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幸せな日々② (葵ver)
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「はぁ…。まじかぁ。」
大きくため息をついた。
美咲と一緒に帰り道を帰っている。
「どうしたんですか?」
「今さ、来月の予定が顧問から送られたんだけど24日練習試合入ってるんだよね。」
「そうなんですねー。24日って何かありましたっけ?」
「……。もういい。」
「ええ?先輩?怒ってます?」
美咲が焦った様子で顔を覗き込む。
「私達付き合ってるよね?恋人だよね?」
「は、はい!そうです!」
「だったら普通一緒に過ごすじゃん…。」
私は恥ずかしくなって美咲の肩に顔を預ける。
こんな風に素直に人に甘えるなんて少し前の私なら絶対に無理だっただろう。
「あ、ああ!!すみません!私ってば付き合ったこととか全然なくてそういうの本当に疎くて…。」
「私だって初めてだし。」
「いや、先輩は初めてと言うには無理があるかと…。」
「ちょっと。なんにも言えなくなっちゃうんだけど。」
「え、いや!良い意味でですよ!」
「なーにそれー。」
「す、すみません。」
「24日空けてくれる?」
「もちろんです!!」
「ありがと。」
その後美咲と普通にお別れをした。
本当は毎日もうちょっと一緒にいたいと思っているけど美咲の家のこともあるし、部活で遅くなってしまう日もあるので必死に我慢している。
「なんか幸せそうだねー。」
次の日に香が話しかけてきた。
香には付き合ってすぐにちゃんと報告をした。
「そ、そう?別に普通じゃない?」
「何かあったの?」
とても嬉しそうな顔をして近づいてくる。
「普通だよ…。普通に一緒に帰ったり話したり。」
「いいね、普通って。」
「うん。」
「クリスマスは一緒に過ごすの?」
「それがさー、聞いてよ、美咲ってば全然そんなこと考えてなくてさー…。」
普通だ。香とも普通に話せるようになった。こうやって話したいことを話せる。
友達として話せている。
こんな風に話せる友達なんて今までいなかった。
香といるのはとても心地いい。
「練習試合かー、やっぱ忙しいね。」
「そーなんだよねー。」
「もうすぐテストもあるし、大変だね。」
「…………。」
冷や汗が止まらない。
「葵?」
「テストいつからだっけ?」
「明後日からテスト週間だよ?」
「やっば、忘れてた…。」
美咲とのことで頭がいっぱいでそんなこと忘れていた。
美咲は大丈夫なのだろうか。
とても心配になった。
「珍しいね。」
「珍しいっていうかこんなこと初めてだよ…。」
「でも、時間あるし…。葵?焦りすぎじゃない?」
「うん、そうだね。うん。時間あるもんね。」
「葵…。頑張って…。」
「うん。ありがとう。」
その日の昼休み美咲をあの場所に呼び出した。
美咲とはじめてキスをしたあの場所に。
「こんにちは!!」
「うん!」
学校であまり堂々会えないので嬉しくなってすぐに抱きついた。
「なんだか、学校で会うと緊張しますね。」
「そうだね。」
そして、とても自然にキスをした。
すぐに2人でベンチに座った。
「そう、あれだ。テスト明後日から気付いてた?」
「へ!?………。」
美咲はそのまま固まった。
多分気付いてなかったやつだ。
「せんぱい~。」
泣きつくように抱きついてきた。
「もう絶対に無理ですう~。」
「が、がんばろ!?私も今度こそちゃんとサポートするよ!!」
「今回ホントに無理だと思います。」
「うん。ね。わかるよ?その気持ち。でも!頑張ろ!!」
「はい…。頑張ります。」
美咲の気持ちもとてもわかる。
私だって勉強できる自信が全くない。
でも、頑張らないと。
また、美咲がお母さんに責められてしまう。
私は美咲の先輩で恋人でお姉ちゃんなのだから。
