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テスト結果①(美咲ver)
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朝からお腹が痛い。
というのも今日はテスト結果が発表される。
1位を取らなければ殺されるという覚悟でやった。
えっちゃんとまどかと香澄ちゃん。
いつものメンツで登校してテスト結果をみんなで見る。校内ではすでに多くの人が張り出された紙を見てやいやい騒いでいる。
私達もすぐに結果を確認する。
(1位じゃない…………。)
私は1位じゃ無いことを知ると自分の順位が確認するのが怖くなった。
でも、えっちゃんがそれを言ってきた。
「げ、みさきあんた9位とかえげつな!1桁じゃん!この裏切り者ー!!」
と楽しそうにツッコんでくる。
私はそれどころでは無い。でも、ちゃんとしなきゃ…。
私は精一杯の作り笑顔をしてトイレに行くとその場を離れた。
とりあえず1人になれる所に行きたかった。どこに行ったらいいのかわからず行きついたのはこないだの先輩がいた場所だった。
なんだかここは先輩の場所のような気がして2度と邪魔をしてはいけないと思っていた。
「すみません。ちょっとだけお借りします。」
そう1人で呟いてベンチに座った。涙がこぼれ落ちる。
「どーしたの。」
そう言って誰かが頭を撫でてくれた。
ここでそんなことをするのは1人しかいない。
葵先輩だった。
その優しい顔にもっと涙が出てしまい思わず座ったまま先輩に抱きついた。
先輩はずっと頭を撫でてくれていた。
少し落ち着いたら先輩が隣に座って私の顔を覗いてきた。泣き顔なんて誰にも見られたくは無かったけど先輩なら何を見られてもいい気がした。
「かわいい」
先輩がこんな一大事にそんなことを言ってきた。そしてこんな一大事にそれを言われただけで他のことがどうでも良くなっていくバカな私がいる。
「それで、どうしたのさそんな泣いて」
「………」
「テストそんな悪かった?」
「悪いと言うか……ダメだったというか」
普通の人なら9位というまあまあ良い成績で泣きじゃくっていたら、はあ?となるけど先輩ならいつも1位だしまあ良いかなと思った。
「1位じゃなかったんです。お母さんに1位を取れって言われてて。それ以外ありえないみたいな感じで。私なりに毎日勉強をして頑張ってたんですけど…。それでこんな結果言ったら何言われるのか……」
多分先輩のことだからきっと優しく慰めてくれるんだろう。しかし思っていた反応では無かった。
「な!に!そいつ…!ごめん!人の母親のこと悪く言いたくないんだけどさ……。1つ言わせてめっちゃむかつく!!」
いつも優しい先輩がそんなことを言うものだから私がびっくりしてポカーンとしているとまた先輩が喋り出した。
「ごめん。ホントにごめん。でも無理だ。ホントはちゃんと慰めようと思ってたんだけど…。」
「あ…えと………。」
言葉が出なかった。そして沈黙が続く。
先輩は何か考え事をしているように見えた。
するとこちらをくるりと向いた。
「よく頑張ったね。」
そう言いながら先輩は少し悲しそうな顔をしてまた私の頭を撫でた。
先輩のこの行為はいつも私をおかしくさせる。
「お姉ちゃん……。」
(!?!?!?…………最悪。絶対今の声に出てた。)
「へー、みさきお姉ちゃんいるの?」
少しびっくりしていた先輩だが、すぐに私が間違えたと思って笑いながらそう言ってきた。
「い、いません!!」
「え、いないの?」
「い、いないんですけど!先輩がなんだか優しすぎておかしくなっちゃって…。そしたら勝手に……。」
私1人で焦っている。
「ははっ。残念ながら私にはこんな可愛い妹はいないなー。憎たらしい弟しかいないよ。」
心が尋常じゃないほど痛い。心に痛覚なんて無いだろうが確かな痛みが私を襲う。
「ちゅ」
先輩が私にとても優しくキスをした。
