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雨宮京子②
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葵のことを理解したいと思ったあの日から私は葵のことをよく考えた。
そして何回か会っていくうちに葵の抱えているものは私のものよりもずっと大きいことがわかった。
葵は優しい。優しいのに悪いことをしないといけないぐらいに追い込まれている。
それを自分では理解しているから相手を傷つけていることに自分も傷ついてしまっている。
だから、葵の余裕が無いうちは私の気持ちは絶対に気付かれてはいけない。
私は葵を救いたい。葵が何も考えずに笑えるように。でも、私じゃダメだ。
私は葵に好きだから近づいたわけじゃ無い。
それを葵も知っているから。
もっとちゃんと葵のことを好きな子じゃないと。
どんな葵でも受け入れてくれるぐらい好きな子。それから葵が好きになれるぐらい魅力のある子じゃないと。
葵が幸せになれるのなら私じゃなくていい。私じゃない方が幸せになれるのなら私じゃない方がいい。
だから、私はその誰かが現れるまで葵を支え続けると決めた。
そこで見つけたのが香ちゃんだった。
半分以上はただの勘だった。
けど、香ちゃんならと思って声をかけた。
私の予想通り香ちゃんはとても魅力的で葵も気に入っていて、香ちゃんのことをかわいいとよく言っていた。
葵は人の事をあまり話さないから相当気に入ってるのがわかった。
そして、段々葵が香ちゃんに惹かれていることも。
葵との関係が長く続くと段々と私に心を開いてくれて何でも話すようになった。
その特別な感覚ににいつも欲を出してしまいたくなる。
何かと私を優先しようとしてくれる葵に期待してしまいたくなる。
葵と香ちゃんをうまく応援出来ない私がいた。
葵がいつからかとても苦しそうにしていた。多分、後輩の子と関係を持ってからだとおもう。
でも、葵が少しずつ変わってきているのがわかったからそれに気づかないふりをした。
私がここで助けたとして本当に救えるのはきっと私じゃない誰かだ。
葵の変われるチャンスなのかもしれない。
そう思って夏休みに入って距離をおいた。
夏休みに一度だけ会った。
葵は多分もう大丈夫だ。
葵をそうしてくれたのは私じゃない誰かだった。
香ちゃんでも無かった。
葵の変化がとても嬉しかったけど同時にすごく悲しくなった。
ずっと待っていたはずなのにいざそうなるととても悲しかった。
それでも私は決めたのだから葵を前に押してあげなければならない。
後少し。私に出来ることは後は1つだけ。
葵とこの関係を終わらせなくてはならない。
今はもう10月の中旬頃になる。
「あおい!明後日の放課後時間ある?」
いつもと違う曜日を指定した。
「明後日ですか?空いてますけど部活長い日だからだいぶ待ってもらうことになっちゃいますけど…。」
「うん!大丈夫!待ってる!」
「わかりました!終わったらすぐに連絡しますね!」
葵がにっこりと笑っていた。話しかける前に何か少し悩んでいるような顔をしていたけれど、その笑顔を見てもう大丈夫だと確信した。
「うん!ありがと!」
明後日で全てを終わりにする。
そして何回か会っていくうちに葵の抱えているものは私のものよりもずっと大きいことがわかった。
葵は優しい。優しいのに悪いことをしないといけないぐらいに追い込まれている。
それを自分では理解しているから相手を傷つけていることに自分も傷ついてしまっている。
だから、葵の余裕が無いうちは私の気持ちは絶対に気付かれてはいけない。
私は葵を救いたい。葵が何も考えずに笑えるように。でも、私じゃダメだ。
私は葵に好きだから近づいたわけじゃ無い。
それを葵も知っているから。
もっとちゃんと葵のことを好きな子じゃないと。
どんな葵でも受け入れてくれるぐらい好きな子。それから葵が好きになれるぐらい魅力のある子じゃないと。
葵が幸せになれるのなら私じゃなくていい。私じゃない方が幸せになれるのなら私じゃない方がいい。
だから、私はその誰かが現れるまで葵を支え続けると決めた。
そこで見つけたのが香ちゃんだった。
半分以上はただの勘だった。
けど、香ちゃんならと思って声をかけた。
私の予想通り香ちゃんはとても魅力的で葵も気に入っていて、香ちゃんのことをかわいいとよく言っていた。
葵は人の事をあまり話さないから相当気に入ってるのがわかった。
そして、段々葵が香ちゃんに惹かれていることも。
葵との関係が長く続くと段々と私に心を開いてくれて何でも話すようになった。
その特別な感覚ににいつも欲を出してしまいたくなる。
何かと私を優先しようとしてくれる葵に期待してしまいたくなる。
葵と香ちゃんをうまく応援出来ない私がいた。
葵がいつからかとても苦しそうにしていた。多分、後輩の子と関係を持ってからだとおもう。
でも、葵が少しずつ変わってきているのがわかったからそれに気づかないふりをした。
私がここで助けたとして本当に救えるのはきっと私じゃない誰かだ。
葵の変われるチャンスなのかもしれない。
そう思って夏休みに入って距離をおいた。
夏休みに一度だけ会った。
葵は多分もう大丈夫だ。
葵をそうしてくれたのは私じゃない誰かだった。
香ちゃんでも無かった。
葵の変化がとても嬉しかったけど同時にすごく悲しくなった。
ずっと待っていたはずなのにいざそうなるととても悲しかった。
それでも私は決めたのだから葵を前に押してあげなければならない。
後少し。私に出来ることは後は1つだけ。
葵とこの関係を終わらせなくてはならない。
今はもう10月の中旬頃になる。
「あおい!明後日の放課後時間ある?」
いつもと違う曜日を指定した。
「明後日ですか?空いてますけど部活長い日だからだいぶ待ってもらうことになっちゃいますけど…。」
「うん!大丈夫!待ってる!」
「わかりました!終わったらすぐに連絡しますね!」
葵がにっこりと笑っていた。話しかける前に何か少し悩んでいるような顔をしていたけれど、その笑顔を見てもう大丈夫だと確信した。
「うん!ありがと!」
明後日で全てを終わりにする。
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