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第1章〜起
予兆〜刹那玻璃の場合
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私は物心ついた頃から周囲に敏感でした。
悪意や特に怒鳴り声に敏感で、いつも泣きじゃくっていました。
「普通は男の方が育てにくい言うのに、ビービーよう泣くわ」
「うるさいなぁ」
と言われて育ちました。
年子の妹やその二つ下の弟が出産の時には、父方の祖母が、
「一歳やのに『まんま』しか言わん。離乳食をあげたら、食べて食べて、又『まんま~!』そんなに食べさせてもろてないんか」
と呆れる程。
そして妹は妹で、言葉をほとんど喋らず、
「お前のせいや!」
と罵られました。
親族は兄と弟をちやほやし、女だからと私と妹を放置した癖に、何かあると私を呼び、家の手伝いや、弟妹のお守りをさせる。
うんざりでした。
それに、幼稚園に通うようになると、幼稚園から帰るのが嫌で、帰る時間には体調を崩すようになりました。
熱は出ないものの咳をしたり、頭が痛くなったりして教室の端でじっとしていることが多いのです。
家に帰ると元気になります。
本当に元気になった訳じゃなく、頭痛は酷いし喉に鼻がつまる感じです。
でも、我慢していました。
親族に、仮病と毎回罵られるからです。
でも、幼稚園の先生が連絡帳に詳しく記載してあり、翌日小児科に通うと、元気な……もしくは大好きな幼稚園を休まされ、車酔いをして真っ青な顔の私が簡易ベッドに休まされ、
「……自家中毒やなぁ」
と言われました。
最初は注射が必ず付いていましたが、毎回嫌がり大泣きして熱が上がる私に、
「注射はせんけん、飲み薬はちゃんとおのみや。ちゃんと寝ないかんで?」
とおじいちゃん先生が頭を撫でてくれました。
自家中毒は今でも原因がはっきりとわからない病気ですが、精神的に疲れた幼い子供がなりやすいと言われています。
でも、自家中毒はある程度数回で、成長していくと減っていくのが普通と言われていますが、私は、高校生になっても主治医に自家中毒の診断を受けていました。
年に3回以上は病院に行き、自家中毒の診断を受け、母子手帳には自家中毒の文字がびっしりと書き込まれ……自分でも、何故この病気になるのか分かりませんでした。
高校生になっても通っていました。
時々、何回か付き添う母を外に出して、先生が、
「しゃこちゃん(当然仮名)。何か辛いこと……お父さんやお母さんに言えないことないかの?」
「……?」
首を傾げました。
本当に分かりませんでした。
家族と言うのは命令するもの、罵られるもの、手伝いをしないといけない、兄弟の面倒を見ること……。
先生はため息をつき、
「しゃこちゃんよ。先生はもう年や。もう、この病院を閉めようと思っとる。でも、他の子は大きゅうなって元気で時々『じいちゃん先生!』言うて、外を歩いて行きよる。やけど、しゃこちゃんは家が遠いんもあるけど、毎回青い顔して今日はここが痛い、そこが痛い言うて……それは、しゃこちゃんが心に何か負担を抱えとるんやないか、心配なんや。お母さんはおらんけん、辛いもんをじいちゃんに話せんかな?」
「辛いこと……英語の点数が悪い……」
「ウンウン」
「先生は好きやけど、男の子って嫌い……」
「何かあったんか?」
俯き、小学校の時と中学校の話もする。
眉を寄せて書き込む先生。
「そがいなことがあったんか……辛かったの……」
「……それに、勉強したいのに、受験させて貰えんのです。兄ちゃんは就職やけん。妹が大学行ってどうするんでって……」
「……男も女も変わりないのにの……それに、勉強したい、えぇやないか……」
ベソベソとする私の頭を撫で、
「今度行くんは、家の近くのあの病院やったなぁ。先生もよう知っとる。しゃこちゃんのことはちゃんと伝えておくけんの。やけん、辛い時には向こうの先生に言うんやで?」