それだけで今までの痛み全部なくなった。
そこで予鈴がなった。
というのも今日はテスト結果が発表される。
1位を取らなければ殺されるという覚悟でやった。
えっちゃんとまどかと香澄ちゃん。
いつものメンツで登校してテスト結果をみんなで見る。校内ではすでに多くの人が張り出された紙を見てやいやい騒いでいる。
私達もすぐに結果を確認する。
(1位じゃない…………。)
私は1位じゃ無いことを知ると自分の順位が確認するのが怖くなった。
でも、えっちゃんがそれを言ってきた。
「げ、みさきあんた9位とかえげつな!1桁じゃん!この裏切り者ー!!」
と楽しそうにツッコんでくる。
私はそれどころでは無い。でも、ちゃんとしなきゃ…。
私は精一杯の作り笑顔をしてトイレに行くとその場を離れた。
とりあえず1人になれる所に行きたかった。どこに行ったらいいのかわからず行きついたのはこないだの先輩がいた場所だった。
なんだかここは先輩の場所のような気がして2度と邪魔をしてはいけないと思っていた。
「すみません。ちょっとだけお借りします。」
そう1人で呟いてベンチに座った。涙がこぼれ落ちる。
「どーしたの。」
そう言って誰かが頭を撫でてくれた。
ここでそんなことをするのは1人しかいない。
葵先輩だった。
その優しい顔にもっと涙が出てしまい思わず座ったまま先輩に抱きついた。
先輩はずっと頭を撫でてくれていた。
少し落ち着いたら先輩が隣に座って私の顔を覗いてきた。泣き顔なんて誰にも見られたくは無かったけど先輩なら何を見られてもいい気がした。
「かわいい」
先輩がこんな一大事にそんなことを言ってきた。そしてこんな一大事にそれを言われただけで他のことがどうでも良くなっていくバカな私がいる。
「それで、どうしたのさそんな泣いて」
「………」
「テストそんな悪かった?」
「悪いと言うか……ダメだったというか」
普通の人なら9位というまあまあ良い成績で泣きじゃくっていたら、はあ?となるけど先輩ならいつも1位だしまあ良いかなと思った。
「1位じゃなかったんです。お母さんに1位を取れって言われてて。それ以外ありえないみたいな感じで。私なりに毎日勉強をして頑張ってたんですけど…。それでこんな結果言ったら何言われるのか……」
多分先輩のことだからきっと優しく慰めてくれるんだろう。しかし思っていた反応では無かった。
「な!に!そいつ…!ごめん!人の母親のこと悪く言いたくないんだけどさ……。1つ言わせてめっちゃむかつく!!」
いつも優しい先輩がそんなことを言うものだから私がびっくりしてポカーンとしているとまた先輩が喋り出した。
「ごめん。ホントにごめん。でも無理だ。ホントはちゃんと慰めようと思ってたんだけど…。」
「あ…えと………。」
言葉が出なかった。そして沈黙が続く。
先輩は何か考え事をしているように見えた。
するとこちらをくるりと向いた。
「よく頑張ったね。」
そう言いながら先輩は少し悲しそうな顔をしてまた私の頭を撫でた。
先輩のこの行為はいつも私をおかしくさせる。
「お姉ちゃん……。」
(!?!?!?…………最悪。絶対今の声に出てた。)
「へー、みさきお姉ちゃんいるの?」
少しびっくりしていた先輩だが、すぐに私が間違えたと思って笑いながらそう言ってきた。
「い、いません!!」
「え、いないの?」
「い、いないんですけど!先輩がなんだか優しすぎておかしくなっちゃって…。そしたら勝手に……。」
私1人で焦っている。
「ははっ。残念ながら私にはこんな可愛い妹はいないなー。憎たらしい弟しかいないよ。」
心が尋常じゃないほど痛い。心に痛覚なんて無いだろうが確かな痛みが私を襲う。
「ちゅ」
先輩が私にとても優しくキスをした。
それだけで今までの痛み全部なくなった。
そこで予鈴がなった。
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