30 / 69
清水香澄②
しおりを挟む
あの日、葵先輩との関係が終わった。
悲しくなかったと言ったら嘘になる。
でも、何が1番悲しかったかと言われると葵先輩を私が苦しめていたことが1番悲しい。
だから、これで良かったんだと思う。
それから、髪を切った。
元々長いわけではなかったボブ系のショートカットからさらに切った。いわゆるベリーショートである。
失恋だとか思ってたわけではない。元々恋だったのか憧れだったのかは曖昧だから。
でも、何か気持ちの切り替えをしたかった。
葵先輩を追いかけるのではなく、追い越すためのリセットを。
それが葵先輩のお願いだったから。
髪を切った次の日部活に行ったらみんな驚いていた。
「香澄!やっばいな!めちゃくちゃ似合うじゃん!!」
えっちゃんが興奮している。
えっちゃんはすぐ興奮する。
「うん、やばい。香澄…。新学期始まったら覚悟しときなよ。」
とまどかが意味深なことを言う。
「何を覚悟するのよ…。」
「わかんないか。まあ、始まったらわかるよ。香澄はもっと自覚した方がいいよ。ほんとに。」
何のことだか本当にわからない。
少し早く来ていた美咲を見つけた。
私は美咲に駆け寄った。
「美咲!おはよ!」
「あ、香澄ちゃん!おはよっ!?!?え!香澄ちゃん!髪の毛!」
「あー、そう結構バッサリいったよねー。ちょっと切りすぎたかなー。」
「いやいや!すごく似合ってる!すごく良いよ!」
「美咲に言われるとなんか恥ずかしいな。」
「え、ごめんね!でも本当に似合ってる!」
「あはは。ありがとう。あ、ちなみに失恋でとかじゃないからね!全然心配しないでね!」
「あ、え、そうだよね!」
(多分これは完全にそうだと思ってた顔だな。)
「てかさ、美咲ありがとね。」
「なにが?」
「ん?色々あるけど…。とりあえず先輩のこと殴ったこととか?」
「わ!それは!殴ったんじゃなくて、しばいたの!」
「あっはは!一緒だよ!結構腫れてたね先輩!」
「そうなんだよ…。自分でもびっくりしたよー。」
本当に私は良い友達に恵まれたと思う。
「美咲!応援してるからね!」
「え、いや、私も終わってる様なもんだし…。」
「なんで?振られたの?」
「や!振られてはないし告ってもないけど…。」
「なら、頑張ってみようよ!ね?」
「いいのかな…。頑張っても。」
「良くないわけがない!!」
「ありがとう。香澄ちゃん。」
私は美咲がいい。
葵先輩がもし誰かと付き合うのなら美咲がいいと思った。
「おーい、2人ともー!そろそろ準備しないとー!」
「あ、ごめんね、今行く!行こ!美咲!」
「うん!」
今日から私はなりたい自分になっていく。
もう、葵先輩の後をついて行く私じゃない。
そう思うと少し怖かった。
私が今までどれだけ葵先輩を頼っていたかがわかった。
葵先輩。本当に今までありがとうございました。
悲しくなかったと言ったら嘘になる。
でも、何が1番悲しかったかと言われると葵先輩を私が苦しめていたことが1番悲しい。
だから、これで良かったんだと思う。
それから、髪を切った。
元々長いわけではなかったボブ系のショートカットからさらに切った。いわゆるベリーショートである。
失恋だとか思ってたわけではない。元々恋だったのか憧れだったのかは曖昧だから。
でも、何か気持ちの切り替えをしたかった。
葵先輩を追いかけるのではなく、追い越すためのリセットを。
それが葵先輩のお願いだったから。
髪を切った次の日部活に行ったらみんな驚いていた。
「香澄!やっばいな!めちゃくちゃ似合うじゃん!!」
えっちゃんが興奮している。
えっちゃんはすぐ興奮する。
「うん、やばい。香澄…。新学期始まったら覚悟しときなよ。」
とまどかが意味深なことを言う。
「何を覚悟するのよ…。」
「わかんないか。まあ、始まったらわかるよ。香澄はもっと自覚した方がいいよ。ほんとに。」
何のことだか本当にわからない。
少し早く来ていた美咲を見つけた。
私は美咲に駆け寄った。
「美咲!おはよ!」
「あ、香澄ちゃん!おはよっ!?!?え!香澄ちゃん!髪の毛!」
「あー、そう結構バッサリいったよねー。ちょっと切りすぎたかなー。」
「いやいや!すごく似合ってる!すごく良いよ!」
「美咲に言われるとなんか恥ずかしいな。」
「え、ごめんね!でも本当に似合ってる!」
「あはは。ありがとう。あ、ちなみに失恋でとかじゃないからね!全然心配しないでね!」
「あ、え、そうだよね!」
(多分これは完全にそうだと思ってた顔だな。)
「てかさ、美咲ありがとね。」
「なにが?」
「ん?色々あるけど…。とりあえず先輩のこと殴ったこととか?」
「わ!それは!殴ったんじゃなくて、しばいたの!」
「あっはは!一緒だよ!結構腫れてたね先輩!」
「そうなんだよ…。自分でもびっくりしたよー。」
本当に私は良い友達に恵まれたと思う。
「美咲!応援してるからね!」
「え、いや、私も終わってる様なもんだし…。」
「なんで?振られたの?」
「や!振られてはないし告ってもないけど…。」
「なら、頑張ってみようよ!ね?」
「いいのかな…。頑張っても。」
「良くないわけがない!!」
「ありがとう。香澄ちゃん。」
私は美咲がいい。
葵先輩がもし誰かと付き合うのなら美咲がいいと思った。
「おーい、2人ともー!そろそろ準備しないとー!」
「あ、ごめんね、今行く!行こ!美咲!」
「うん!」
今日から私はなりたい自分になっていく。
もう、葵先輩の後をついて行く私じゃない。
そう思うと少し怖かった。
私が今までどれだけ葵先輩を頼っていたかがわかった。
葵先輩。本当に今までありがとうございました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
76
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる