡した方が良かっただろうか……と考えていると、ガバッと振り返り、
「あぁ、頭皮、うわぁ、かさぶた。これは、ヘルペスの症状が出た時に、ばい菌が入って悪化したんだね~。それにしても、痛いでしょ?」
「はい、と言うか、痛がゆいです」
「いやいや、その発疹の後の傷は解るけど、頭痛酷くない?」
なぜ分かった?
言っていないのに、頭痛外来で処方された薬では効かなくて、T先生に頼み込んだロブを今日は飲んでも効かなくて、鼻の奥から脳に細い針が刺さる感じだったのだ。
「と言うか、まだヘルペス良くなってないから、しばらく、痛くないと思っても朝と晩、頭痛薬飲みなさいね」
「でも、頭痛外来で……」
「ヘルペスの痛みって本当に痛いんだよね。熱昨日も出た?」
「はい、微熱ですけど、37度半ばは……」
「微熱でもあちこち痛みが広がるから飲んでおきなさい。それとね~。うちで出せるのって、前回と同じものだけなんだよね~」
あれ?前回より喋り方軽い?
前回は素っ気ない感じだったのに、いや、初めてだったからこっちが緊張してたのか?
先生は薬の山から前回と同じ薬を出し、
「えっとー、こっちの小さい丸い錠剤は前回同様絶対、毎食後飲むこと!そして、この大きい楕円形の錠剤は3回から2回に減らすから、前回と同じく二錠ずつ朝晩飲んで。で、皮膚なんだけどね~薬を塗りたいんだけど、まだばい菌が悪さしそうだから、薬で塞ぐと悪化するから、次に来るまで痒くてもかさぶたをはがしたり、かいたり、触るの禁止」
「かゆいんですよね……叩いちゃダメですか?」
「吹き出物のようになってるのが潰れて膿が出るからダメ。いいね?今度はうーん、台風が来そうだからねぇ……火曜日でいいかな?来てね」
「は、はい……」
診察室を出ながら、案外いいかも、と思ったり。
いいと言うのは、かかりつけ医の先生は説明もうまいだけじゃなく聞き上手で何でも話せるけれど、この先生は少しマイペースで説明が簡単で分かりやすい。
薬を貰うと、病院を出る。
すると電話がかかり、母が病院近くに来ているから会おうと言うことになった。
春に引っ越した実家は、車に乗る人間には良いが、免許のない人間には不便である。
街を見下ろす山の上で、自転車でも歩きでも厳しい坂が続く。
下りも急なので電気自転車でも本当に危険で、登りは途中で降りて登る方が早かったりする。
交通手段はバスで、それも二回も乗り継いで来たと言うことは、又か……。
ため息をついた。
待ち合わせをしたリサイクルショップで、私は短期旅行用のキャリーバッグが気に入って買いたいなぁ……と見ていると、母が、
「又買うの?余計な物を買わないのよ」
と言い、私はムッと、
「時々~〇〇買ってきて!とか言うじゃん!しかも重たいペットボトル一ケースとか、場所を取るトイレットペーパーにティッシュペーパー!取りに来るなら良いけど、持って来いって何?」
はっきり言って、重いものやティッシュなどを毎回両手にしてバスに乗るのは地獄である。
場所を取るし、周囲に迷惑になる。
前に使っていたカートはもうガタガタで新しく買うと4000円代、このキャリーバッグは綺麗で1620円だった。
自分がどこかに消える時もいいなと思ったのもある。
すると、
「半分出すわ」
と言い出した。
まぁいいかと思いレジで支払ったら、受け取った母が、ファスナーを開け私と会う前に別の店で買ったものを詰め始めた。
はぁぁ?
何で?
