25 / 69
インターハイ② 美咲ver
しおりを挟む
私たちが試合に負けた夜、夜ご飯の準備をしようと早めに部屋を出たら葵先輩が香澄ちゃんの部屋に入っていくのが見えた。
1年生は先輩達より早くごはんを食べる部屋へ行って準備をしなければならない。
香澄ちゃんはやっぱり来なかった。
「呼びに行った方がいいかな?」
「香澄に限って寝過ごしたーとかは無いと思うけど。一応電話だけしとく?」
えっちゃんとまどかが喋っている。
「多分、大丈夫だと思うよ。少し前まで普通に話してたから何が事情があるんじゃないかな。」
私はフォローをしたのか自分で言い聞かしてるのかわからなかった。
しばらくして香澄ちゃんと葵先輩が一緒に来た。
先輩は副キャプテンの件で話してたら遅くなったと謝っていた。
多分違うことは私もわかっていたがそれを認めたくなくて精一杯その言葉を信じようとした。
でも、いつも通りに見えて少し様子の違う先輩が香澄ちゃんと部屋で何かあった妄想を膨らませる。
心がモヤモヤする。
そのモヤモヤを晴らしたい一心でごはんの後先輩の部屋へ訪ねた。
「どーしたの?」
先輩がドアを開けて優しい顔でこちらを見る。やっぱりどこか変だと思う。
「とりあえず中入る?もうすぐえりか達来るけど」
そうやって中に入れてもらった。
先輩と隣同士でベッドへ座った。
「そんな顔してどーしたのさ。」
先輩が心配してくれている。
私は多分不安なこととか顔に出ちゃってるんだろう。
何を言えばいいかわからなかった。
香澄ちゃんとのことも聞きたいし、何をしたのかとかもすごく気になった。
でも、それよりも1番に聞かなきゃいけないと思った。
「葵先輩。大丈夫ですか?」
私は恐る恐る聞いた。
「ん?何が?あー、試合でちょっと疲れてたかなー。顔出てた?」
先輩がいつもの笑顔で言ってくる。
「最近、ずっと疲れてる様に見えたので。」
「ははっ。大丈夫だよ。心配してくれてありがとね。」
踏み込めない。先輩からのこれ以上踏み込むなという明らかなサインが出されているのを感じた。
(それじゃ何も変わらない…。)
「あの!先輩!でも…」
ドサッ
ベッドに押し倒された。
「続きしよっか。」
先輩が少し怖い顔でこちらを見ている気がする。というより苦しそうな顔をしている気がした。笑顔はない。
「え…続きって…」
「こないだの続き。」
「あの…。でも…」
ドンドン
「あおいー!」
えりか先輩達の声が聞こえる。
「どーする?する?しない?」
先輩は私をベッドに押し倒したまま小声で言った。
「し、しません!」
正直に言うと私はあのまま流されてやってしまいたかった。
でも、それをしたら一生先輩と分かり合えない。そんな気がした。だから断った。
「そっか。ごめんね。」
そう言ってドアの方へ歩いた。
ガチャ
「ごめん、お待たせー!」
「遅いよー!ってあれ?皆川どーしたの?」
「迷子になってたからそこで拾った。」
「拾ったって犬や猫みたいに…。」
先輩達が会話をしている。
「すみません。お邪魔しました。帰りますね。」
「1人で帰れる?」
と葵先輩が少し悲しそうな顔をしているように見えた。
「はい!大丈夫です!おやすみなさい。」
そうやって部屋に戻った。
多分終わった。先輩多分2度と私に触れてこない。
どうするのが正解だったのだろう。
私はその夜1人で泣いた。
次の日に涙が出ないように枯れるまで泣いてやった。
1年生は先輩達より早くごはんを食べる部屋へ行って準備をしなければならない。
香澄ちゃんはやっぱり来なかった。
「呼びに行った方がいいかな?」
「香澄に限って寝過ごしたーとかは無いと思うけど。一応電話だけしとく?」
えっちゃんとまどかが喋っている。
「多分、大丈夫だと思うよ。少し前まで普通に話してたから何が事情があるんじゃないかな。」
私はフォローをしたのか自分で言い聞かしてるのかわからなかった。
しばらくして香澄ちゃんと葵先輩が一緒に来た。
先輩は副キャプテンの件で話してたら遅くなったと謝っていた。
多分違うことは私もわかっていたがそれを認めたくなくて精一杯その言葉を信じようとした。
でも、いつも通りに見えて少し様子の違う先輩が香澄ちゃんと部屋で何かあった妄想を膨らませる。
心がモヤモヤする。
そのモヤモヤを晴らしたい一心でごはんの後先輩の部屋へ訪ねた。
「どーしたの?」
先輩がドアを開けて優しい顔でこちらを見る。やっぱりどこか変だと思う。
「とりあえず中入る?もうすぐえりか達来るけど」
そうやって中に入れてもらった。
先輩と隣同士でベッドへ座った。
「そんな顔してどーしたのさ。」
先輩が心配してくれている。
私は多分不安なこととか顔に出ちゃってるんだろう。
何を言えばいいかわからなかった。
香澄ちゃんとのことも聞きたいし、何をしたのかとかもすごく気になった。
でも、それよりも1番に聞かなきゃいけないと思った。
「葵先輩。大丈夫ですか?」
私は恐る恐る聞いた。
「ん?何が?あー、試合でちょっと疲れてたかなー。顔出てた?」
先輩がいつもの笑顔で言ってくる。
「最近、ずっと疲れてる様に見えたので。」
「ははっ。大丈夫だよ。心配してくれてありがとね。」
踏み込めない。先輩からのこれ以上踏み込むなという明らかなサインが出されているのを感じた。
(それじゃ何も変わらない…。)
「あの!先輩!でも…」
ドサッ
ベッドに押し倒された。
「続きしよっか。」
先輩が少し怖い顔でこちらを見ている気がする。というより苦しそうな顔をしている気がした。笑顔はない。
「え…続きって…」
「こないだの続き。」
「あの…。でも…」
ドンドン
「あおいー!」
えりか先輩達の声が聞こえる。
「どーする?する?しない?」
先輩は私をベッドに押し倒したまま小声で言った。
「し、しません!」
正直に言うと私はあのまま流されてやってしまいたかった。
でも、それをしたら一生先輩と分かり合えない。そんな気がした。だから断った。
「そっか。ごめんね。」
そう言ってドアの方へ歩いた。
ガチャ
「ごめん、お待たせー!」
「遅いよー!ってあれ?皆川どーしたの?」
「迷子になってたからそこで拾った。」
「拾ったって犬や猫みたいに…。」
先輩達が会話をしている。
「すみません。お邪魔しました。帰りますね。」
「1人で帰れる?」
と葵先輩が少し悲しそうな顔をしているように見えた。
「はい!大丈夫です!おやすみなさい。」
そうやって部屋に戻った。
多分終わった。先輩多分2度と私に触れてこない。
どうするのが正解だったのだろう。
私はその夜1人で泣いた。
次の日に涙が出ないように枯れるまで泣いてやった。
1
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。


檸檬色に染まる泉
鈴懸 嶺
青春
”世界で一番美しいと思ってしまった憧れの女性”
女子高生の私が、生まれてはじめて我を忘れて好きになったひと。
雑誌で見つけたたった一枚の写真しか手掛かりがないその女性が……
手なんか届かくはずがなかった憧れの女性が……
いま……私の目の前ににいる。
奇跡的な出会いを果たしてしまった私の人生は、大きく動き出す……

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる