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テスト勉強 (美咲ver)
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日曜日は午前練習なので、その終わり先輩の家を訪ねた。
「お、お邪魔します。」
「どうぞ!」
先輩の部屋に上がらせてもらった。
「今日先輩のお母さんいないんですか?」
「あー、多分またどっか出かけてるー。夕方には帰ってくるんじゃないかな?」
「そうなんですね。」
「アクティブなんだよねうちのお母さん。休みの日はすぐどっか行くのよ。弟はもうすぐ帰ってくるけど気にしなくていいよー。」
「え!あ、はい。弟さん…。会ったことないな…。」
「え、会いたいの?ただの目つきの悪い人だから会わない方がいいよ?」
「え!いや!そんなんじゃないです!」
(目つきが悪いか…。そういえばお父さんの目つきも悪いな…。)
そう思った瞬間心臓が痛くなる。
考えたく無いことが頭をよぎり、今自分のしている事の重さに潰されそうになった。
「みさき?どうかした?」
「え?」
「いや、しんどそうな顔してたから。」
「あ…、いや、なんでもありません。」
そうやって精一杯の作り笑いをした。
すると先輩が何も言わないで私の頭に手を置いて優しく撫でてくれた。
この行為がいつも私をダメな方へ走らせる。
「先輩…。」
そう言うと先輩が私を抱き寄せてくれる。
「ん?」
「先輩、この間はすみませんでした。」
「なんのこと?」
先輩はとても優しい声をしていた。
「インターハイの日。部屋に勝手に押しかけて酷いことをしました。」
「あれは私が悪いでしょ。」
「違うんです。私ホントは嬉しかったんです。でも、先輩がとても苦しそうだったから…。」
「そっか。うん。ありがとう。」
「先輩。私本当は続きがしたい…。」
すると先輩の唇が優しく触れた。
すぐに離れて目があった。
少しだけ先輩の顔が赤く見えるのは多分気のせいだ。
でも次の言葉が一気に私をどん底へ突き落とす。
「ごめん、やっぱり私、みさきとはこういう関係になりたく無い…。」
先輩は俯いててどんな顔をしているのか見れなかった。
私は思考がしばらく停止したまま何も出来なかった。
時間が過ぎていった。
「みさき、あのね私…。」
「すみません。今日はもう帰ります。お邪魔しました。」
聞きたく無かった。
続きなんて聞きたく無かったから部屋を飛び出した。
そこから家までダッシュで帰った。
葵先輩の家を出る時に弟くんとすれ違った。
父の目によく似ていた。
私を葵先輩にフラれたこととと葵先輩にそういう感情を持ってはいけなかったという現実が一気に襲う。
部屋に入ってすぐに泣き崩れた。
先輩にフラれたことらすごく残念だけどきっとこれで良かったんだ。
これでもう間違いが起きることはない。
そうやって自分に言い聞かせた。
それから落ち着いたら勉強を始めた。
1位取らなきゃまたやめろと言われるから。
(あれ?私は何のために頑張るのだろう。)
先輩と関わりたくてやってたならもう頑張る必要は無くなった。
なのに私のペンは止まらない。
私はどこまでも諦めが悪いのだな。
こんなことがあったのにまだ先輩との関わりを無くしたくないと思っている。
やはり気持ちを止めるのはもう手遅れだ。
ちゃんとフラれなきゃ。逃げちゃダメだ。
そうじゃなきゃ私のこの気持ちは一生消えないだろう。
もう少し落ち着いたらちゃんと気持ちを伝えてちゃんと終わろう…。
だから、安心してね私、先輩。
そっと心につぶやいた。
「お、お邪魔します。」
「どうぞ!」
先輩の部屋に上がらせてもらった。
「今日先輩のお母さんいないんですか?」
「あー、多分またどっか出かけてるー。夕方には帰ってくるんじゃないかな?」
「そうなんですね。」
「アクティブなんだよねうちのお母さん。休みの日はすぐどっか行くのよ。弟はもうすぐ帰ってくるけど気にしなくていいよー。」
「え!あ、はい。弟さん…。会ったことないな…。」
「え、会いたいの?ただの目つきの悪い人だから会わない方がいいよ?」
「え!いや!そんなんじゃないです!」
(目つきが悪いか…。そういえばお父さんの目つきも悪いな…。)
そう思った瞬間心臓が痛くなる。
考えたく無いことが頭をよぎり、今自分のしている事の重さに潰されそうになった。
「みさき?どうかした?」
「え?」
「いや、しんどそうな顔してたから。」
「あ…、いや、なんでもありません。」
そうやって精一杯の作り笑いをした。
すると先輩が何も言わないで私の頭に手を置いて優しく撫でてくれた。
この行為がいつも私をダメな方へ走らせる。
「先輩…。」
そう言うと先輩が私を抱き寄せてくれる。
「ん?」
「先輩、この間はすみませんでした。」
「なんのこと?」
先輩はとても優しい声をしていた。
「インターハイの日。部屋に勝手に押しかけて酷いことをしました。」
「あれは私が悪いでしょ。」
「違うんです。私ホントは嬉しかったんです。でも、先輩がとても苦しそうだったから…。」
「そっか。うん。ありがとう。」
「先輩。私本当は続きがしたい…。」
すると先輩の唇が優しく触れた。
すぐに離れて目があった。
少しだけ先輩の顔が赤く見えるのは多分気のせいだ。
でも次の言葉が一気に私をどん底へ突き落とす。
「ごめん、やっぱり私、みさきとはこういう関係になりたく無い…。」
先輩は俯いててどんな顔をしているのか見れなかった。
私は思考がしばらく停止したまま何も出来なかった。
時間が過ぎていった。
「みさき、あのね私…。」
「すみません。今日はもう帰ります。お邪魔しました。」
聞きたく無かった。
続きなんて聞きたく無かったから部屋を飛び出した。
そこから家までダッシュで帰った。
葵先輩の家を出る時に弟くんとすれ違った。
父の目によく似ていた。
私を葵先輩にフラれたこととと葵先輩にそういう感情を持ってはいけなかったという現実が一気に襲う。
部屋に入ってすぐに泣き崩れた。
先輩にフラれたことらすごく残念だけどきっとこれで良かったんだ。
これでもう間違いが起きることはない。
そうやって自分に言い聞かせた。
それから落ち着いたら勉強を始めた。
1位取らなきゃまたやめろと言われるから。
(あれ?私は何のために頑張るのだろう。)
先輩と関わりたくてやってたならもう頑張る必要は無くなった。
なのに私のペンは止まらない。
私はどこまでも諦めが悪いのだな。
こんなことがあったのにまだ先輩との関わりを無くしたくないと思っている。
やはり気持ちを止めるのはもう手遅れだ。
ちゃんとフラれなきゃ。逃げちゃダメだ。
そうじゃなきゃ私のこの気持ちは一生消えないだろう。
もう少し落ち着いたらちゃんと気持ちを伝えてちゃんと終わろう…。
だから、安心してね私、先輩。
そっと心につぶやいた。
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