自分用って言ったじゃん。
でも、店の中、何も言えず我慢する。
そして、実家に置いていたコートや服は処分されたので、選びに選んだ500円のパーカーとデニムパンツ。
ぐるぐる回っていると、シックなメイドさん風のスモックがあった。
自分は太ってしまったのもあるがそれ以前にある部位がサイズアップし、伸びる布か、サイズが大きくないと合わない。
確認すると伸びる布だ。
こう言う服は、昔着たくて堪らなかった。
選んだ服を諦め、こちらを買おうか……悩む。
「お金あるの?使いすぎないようにね」
そう言った母はキャリーバッグを持ち、自分は冬のコートを何故か二枚持っていた。
「何で二枚?」
「こっちがお母さんので、こっちはひなちゃんの」
「ひな、それ着んわ。毎回着んのに買うのやめや」
忠告する。
しかもSサイズというのがあり得ない。
「じゃぁ、この服は?」
と二枚出す。
「だから、着んわ。何でサイズも合わんのに……こっちには使いすぎるなとかいうて、ひなには買うんやな」
「ひなちゃんはお姉ちゃんと違ってお金がないから」
「だから着んって。自分のだけお買いや」
「お姉ちゃんはお金があるんだから、妹が可哀想でしょ」
「こんな生活になるって解ってしてんだから、可哀想も何もないな」
プイッとそっぽを向き、気になる服を諦めパーカーなどを購入する。
ブーブーと文句を言う母を無視し、バス停留所に向かうと、後ろからついて来る。
ベンチに座ると、横に座った。
「何が気に入らんの?」
「また、うちに命令せんといて!」
「何、急に怒り出すんよ」
「どうせ、あれもするな、これもするなって言うんやろ」
「それはそうやろ?病気やろ?休みなさい言われとるんやろ?あれもこれもせないかんとかやめて、ゆっくりせんかね」
母の方を見たくなかった。
だから、真正面を見て、
「うるさい!昔は命令ばかり!姉ちゃん、はりちゃん、これやって、これお願い!他に、ひなもにいちゃん達もおるのに、わざわざ実家の店が忙しい時に呼ぶんは、うちばっかり!大事にしてるものも全部取っていく!今だって何か買ってこいだの命令ばかり!私の病気が悪化するんは、家族のせいや!泊まりに来い、泊まりに来いって言っといて、毎回父さんと母さん喧嘩して、ひなときーは自分勝手!何でうちが心配せないかん?何でうちだけ我慢せないかん?いい加減に子離れしやがれ!」
「病気なんやろ?休みなさいって言われとるんやろ?」
「家族と離れたら元気になるわ!ほんじゃな。早よ帰れ!」
立ち上がり、駅から離れていく。
少し歩けば別の路線がある。
後ろを振り向くと、ついて来るそぶりだったので無視をした。
ちょうど、乗るはずだったバスが横を通る。
自分は駅から離れ、もう1つの病院の近くの停留所まで歩いていく。
そしていつもの停留所で降り、歩いて家に帰った。
夜電話がかかった。
母からでうんざりだったが、取ればひなの声だった。
「姉ちゃん~」
「何?」
「えーと……」
私の反応に言葉をなくす。
そしてこちらはひなの言いたいこととか、考えている甘ったれた内容が読めてうんざりする。
「……母さんがひなにサイズやひなの趣味じゃない……ついでにひなは母さんの趣味の服は買ってきても身につけないのを知ってながら、ありがとうって言ってそのまま放置して、最後にはうちに流れてるの知ってるよな?今回もまたそれしようとしたけん、買うな!サイズが合わん!って必死に止めたの母さんから聞いとるよな?」
「う、うん……」
