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デレデレ新婚夫婦のあまあまな日々……これでいいんだ!多分。
均ちゃんは、これでも沢山考えていたのです。
しおりを挟む 翌日、再度現れた劉景升の使者を今度は、黄承彦側が受け入れた。
謝罪と後日改めて慰謝料と妻子が屋敷を訪れては取って行った金品を、無いものはそれに相当するものと共に返済する事と、蔡家の借金は即座に返済させることを約束させた。
それに納得した黄承彦は、劉景升の元に赴き、襄陽襄陽の混乱の謝罪を形ばかり行い、騒動の大本は終息した。
しかし、城内が完全に落ち着くまでには1カ月余りかかり、劉景升の側に負担がかかったのは言うまでもなく、懐も軽くなり踏んだり蹴ったりの状態だった。
その一方、黄承彦側は……特に、月英は怪我が治ると実家を飛び出し、孔明達と臥竜崗の家に戻り、通常通りの生活に戻った。
劉玄徳と共に来た虎髭……こと、張益徳がいざこざの中、噛まれたまま置物を持ち去り、それを自慢気に見せびらかしていると聞き、もっと凄いものを作り上げようとやる気になった為である。
「やっぱり、腕を噛み離さないだけじゃなく、ついでに腕で殴り飛ばすか?」
「そうねぇ、師匠。それか、突進して押し潰す。それとも、別の子が連続して攻撃、何てどうかしら……」
わくわくと均が口を挟む。
その会話に、孔明は、
「物騒なものを、商家の門前に増やしては商売にならないでしょう?」
「何を言ってる!」
くるっと振り向いた月英は答える。
「向こうだけでなく、ここにも作るに決まってるだろう! ここはオレ達の家で、宝の山だぞ!」
「そうよ! 兄様。ここは私達の家なんだから、守らなきゃ! それに、最近変なのが徘徊してるんだから!」
均は両手を握り締める。
「最近、玉音が馬で来るのよ。そうしたら、急に飛び出してきたオジサンに『臥龍はどこにいる』って言われたんだって、で、蹴り飛ばしておいたんだって」
「……均、途中がない。オジサンという人を、玉音どのがどうして蹴り飛ばしたのか……馬にさせたのか?」
孔明は顔をひきつらせる。
「ううん。玉音が『馬は臆病な生き物なんだぞ! 急に飛び出してくるな! 馬鹿者!』って馬の上から足蹴り。結構いい蹴りだったんだって、玉音満足げだったのよね」
「いい蹴り……」
「うん。そうなのよ。でも、最近急増してるのよねぇ……。光華が他人の気配に興奮して暴れたりするし、知らない馬の蹄の跡があったり……兄様。琉璃のこと注意してね? 琉璃は余りこの辺りのこと知らないし、迷子も困るでしょ? 兄様に聞いて少し観察したけれど、琉璃は世間ずれしすぎてるのよ。普通の、当たり前のことが解らない。それに素直だし、この間、私がからかって言った冗談も真に受けて、くしゅーんってしょげちゃったのよ。だから、もう少し普通に近づけてあげたいけど、外に出して危険に陥るのは嫌だもの。やっぱり琉璃みたいに可愛い女の子は、大事に守ってあげたいのよね。私」
可愛らしく首をかしげ、均は呟く。
「姉上達も玉音殿も女の子じゃないのか?」
引っ掛かる弟の物言いに、孔明は突っ込むが、逆に言い返される。
「何言ってるのよ! あんな凶暴な姉上達を、女の子って呼べる訳ないでしょう! 兄様、今すぐ琉璃に御免なさいって謝って! 姉上達は女の子じゃないわ、猛獣よ! 子瑜兄上の意見に同意するのも悔しいけど、猪だわ。で、玉音はまだ凛々しいから虎とか、北方にいるって言う狼? 馬ではないわね。まぁ、良いけれど!」
「……均。お前も、何気に姉上達や玉音殿に酷いことを言ってるな……」
「良いのよ。兄弟だし、一応恋人だから」
言い放つ弟に、言い聞かせるように、
「こら! 琉璃も兄弟……」
「琉璃は別! 可愛い義姉様は別格! 特に琉璃みたいにもう、世間にすれてない、ある意味純粋培養の女の子なんて、そこらに転がってるわけないんだから! 拾ったのですら奇跡なのよ! 兄様は幸運なんだから! あぁ、羨ましい……私だって、あんな可愛い子になりたかったわ!」
どこかずれた均の言葉に、孔明が脱力する横で、月英も呆れ返る。
「普通……そこまで言い切ったら、孔明に琉璃をくれって言うんじゃないのか?」
「何で? 兄様のお嫁さんでしょ? 一生の付き合いになるのに、そんな面倒な関係持ち込みたくないわ。それに、兄様の傍でしか笑えない子を、兄様から引き離してどうするの? 私が守る? そんなことは言えません」
均は珍しく真顔になる。