しっかり支えてあげなければならない。
美咲がそうしてくれたように私も支えたい。
大きくため息をついた。
美咲と一緒に帰り道を帰っている。
「どうしたんですか?」
「今さ、来月の予定が顧問から送られたんだけど24日練習試合入ってるんだよね。」
「そうなんですねー。24日って何かありましたっけ?」
「……。もういい。」
「ええ?先輩?怒ってます?」
美咲が焦った様子で顔を覗き込む。
「私達付き合ってるよね?恋人だよね?」
「は、はい!そうです!」
「だったら普通一緒に過ごすじゃん…。」
私は恥ずかしくなって美咲の肩に顔を預ける。
こんな風に素直に人に甘えるなんて少し前の私なら絶対に無理だっただろう。
「あ、ああ!!すみません!私ってば付き合ったこととか全然なくてそういうの本当に疎くて…。」
「私だって初めてだし。」
「いや、先輩は初めてと言うには無理があるかと…。」
「ちょっと。なんにも言えなくなっちゃうんだけど。」
「え、いや!良い意味でですよ!」
「なーにそれー。」
「す、すみません。」
「24日空けてくれる?」
「もちろんです!!」
「ありがと。」
その後美咲と普通にお別れをした。
本当は毎日もうちょっと一緒にいたいと思っているけど美咲の家のこともあるし、部活で遅くなってしまう日もあるので必死に我慢している。
「なんか幸せそうだねー。」
次の日に香が話しかけてきた。
香には付き合ってすぐにちゃんと報告をした。
「そ、そう?別に普通じゃない?」
「何かあったの?」
とても嬉しそうな顔をして近づいてくる。
「普通だよ…。普通に一緒に帰ったり話したり。」
「いいね、普通って。」
「うん。」
「クリスマスは一緒に過ごすの?」
「それがさー、聞いてよ、美咲ってば全然そんなこと考えてなくてさー…。」
普通だ。香とも普通に話せるようになった。こうやって話したいことを話せる。
友達として話せている。
こんな風に話せる友達なんて今までいなかった。
香といるのはとても心地いい。
「練習試合かー、やっぱ忙しいね。」
「そーなんだよねー。」
「もうすぐテストもあるし、大変だね。」
「…………。」
冷や汗が止まらない。
「葵?」
「テストいつからだっけ?」
「明後日からテスト週間だよ?」
「やっば、忘れてた…。」
美咲とのことで頭がいっぱいでそんなこと忘れていた。
美咲は大丈夫なのだろうか。
とても心配になった。
「珍しいね。」
「珍しいっていうかこんなこと初めてだよ…。」
「でも、時間あるし…。葵?焦りすぎじゃない?」
「うん、そうだね。うん。時間あるもんね。」
「葵…。頑張って…。」
「うん。ありがとう。」
その日の昼休み美咲をあの場所に呼び出した。
美咲とはじめてキスをしたあの場所に。
「こんにちは!!」
「うん!」
学校であまり堂々会えないので嬉しくなってすぐに抱きついた。
「なんだか、学校で会うと緊張しますね。」
「そうだね。」
そして、とても自然にキスをした。
すぐに2人でベンチに座った。
「そう、あれだ。テスト明後日から気付いてた?」
「へ!?………。」
美咲はそのまま固まった。
多分気付いてなかったやつだ。
「せんぱい~。」
泣きつくように抱きついてきた。
「もう絶対に無理ですう~。」
「が、がんばろ!?私も今度こそちゃんとサポートするよ!!」
「今回ホントに無理だと思います。」
「うん。ね。わかるよ?その気持ち。でも!頑張ろ!!」
「はい…。頑張ります。」
美咲の気持ちもとてもわかる。
私だって勉強できる自信が全くない。
でも、頑張らないと。
また、美咲がお母さんに責められてしまう。
私は美咲の先輩で恋人でお姉ちゃんなのだから。
しっかり支えてあげなければならない。
美咲がそうしてくれたように私も支えたい。
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