「そこで小声になって、姉ちゃんに怒られてますって見せるんやめや!いい加減に良い年したおばはんが、散歩って言って大きなリュックサック背負って出かけて、途中のコンビニでアイス買ってベンチで大口開けて食っとるのも、チョコの大袋をいくつもこうて、自分の部屋で食べまくって翌日何もなかったように散歩に行って、誰から金もらいよんや。病院の先生が止めるのも聞かず、仕事するんやって生活保護やめて、何ヶ月や!だらだら家でトドみたいに昼間っから食っちゃ寝食っちゃ寝するな!そう言うんが嫌やけん、うちはテディベア作ったり、パッチワークしたり趣味を満喫しとんのや!」
ここで息を吸う。
「うちのテディベアや本や、パッチワーク、小説書くこと……趣味を全部奪うなら、するなって命令するなら、即失踪する。それか、命絶つわ」
「ね、姉ちゃん!姉ちゃんは病気で……だから静養してって」
「何が静養や!人形、おもちゃ、進学に、就職しても金金金!なんもかも奪ってきたんはそっちや!これ以上うちから何か奪ったら……人殺すんも面倒や!自分が死ぬわ!」
「や、やめて!姉ちゃん!」
「何がやめてや!追い詰めたんはそっちや!もう2度とかけてくんな!そっちに置いとる昼寝用のテディベア捨てたり、寝れん時に読みよった本、一冊でもなかったらもう容赦せんで……えぇな?」
念を押す。
「分かったら返事せぇ……ひな?」
「わ、分かった!」
「それじゃ、早いうちに迎えにいくわ。じゃぁな。父さんと母さん、キーにも言っとくんで?自分の言葉でな?いつもあんたのスポークスマンしよるの大変やったんや。今のことちゃんと説明するんやで?分かったか?じゃぁな」
電話を切ろうとしたら向こうから息を吸うのが聞こえたが、ボタンを押した。
今更、こちらに何が言いたいのだろう……。
もう面倒くさいのだが……。
電話をしまい込んだ。
最近スマホは大丈夫だが充電器の調子が悪い。
明日買いに行こうと思うが、二ヶ所予約治療がある。
まだ69%あるし、何とかなるかとため息をついた。
自分の口の悪さと言うか、我慢していたものを吐き出すのですら、こんなにストレスが溜まり、頭に響くのだと改めて体温計を探し熱を測った。
38度。
刹那玻璃がキレると熱が出る。
すると、名前を呼ばれ、椅子に座った目の前で、
「うーん、うーん。T先生って本当に絶妙な薬を選んでるよね。ここまで細かく薬処方されると、追加の薬って出せないんだよ……」
と、2回目の診察でF先生が机に大量の薬をばら撒き……いや、そう見えるだけで、説明のために置いているのだろう……頭を抱えてくれた。
カルテには、私の現在服用している薬が全て記載されていた。
T先生と言うのは、一番長くかかっている内科のかかりつけ医である。
あと、心療内科のA先生、外科のM先生、S先生は脳神経外科と頭痛外来。
そして、今日来たのは皮膚科。
コピーして渡した方が良かっただろうか……と考えていると、ガバッと振り返り、
「あぁ、頭皮、うわぁ、かさぶた。これは、ヘルペスの症状が出た時に、ばい菌が入って悪化したんだね~。それにしても、痛いでしょ?」
「はい、と言うか、痛がゆいです」
「いやいや、その発疹の後の傷は解るけど、頭痛酷くない?」
なぜ分かった?
言っていないのに、頭痛外来で処方された薬では効かなくて、T先生に頼み込んだロブを今日は飲んでも効かなくて、鼻の奥から脳に細い針が刺さる感じだったのだ。
「と言うか、まだヘルペス良くなってないから、しばらく、痛くないと思っても朝と晩、頭痛薬飲みなさいね」
「でも、頭痛外来で……」
「ヘルペスの痛みって本当に痛いんだよね。熱昨日も出た?」
「はい、微熱ですけど、37度半ばは……」
「微熱でもあちこち痛みが広がるから飲んでおきなさい。それとね~。うちで出せるのって、前回と同じものだけなんだよね~」
あれ?前回より喋り方軽い?
前回は素っ気ない感じだったのに、いや、初めてだったからこっちが緊張してたのか?