「それにさぁ? 兄様見て思ったんだよね~、ぼく。ぼくは、兄様に敵わない。知恵も力も、身長も、当然年も。兄様は季常や、子瑜兄上みたいに天才じゃないけれど、努力家で秀才。ぼくは、子瑜兄上や兄様には近づけない。昔はそれを認めるのも嫌だったし、悔しくて、逆に兄様に寄っ掛かっちゃえとか思ってた。ズルいでしょ? この格好もしゃべり方も、甘えるのに楽だったからだよ? 知らなかったでしょ?」
「えっと、知らなかった……」
「だって、兄様眉間にシワに、ほとんど眠らないし、起きてる間はいつも何かしら動いてるか考えてるかでしょ? 兄弟見てるようで、兄様見えてなかったんだよ。必死すぎて、最も厳しいけれど、ぼく達に危害が及ばない方法を考えすぎて、逆にこっちを見てなかったんだよ。とっくの昔にぼく達が独り立ち出来るのにね?」
苦笑する弟に頭を下げる。
「す、済まない」
「謝って欲しいんじゃなくて、兄様は~琉璃を大事にするの。姉上達やぼくのことは、大丈夫。まぁ、玉音と結婚しても、ここは居心地いいから、ここに住むつもりだけどね。それに、もう少ししたら女装も、終わりにしようと思ってるし……」
「えっ!? 女装やめるのか?習家で反対されているのか、結婚?」
「そんな訳ないでしょ。ぼくにそんな手抜きはない! 兄様の弟だよ。それより問題は、最近身長が伸びてきてるのと、声変わりしつつあること、その上髭が生えてくるのに女装が出来る訳ないでしょ! あぁ~嫌だ。師匠はそんなに違和感のない声で、髭や体毛薄いけれど、この間の子瑜兄上見てたら、無理……」
絶望的な表情をした顔を、少々女性的とは言い難くなりつつある両手で覆う。
「兄様はまだ良いけれど、ぼくは絶対子瑜兄上と同じ位髭が生えてくる。あれで女装はぼくの美意識に反するんだ! しかも自分がそんな姿になるなんて、絶対見たくない。だから今のうち、ギリギリまで楽しんでおくんだ! だから兄様……しばらくは許してね♪」
えへっと、無邪気さを装った笑顔を向ける。
「……そんなことは、自分で考えてくれ……」
「えぇー! いつもなら、もっと親身になるじゃない、けち!」
「何だか馬鹿らしくなってきた。琉璃がお昼寝から目を覚ます頃だ。行ってくる」
逃げるようにそそくさと立ち去る兄に、均は、
「兄様のけち~!」
と大声で言い、孔明は振り返り、
「けちで悪いか。それで生活できたんだ、感謝しろ!」
と言い返し、一瞬の空白後、兄弟はけらけらと笑いだす。
「じゃぁ、男物の衣を仕立てるか。私の古着は擦りきれて無理だしな」
「まだ要りませーん。まだ女の子続けるもん」
臥竜崗は、今日も賑やかである……。
謝罪と後日改めて慰謝料と妻子が屋敷を訪れては取って行った金品を、無いものはそれに相当するものと共に返済する事と、蔡家の借金は即座に返済させることを約束させた。
それに納得した黄承彦は、劉景升の元に赴き、襄陽襄陽の混乱の謝罪を形ばかり行い、騒動の大本は終息した。
しかし、城内が完全に落ち着くまでには1カ月余りかかり、劉景升の側に負担がかかったのは言うまでもなく、懐も軽くなり踏んだり蹴ったりの状態だった。
その一方、黄承彦側は……特に、月英は怪我が治ると実家を飛び出し、孔明達と臥竜崗の家に戻り、通常通りの生活に戻った。
劉玄徳と共に来た虎髭……こと、張益徳がいざこざの中、噛まれたまま置物を持ち去り、それを自慢気に見せびらかしていると聞き、もっと凄いものを作り上げようとやる気になった為である。
「やっぱり、腕を噛み離さないだけじゃなく、ついでに腕で殴り飛ばすか?」
「そうねぇ、師匠。それか、突進して押し潰す。それとも、別の子が連続して攻撃、何てどうかしら……」
わくわくと均が口を挟む。
その会話に、孔明は、
「物騒なものを、商家の門前に増やしては商売にならないでしょう?」
「何を言ってる!」
くるっと振り向いた月英は答える。
「向こうだけでなく、ここにも作るに決まってるだろう! ここはオレ達の家で、宝の山だぞ!」
「そうよ! 兄様。ここは私達の家なんだから、守らなきゃ! それに、最近変なのが徘徊してるんだから!」
均は両手を握り締める。
「最近、玉音が馬で来るのよ。そうしたら、急に飛び出してきたオジサンに『臥龍はどこにいる』って言われたんだって、で、蹴り飛ばしておいたんだって」
「……均、途中がない。オジサンという人を、玉音どのがどうして蹴り飛ばしたのか……馬にさせたのか?」
孔明は顔をひきつらせる。
「ううん。玉音が『馬は臆病な生き物なんだぞ! 急に飛び出してくるな! 馬鹿者!』って馬の上から足蹴り。結構いい蹴りだったんだって、玉音満足げだったのよね」
「いい蹴り……」
「うん。そうなのよ。でも、最近急増してるのよねぇ……。光華が他人の気配に興奮して暴れたりするし、知らない馬の蹄の跡があったり……兄様。琉璃のこと注意してね? 琉璃は余りこの辺りのこと知らないし、迷子も困るでしょ? 兄様に聞いて少し観察したけれど、琉璃は世間ずれしすぎてるのよ。普通の、当たり前のことが解らない。それに素直だし、この間、私がからかって言った冗談も真に受けて、くしゅーんってしょげちゃったのよ。だから、もう少し普通に近づけてあげたいけど、外に出して危険に陥るのは嫌だもの。やっぱり琉璃みたいに可愛い女の子は、大事に守ってあげたいのよね。私」
可愛らしく首をかしげ、均は呟く。
「姉上達も玉音殿も女の子じゃないのか?」
引っ掛かる弟の物言いに、孔明は突っ込むが、逆に言い返される。
「何言ってるのよ! あんな凶暴な姉上達を、女の子って呼べる訳ないでしょう! 兄様、今すぐ琉璃に御免なさいって謝って! 姉上達は女の子じゃないわ、猛獣よ! 子瑜兄上の意見に同意するのも悔しいけど、猪だわ。で、玉音はまだ凛々しいから虎とか、北方にいるって言う狼? 馬ではないわね。まぁ、良いけれど!」
「……均。お前も、何気に姉上達や玉音殿に酷いことを言ってるな……」
「良いのよ。兄弟だし、一応恋人だから」
言い放つ弟に、言い聞かせるように、
「こら! 琉璃も兄弟……」
「琉璃は別! 可愛い義姉様は別格! 特に琉璃みたいにもう、世間にすれてない、ある意味純粋培養の女の子なんて、そこらに転がってるわけないんだから! 拾ったのですら奇跡なのよ! 兄様は幸運なんだから! あぁ、羨ましい……私だって、あんな可愛い子になりたかったわ!」
どこかずれた均の言葉に、孔明が脱力する横で、月英も呆れ返る。
「普通……そこまで言い切ったら、孔明に琉璃をくれって言うんじゃないのか?」
「何で? 兄様のお嫁さんでしょ? 一生の付き合いになるのに、そんな面倒な関係持ち込みたくないわ。それに、兄様の傍でしか笑えない子を、兄様から引き離してどうするの? 私が守る? そんなことは言えません」
均は珍しく真顔になる。
「それにさぁ? 兄様見て思ったんだよね~、ぼく。ぼくは、兄様に敵わない。知恵も力も、身長も、当然年も。兄様は季常や、子瑜兄上みたいに天才じゃないけれど、努力家で秀才。ぼくは、子瑜兄上や兄様には近づけない。昔はそれを認めるのも嫌だったし、悔しくて、逆に兄様に寄っ掛かっちゃえとか思ってた。ズルいでしょ? この格好もしゃべり方も、甘えるのに楽だったからだよ? 知らなかったでしょ?」
「えっと、知らなかった……」
「だって、兄様眉間にシワに、ほとんど眠らないし、起きてる間はいつも何かしら動いてるか考えてるかでしょ? 兄弟見てるようで、兄様見えてなかったんだよ。必死すぎて、最も厳しいけれど、ぼく達に危害が及ばない方法を考えすぎて、逆にこっちを見てなかったんだよ。とっくの昔にぼく達が独り立ち出来るのにね?」
苦笑する弟に頭を下げる。
「す、済まない」
「謝って欲しいんじゃなくて、兄様は~琉璃を大事にするの。姉上達やぼくのことは、大丈夫。まぁ、玉音と結婚しても、ここは居心地いいから、ここに住むつもりだけどね。それに、もう少ししたら女装も、終わりにしようと思ってるし……」
「えっ!? 女装やめるのか?習家で反対されているのか、結婚?」
「そんな訳ないでしょ。ぼくにそんな手抜きはない! 兄様の弟だよ。それより問題は、最近身長が伸びてきてるのと、声変わりしつつあること、その上髭が生えてくるのに女装が出来る訳ないでしょ! あぁ~嫌だ。師匠はそんなに違和感のない声で、髭や体毛薄いけれど、この間の子瑜兄上見てたら、無理……」
絶望的な表情をした顔を、少々女性的とは言い難くなりつつある両手で覆う。
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えへっと、無邪気さを装った笑顔を向ける。
「……そんなことは、自分で考えてくれ……」
「えぇー! いつもなら、もっと親身になるじゃない、けち!」
「何だか馬鹿らしくなってきた。琉璃がお昼寝から目を覚ます頃だ。行ってくる」
逃げるようにそそくさと立ち去る兄に、均は、
「兄様のけち~!」
と大声で言い、孔明は振り返り、
「けちで悪いか。それで生活できたんだ、感謝しろ!」
と言い返し、一瞬の空白後、兄弟はけらけらと笑いだす。
「じゃぁ、男物の衣を仕立てるか。私の古着は擦りきれて無理だしな」
「まだ要りませーん。まだ女の子続けるもん」
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