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体育祭①(葵ver)
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今日は体育祭本番である。
この学校はテストが終わるとすぐに体育祭がある。
そして体育祭が終わると春のインハイ予選があり、この時期はとても忙しい。
私はこの体育祭が別に好きではなかった。
その理由はただ一つ。ただただ忙しいから。
「葵先輩~、写真撮ってくださいー!」
このセリフ何度目だ…。
そう思いながらもいつも通り愛想を振りまいて写真を撮る。
そろそろ休憩を挟まないと死んでしまう…。
「倉庫の裏においで。誰も来ないから。」
誰かと思えば京子先輩だった。
それだけ伝えてすぐにどこかへ行ってしまった。
言われた通り倉庫の裏に行くと誰もいなかった。
風通しが良くとても涼しい。
私はしばらく出番もないのでゆっくりすることにした。
「ごめんね、遅くなった!」
しばらくして京子先輩が現れた。
「いえ、ていうか来てくれると思いませんでした。」
「私が来てって言ったのにそれはないでしょ!」
「そうでしたっけ。勝手に休憩しろって意味かと思ってました。」
「なにそれ~」
と言いながら寝転がってた私に膝枕をした。
そのあまりの自然さに先輩の膝の上にいることに気付くのが遅くなった。
私は顔を先輩の体の方へ向けて抱きついた。
「お疲れ様、あおい。」
「ありがとうございます…。」
「先輩…。明日何してますか?」
私は体の向きを仰向けにし先輩の顔を見つめる。
「ん?それはもしかして誘ってくれてるの?部活無かったっけ?」
「明日は無いです。」
そう言って先輩の顔に腕を伸ばす。
「んー、そうだなー。」
先輩が伸ばした私の手を握りながら何かを考える。
「そのお誘いはとても嬉しいんだけどきっと私よりもあおいと会いたい人いると思うんだよねー。その子達のことを考えたら気が引けちゃうなー。」
私はそれを言われて上体を起こして先輩の隣に座った。
「確かに。私も少し気が引けます…。」
先輩が少しびっくりしたような顔をした。
でもすぐいたずらするような顔をして話し出す。
「ねえ、どっち誘うの?かおりちゃん?かすみちゃん?」
「いや…。もう誘うつもりないです。」
「えー!なんでー!面白くないー!」
「ご期待に添えないみたいですみませんね….」
「じゃーあー、あの子はー?最近気になってる子!」
「誰のことです?」
「えーと、小さくて髪の毛がちょっとクルクルの可愛らしい子」
「みさきのことですか?」
「そーそー!その子だ!」
「何で知ってるか知りませんけど誘いませんよ。」
「あおいのことなら何だって知ってるよー!面白くないー!」
本当にこの人の情報力はすごいと思う。何でもバレてる。
「ねえ、何で私を誘ってくれたの?」
さっきまで子供みたいだった先輩がすごく大人っぽい声で言ってきたのでびっくりした。
「何でだろ…。ホントに何となく先輩が1番誘いやすい…」
「はぁ…。どうせそんな感じだと思ったよ。そうだよね1番関係長いもんね!そら誘いやすいよね!」
拗ねているように先輩が言った。
「え…と、すみません。」
「別に!謝んなくていいよ!どうせごめんとも思ってないんでしょ!」
その通りだった。というか断られたのは私なのになぜ私が悪いみたいになっているのかよくわからなかった。
「あおいさ、誰でもいいから誰か誘いなよ。」
「いや、気が引けます…。それに一回振られてるんでまた断られたりしたら悲しいじゃないですか。」
「ごめんごめん。ホントにさ、タイミング的に何となくとかでいいから誘いなよ。私以外でね。」
少し悲しそうな顔をしている様に見えるのはきっと気のせいだろう。
「まあ、タイミングあったら誘ってみますね。」
「うん!じゃあ行こ!」
そう言ってグラウンドへ戻った。
この学校はテストが終わるとすぐに体育祭がある。
そして体育祭が終わると春のインハイ予選があり、この時期はとても忙しい。
私はこの体育祭が別に好きではなかった。
その理由はただ一つ。ただただ忙しいから。
「葵先輩~、写真撮ってくださいー!」
このセリフ何度目だ…。
そう思いながらもいつも通り愛想を振りまいて写真を撮る。
そろそろ休憩を挟まないと死んでしまう…。
「倉庫の裏においで。誰も来ないから。」
誰かと思えば京子先輩だった。
それだけ伝えてすぐにどこかへ行ってしまった。
言われた通り倉庫の裏に行くと誰もいなかった。
風通しが良くとても涼しい。
私はしばらく出番もないのでゆっくりすることにした。
「ごめんね、遅くなった!」
しばらくして京子先輩が現れた。
「いえ、ていうか来てくれると思いませんでした。」
「私が来てって言ったのにそれはないでしょ!」
「そうでしたっけ。勝手に休憩しろって意味かと思ってました。」
「なにそれ~」
と言いながら寝転がってた私に膝枕をした。
そのあまりの自然さに先輩の膝の上にいることに気付くのが遅くなった。
私は顔を先輩の体の方へ向けて抱きついた。
「お疲れ様、あおい。」
「ありがとうございます…。」
「先輩…。明日何してますか?」
私は体の向きを仰向けにし先輩の顔を見つめる。
「ん?それはもしかして誘ってくれてるの?部活無かったっけ?」
「明日は無いです。」
そう言って先輩の顔に腕を伸ばす。
「んー、そうだなー。」
先輩が伸ばした私の手を握りながら何かを考える。
「そのお誘いはとても嬉しいんだけどきっと私よりもあおいと会いたい人いると思うんだよねー。その子達のことを考えたら気が引けちゃうなー。」
私はそれを言われて上体を起こして先輩の隣に座った。
「確かに。私も少し気が引けます…。」
先輩が少しびっくりしたような顔をした。
でもすぐいたずらするような顔をして話し出す。
「ねえ、どっち誘うの?かおりちゃん?かすみちゃん?」
「いや…。もう誘うつもりないです。」
「えー!なんでー!面白くないー!」
「ご期待に添えないみたいですみませんね….」
「じゃーあー、あの子はー?最近気になってる子!」
「誰のことです?」
「えーと、小さくて髪の毛がちょっとクルクルの可愛らしい子」
「みさきのことですか?」
「そーそー!その子だ!」
「何で知ってるか知りませんけど誘いませんよ。」
「あおいのことなら何だって知ってるよー!面白くないー!」
本当にこの人の情報力はすごいと思う。何でもバレてる。
「ねえ、何で私を誘ってくれたの?」
さっきまで子供みたいだった先輩がすごく大人っぽい声で言ってきたのでびっくりした。
「何でだろ…。ホントに何となく先輩が1番誘いやすい…」
「はぁ…。どうせそんな感じだと思ったよ。そうだよね1番関係長いもんね!そら誘いやすいよね!」
拗ねているように先輩が言った。
「え…と、すみません。」
「別に!謝んなくていいよ!どうせごめんとも思ってないんでしょ!」
その通りだった。というか断られたのは私なのになぜ私が悪いみたいになっているのかよくわからなかった。
「あおいさ、誰でもいいから誰か誘いなよ。」
「いや、気が引けます…。それに一回振られてるんでまた断られたりしたら悲しいじゃないですか。」
「ごめんごめん。ホントにさ、タイミング的に何となくとかでいいから誘いなよ。私以外でね。」
少し悲しそうな顔をしている様に見えるのはきっと気のせいだろう。
「まあ、タイミングあったら誘ってみますね。」
「うん!じゃあ行こ!」
そう言ってグラウンドへ戻った。
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