「はい……」
薬を貰い、病院から帰ったのでした。
悪意や特に怒鳴り声に敏感で、いつも泣きじゃくっていました。
「普通は男の方が育てにくい言うのに、ビービーよう泣くわ」
「うるさいなぁ」
と言われて育ちました。
年子の妹やその二つ下の弟が出産の時には、父方の祖母が、
「一歳やのに『まんま』しか言わん。離乳食をあげたら、食べて食べて、又『まんま~!』そんなに食べさせてもろてないんか」
と呆れる程。
そして妹は妹で、言葉をほとんど喋らず、
「お前のせいや!」
と罵られました。
親族は兄と弟をちやほやし、女だからと私と妹を放置した癖に、何かあると私を呼び、家の手伝いや、弟妹のお守りをさせる。
うんざりでした。
それに、幼稚園に通うようになると、幼稚園から帰るのが嫌で、帰る時間には体調を崩すようになりました。
熱は出ないものの咳をしたり、頭が痛くなったりして教室の端でじっとしていることが多いのです。
家に帰ると元気になります。
本当に元気になった訳じゃなく、頭痛は酷いし喉に鼻がつまる感じです。
でも、我慢していました。
親族に、仮病と毎回罵られるからです。
でも、幼稚園の先生が連絡帳に詳しく記載してあり、翌日小児科に通うと、元気な……もしくは大好きな幼稚園を休まされ、車酔いをして真っ青な顔の私が簡易ベッドに休まされ、
「……自家中毒やなぁ」
と言われました。
最初は注射が必ず付いていましたが、毎回嫌がり大泣きして熱が上がる私に、
「注射はせんけん、飲み薬はちゃんとおのみや。ちゃんと寝ないかんで?」
とおじいちゃん先生が頭を撫でてくれました。
自家中毒は今でも原因がはっきりとわからない病気ですが、精神的に疲れた幼い子供がなりやすいと言われています。
でも、自家中毒はある程度数回で、成長していくと減っていくのが普通と言われていますが、私は、高校生になっても主治医に自家中毒の診断を受けていました。
年に3回以上は病院に行き、自家中毒の診断を受け、母子手帳には自家中毒の文字がびっしりと書き込まれ……自分でも、何故この病気になるのか分かりませんでした。
高校生になっても通っていました。
時々、何回か付き添う母を外に出して、先生が、
「しゃこちゃん(当然仮名)。何か辛いこと……お父さんやお母さんに言えないことないかの?」
「……?」
首を傾げました。
本当に分かりませんでした。
家族と言うのは命令するもの、罵られるもの、手伝いをしないといけない、兄弟の面倒を見ること……。
先生はため息をつき、
「しゃこちゃんよ。先生はもう年や。もう、この病院を閉めようと思っとる。でも、他の子は大きゅうなって元気で時々『じいちゃん先生!』言うて、外を歩いて行きよる。やけど、しゃこちゃんは家が遠いんもあるけど、毎回青い顔して今日はここが痛い、そこが痛い言うて……それは、しゃこちゃんが心に何か負担を抱えとるんやないか、心配なんや。お母さんはおらんけん、辛いもんをじいちゃんに話せんかな?」
「辛いこと……英語の点数が悪い……」
「ウンウン」
「先生は好きやけど、男の子って嫌い……」
「何かあったんか?」
俯き、小学校の時と中学校の話もする。
眉を寄せて書き込む先生。
「そがいなことがあったんか……辛かったの……」
「……それに、勉強したいのに、受験させて貰えんのです。兄ちゃんは就職やけん。妹が大学行ってどうするんでって……」
「……男も女も変わりないのにの……それに、勉強したい、えぇやないか……」
ベソベソとする私の頭を撫で、
「今度行くんは、家の近くのあの病院やったなぁ。先生もよう知っとる。しゃこちゃんのことはちゃんと伝えておくけんの。やけん、辛い時には向こうの先生に言うんやで?」
「はい……」
薬を貰い、病院から帰ったのでした。
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