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新学期② (美咲ver)

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母がうるさいので勉強を始めた。
大体始業式から1ヶ月経つ頃で、テストまでは約1カ月だ。
思ったより期間がない。
最近部活が忙しかったので少しサボってたかもしれない。

鬼練習と勉強の両立は思ってたよりも大変で最近は毎朝寝不足気味だ。

「みさきー。もしかして勉強始めてる?」

朝練が終わった後、私の大好きな声が聞こえた。

「あ、あおい先輩!お疲れ様です!」

「うん、お疲れ様!」
朝から太陽にも負けない笑顔で葵先輩が応えてくれる。

「勉強のことですよね!最近始めたところです!」

「そっかー。じゃあ、また日曜日空けてくれる?」

「え!?」

「また一緒に勉強しようよ。」

「え!いや!悪いです!今度こそ申し訳ないです!!」

「何!で!よ!」
葵先輩が少し眉間にシワを寄せて少し顔を近づける。

「いや、葵先輩色々忙しいし、私なんかのために申し訳ないです!!」

「はぁ…。じゃあ、お礼ってことにさせて。こないだの。」

「私何もお礼されるようなことした覚えがないです…。」

「こないだの…やつ…。」

「………?」

「わー!だから!こないだ色々相談乗ってくれたでしょ!」
先輩が珍しく恥ずかしがっているのが明らかにわかった。

「かすみちゃんのことですか?」

「そう、それ。」

「私は何も…。むしろ先輩のことをしばいてしまった嫌な記憶しか…。」

「わ、わかったから!それ以上何にも言わないで!恥ずかしいから!」

「恥ずかしいって何がですか?」

「いや、私めちゃくちゃ弱気になって変なこといっぱい言っちゃったじゃん。だから、実はみさきと喋るのも恥ずかしくて、今日は結構勇気出して誘ったんだけど。」 
  
「恥ずかしい?葵先輩が私にですか?」

「そうだよ!だから日曜日、迷惑じゃないなら一緒にしよ!」

「迷惑なんてあり得ないです!ホントにいいんですか?」

「うん。いいよ!」

「ありがとうございます!!実は全然勉強が捗らなくてピンチだったんですー!」

「あはは。なら良かった!」

そう言いながら頭を撫でてくれた。
すっごく久しぶりだ。
それが嬉しすぎて多分顔にその気持ちがダダ漏れだったと思う。

でも、先輩はいつもよりすぐに手を下ろした。
正直それはすごく残念だったけど、一瞬でも触れてくれたことがとても嬉しかった。

「じゃあ、今回も日曜日でいい?」

「はい!ありがとうございます!」

「はい!じゃあ!また、部活でね!」

そう言って先輩が足早に去っていった。
私もホームルームに間に合うように少し急いで教室へ向かった。




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