先生は薬の山から前回と同じ薬を出し、
「えっとー、こっちの小さい丸い錠剤は前回同様絶対、毎食後飲むこと!そして、この大きい楕円形の錠剤は3回から2回に減らすから、前回と同じく二錠ずつ朝晩飲んで。で、皮膚なんだけどね~薬を塗りたいんだけど、まだばい菌が悪さしそうだから、薬で塞ぐと悪化するから、次に来るまで痒くてもかさぶたをはがしたり、かいたり、触るの禁止」
「かゆいんですよね……叩いちゃダメですか?」
「吹き出物のようになってるのが潰れて膿が出るからダメ。いいね?今度はうーん、台風が来そうだからねぇ……火曜日でいいかな?来てね」
「は、はい……」
診察室を出ながら、案外いいかも、と思ったり。
いいと言うのは、かかりつけ医の先生は説明もうまいだけじゃなく聞き上手で何でも話せるけれど、この先生は少しマイペースで説明が簡単で分かりやすい。
薬を貰うと、病院を出る。
すると電話がかかり、母が病院近くに来ているから会おうと言うことになった。
春に引っ越した実家は、車に乗る人間には良いが、免許のない人間には不便である。
街を見下ろす山の上で、自転車でも歩きでも厳しい坂が続く。
下りも急なので電気自転車でも本当に危険で、登りは途中で降りて登る方が早かったりする。
交通手段はバスで、それも二回も乗り継いで来たと言うことは、又か……。
ため息をついた。
待ち合わせをしたリサイクルショップで、私は短期旅行用のキャリーバッグが気に入って買いたいなぁ……と見ていると、母が、
「又買うの?余計な物を買わないのよ」
と言い、私はムッと、
「時々~〇〇買ってきて!とか言うじゃん!しかも重たいペットボトル一ケースとか、場所を取るトイレットペーパーにティッシュペーパー!取りに来るなら良いけど、持って来いって何?」
はっきり言って、重いものやティッシュなどを毎回両手にしてバスに乗るのは地獄である。
場所を取るし、周囲に迷惑になる。
前に使っていたカートはもうガタガタで新しく買うと4000円代、このキャリーバッグは綺麗で1620円だった。
自分がどこかに消える時もいいなと思ったのもある。
すると、
「半分出すわ」
と言い出した。
まぁいいかと思いレジで支払ったら、受け取った母が、ファスナーを開け私と会う前に別の店で買ったものを詰め始めた。
はぁぁ?
何で?
自分用って言ったじゃん。
でも、店の中、何も言えず我慢する。
そして、実家に置いていたコートや服は処分されたので、選びに選んだ500円のパーカーとデニムパンツ。
ぐるぐる回っていると、シックなメイドさん風のスモックがあった。
自分は太ってしまったのもあるがそれ以前にある部位がサイズアップし、伸びる布か、サイズが大きくないと合わない。
確認すると伸びる布だ。
こう言う服は、昔着たくて堪らなかった。
選んだ服を諦め、こちらを買おうか……悩む。
「お金あるの?使いすぎないようにね」
そう言った母はキャリーバッグを持ち、自分は冬のコートを何故か二枚持っていた。
「何で二枚?」
「こっちがお母さんので、こっちはひなちゃんの」
「ひな、それ着んわ。毎回着んのに買うのやめや」
忠告する。
しかもSサイズというのがあり得ない。
「じゃぁ、この服は?」
と二枚出す。
「だから、着んわ。何でサイズも合わんのに……こっちには使いすぎるなとかいうて、ひなには買うんやな」
「ひなちゃんはお姉ちゃんと違ってお金がないから」
「だから着んって。自分のだけお買いや」
「お姉ちゃんはお金があるんだから、妹が可哀想でしょ」
「こんな生活になるって解ってしてんだから、可哀想も何もないな」
プイッとそっぽを向き、気になる服を諦めパーカーなどを購入する。
ブーブーと文句を言う母を無視し、バス停留所に向かうと、後ろからついて来る。
ベンチに座ると、横に座った。
「何が気に入らんの?」
「また、うちに命令せんといて!」
「何、急に怒り出すんよ」
「どうせ、あれもするな、これもするなって言うんやろ」
「それはそうやろ?病気やろ?休みなさい言われとるんやろ?あれもこれもせないかんとかやめて、ゆっくりせんかね」
母の方を見たくなかった。
だから、真正面を見て、
「うるさい!昔は命令ばかり!姉ちゃん、はりちゃん、これやって、これお願い!他に、ひなもにいちゃん達もおるのに、わざわざ実家の店が忙しい時に呼ぶんは、うちばっかり!大事にしてるものも全部取っていく!今だって何か買ってこいだの命令ばかり!私の病気が悪化するんは、家族のせいや!泊まりに来い、泊まりに来いって言っといて、毎回父さんと母さん喧嘩して、ひなときーは自分勝手!何でうちが心配せないかん?何でうちだけ我慢せないかん?いい加減に子離れしやがれ!」
「病気なんやろ?休みなさいって言われとるんやろ?」
「家族と離れたら元気になるわ!ほんじゃな。早よ帰れ!」
立ち上がり、駅から離れていく。
少し歩けば別の路線がある。
後ろを振り向くと、ついて来るそぶりだったので無視をした。
ちょうど、乗るはずだったバスが横を通る。
自分は駅から離れ、もう1つの病院の近くの停留所まで歩いていく。
そしていつもの停留所で降り、歩いて家に帰った。
夜電話がかかった。
母からでうんざりだったが、取ればひなの声だった。
「姉ちゃん~」
「何?」
「えーと……」
私の反応に言葉をなくす。
そしてこちらはひなの言いたいこととか、考えている甘ったれた内容が読めてうんざりする。
「……母さんがひなにサイズやひなの趣味じゃない……ついでにひなは母さんの趣味の服は買ってきても身につけないのを知ってながら、ありがとうって言ってそのまま放置して、最後にはうちに流れてるの知ってるよな?今回もまたそれしようとしたけん、買うな!サイズが合わん!って必死に止めたの母さんから聞いとるよな?」
「う、うん……」
「そこで小声になって、姉ちゃんに怒られてますって見せるんやめや!いい加減に良い年したおばはんが、散歩って言って大きなリュックサック背負って出かけて、途中のコンビニでアイス買ってベンチで大口開けて食っとるのも、チョコの大袋をいくつもこうて、自分の部屋で食べまくって翌日何もなかったように散歩に行って、誰から金もらいよんや。病院の先生が止めるのも聞かず、仕事するんやって生活保護やめて、何ヶ月や!だらだら家でトドみたいに昼間っから食っちゃ寝食っちゃ寝するな!そう言うんが嫌やけん、うちはテディベア作ったり、パッチワークしたり趣味を満喫しとんのや!」
ここで息を吸う。
「うちのテディベアや本や、パッチワーク、小説書くこと……趣味を全部奪うなら、するなって命令するなら、即失踪する。それか、命絶つわ」
「ね、姉ちゃん!姉ちゃんは病気で……だから静養してって」
「何が静養や!人形、おもちゃ、進学に、就職しても金金金!なんもかも奪ってきたんはそっちや!これ以上うちから何か奪ったら……人殺すんも面倒や!自分が死ぬわ!」
「や、やめて!姉ちゃん!」
「何がやめてや!追い詰めたんはそっちや!もう2度とかけてくんな!そっちに置いとる昼寝用のテディベア捨てたり、寝れん時に読みよった本、一冊でもなかったらもう容赦せんで……えぇな?」
念を押す。
「分かったら返事せぇ……ひな?」
「わ、分かった!」
「それじゃ、早いうちに迎えにいくわ。じゃぁな。父さんと母さん、キーにも言っとくんで?自分の言葉でな?いつもあんたのスポークスマンしよるの大変やったんや。今のことちゃんと説明するんやで?分かったか?じゃぁな」
電話を切ろうとしたら向こうから息を吸うのが聞こえたが、ボタンを押した。
今更、こちらに何が言いたいのだろう……。
もう面倒くさいのだが……。
電話をしまい込んだ。
最近スマホは大丈夫だが充電器の調子が悪い。
明日買いに行こうと思うが、二ヶ所予約治療がある。
まだ69%あるし、何とかなるかとため息をついた。
自分の口の悪さと言うか、我慢していたものを吐き出すのですら、こんなにストレスが溜まり、頭に響くのだと改めて体温計を探し熱を測った。
38度。
刹那玻璃がキレると熱が出る。
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