先輩は私のお姉ちゃんだけどそれを先輩は知らない

こえだ

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期末テスト(美咲ver)

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インターハイ予選が終わってしばらくして私はまた追い込まれていた。
期末テストである。

この間の中間の成績を聞いたときの母の顔が忘れられない。

「そう、次は頑張ってね」と笑っていたが笑っていないあの目が恐ろしかった。

父がいたからまだ抑えていたがいなかったらと思うとゾッとする。

なのでインターハイ予選が終わり落ち着いた今、まだテスト期間でも無いのに猛勉強をしている。

そしたら母が入ってきた。
「あら、えらいわね!しっかり勉強して!」
そう言ってお菓子とお茶を持ってきてくれた。

「ありがとう。次は頑張らないと…」

「すごいわ!みさき!そうだ!言おうと思ってたことがあるんだけど…」
嫌な予感がした。

「今回のテストで1位取れなかったら部活辞めて貰うからね?」

「え、なんで…。」

「だって部活と勉強の両立が出来ないならどちらかやめるしかないじゃない?将来役に立つのは勉強よ?」

怖い。母が怖い。
こんなことを言っているがどうせバスケでは先輩に勝ち目がないから勉強に集中しろということだと思う。

「とにかく頑張ってね」


次の日、母の言葉のせいで私は何をするにもテストのこと以外考えられなかった。
気分が悪くなった。どこか落ち着ける場所…。
そう思っていたらあの葵先輩との場所へ勝手に足が運んでいた。

涙が溢れる。
だって無理に決まっている。中間テストはあれでも私は精一杯に勉強をした。それで無理なのだからどれだけ頑張っても無理に決まっている。

すると、頭に誰かの手が触れる。
もう声を聞かなくても誰だかわかる。
そのぐらいこの手は私に触れてくれた。
そしていつも助けに来てくれる。

「葵先輩………。」そう言って泣きながら抱きついた。もう涙が止まらない。

涙が枯れるぐらい先輩の腕の中で泣いた。
涙が枯れてようやく話せるようになった。

そしてことの成り行きを説明した。
先輩はしばらく何も言わなかったが怒っていることが空気感で伝わってくる。

「無理に決まってるんです。中間であれだけ毎日勉強して無理だったんです。もうそんなの辞めるって決められたようなものです。」

「すーー、はぁーー。」
先輩が溜まってた怒りを吐き出すように深呼吸をした。

「よし!取ろう!1位!」

「え!いや!無理です!」

先輩が少し考えて「日曜日にしよう。」と言った。
「毎週日曜日、練習終わり空けといて!」

「一緒に勉強しよう!」

先輩が優しくとても優しく私を見る。

(好き…)
溢れ出そうな言葉を必死で飲み込んだ。

日曜日、先輩の家で勉強を見て貰っている。
先輩は鬼だった…。
あれもこれもと叩き込まれた。
しかし、それの教え方は今まで聞いた誰よりもわかりやすく頭にスッと入ってきた。
先輩だからかもしれない…。

テスト前最後の日曜日になってしまった。
最後の勉強が終わった。

「お疲れ様!」

先輩だって自分の勉強があったはずなのに最後まで私の勉強を見てくれた。
なんて優しい人なんだろう。

これで最後…。
そう思ったら悲しくて先輩に抱きついた。

先輩に抱きしめて欲しい。また優しく撫でて欲しい。それから…。

そこでハッとする。私はもう先輩に求めてはいけない所まで求めている。
でも止め方がわからない。

そっと先輩が抱きしめくれる。 

(キスがしたい…)
気づいたら私から口づけをしていた。

そして、先輩の舌を待ってきたかのように受け入れた。

「っん…はっ……んん…あ…おい……せんぱい」

もっと欲しい。足りない。

いつの間にか、私の方からもっととおねだりをする様に舌を出していた。

先輩がその出された舌を吸い付くように咥える。そしてまた絡め合う。

どんどんいやらしくなるキスに体がおかしく
なる。

「はっ…っん…はぁ…っんん……あっ…んあっ…//」

ビクンッ

突然体大きく反応し、力が抜ける。

私は多分キスだけでイッてしまった。

私は恥ずかしさが限界に達し先輩の胸の中に顔を埋める。顔が見れない。

そんな私に先輩がさらに追い討ちをかける。

「キスだけでイッたの?そんなに良かった?」

そう言って耳や髪をいやらしい手つきで触る。
見なくても先輩がいじわるな顔をしていることがわかった。

「言わないでください…」
私は半泣きになりながら答えた。

「かわいいね」

今度は優しく撫でてくれる。  

ごめん、昨日の私。私はもうこの気持ちを掻き消す方法がわかりません。

先輩が好き…。大好き。
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