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キス(美咲ver)
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あの後先輩とは多分普通にさよならをした。
色々な事が頭の中でごちゃごちゃになってよく覚えていない。
あとは、家に帰ってから結局携帯を部室に置いたままだったことを思い出した。
次の日どんな顔して先輩に会えばいいのかわからなかった。
しかし、先輩はいつも通りで昨日のことは何もなかったかのような態度だった。
よく考えたらそらそうだ。先輩と私が特に何かあったわけでない。
私はいけないところを目撃しただけ。そう考えると心が痛い。おかしくなりそうだ。
「ねえ!なんで昨日連絡くれなかったのさー!おかげで今日の小テスト死亡確定だよ」
まどかとは一緒のクラスなので宿題とかの関係で連絡をよくする。
「あー。ごめん。携帯結局部室置きっぱになっちゃって…」
「え、何してんの…。」
「ホントにね………」
「お疲れ様。」
「ありがとう。」
昨日あんな事があったので小テストは私もボロボロだった。
(お母さんすっごい怒るだろうな…)
昼休み何かが抜けたようにボケーっと外を眺めていたら先輩がいるのが見えた。
(どこ行くんだろ?中庭?いや、もっと奥。なんかあったっけ。)
無性にその後を追いたくなった。また昨日みたいな現場に遭遇するかもしれない。それは絶対やだ。でも…
私は自分気持ちをもう抑える事ができなかった。
先輩の後を追ったは良いものの使われていない畑の跡や、手入れのされていない植物で人が出入りしている様子はどこにも無い。そして先輩もいない。
(最悪…。絶対もうどっか行ったよ。)
ただ、この誰にも使われていないこの場所の居心地が良くて散歩でもしていこうと少し歩いた。そしたらちょうど大きな木の影になる所にベンチがあり、そこに先輩がいた。
完全に油断しきっていた私は驚きのあまり尻もちをついてしまった。
しかし、先輩は何も言わない。というかよく見たら横になって眠っていた。
先輩は本当にキレイな顔をしている。長いまつ毛にキレイに通った鼻筋、サラサラの髪の毛。先輩を眺めていると昨日の光景がまたフラッシュバックしてきて私に悪魔が囁く。寝ているからバレない。軽くなら大丈夫。
絶対にそんな事をしては行けないのに私は気づいたら先輩の唇に口づけをしていた。
そこでハッと我に帰りすぐに離そうとした瞬間先輩の目が開いた。
(終わった……。とりあえず全力で謝って許してもらおう。それしか無い。)
「あの!せんぱっ………!?」
直後何が起きたのわからなかった。
わからなかったが再び先輩の唇が私の唇の重なっていた事が何秒か経ってやっとわかった。
先輩は一旦唇を離して私の頭の後ろに右手を回して左腕で私の腕を引っ張り引き寄せた。
私は行き場がなく先輩の体に馬乗りのように座るしかなかった。先輩は私を体に乗せたまま上体を起こして私の顔を覗いてきた。
「んー、ダメじゃない?流石に寝込みを襲うのはさ?」といたずらでもするような目で先輩が聞いてきた。
「そっそれはホントにすみ………っん。」
先輩がまた唇を押し当てる。
「ねえ、下の名前なんだっけ」
そう先輩が唇を離して優しい声で聞いてくる。
「…あ、えと…美咲です。」
「みさきちゃんか。かわいい名前だね。」
そう言ってまた先輩がキスをしてきた。
離れてはまた触れる唇。わざとなのだろうか先輩が段々といやらしい音を立てはじめる。その音で体が火照り思わず声にもならない空気が漏れる。
「っん…はぁ……」
その少し口が開いた一瞬で先輩の温かいものが入ってきた。私はどうしたらいいのか全くわからなかったけど先輩の舌が私の舌を求めているような気がして舌を絡ませた。
「っんん…んぁ………クチュ……はぁ…チュッ…せ…んぱ…っい」
どんどん声が大きくなっていく。
どんどん体が熱くなってどんどん自分がいやらしくなっていくのがわかる。
恥ずかしいのにもっともっと欲しい…。
でも私は知らなかったこんなキスの仕方。そう、キスの途中で息をしなければならないという事を。
急に苦しくなって頭がくらくらしてきた。
「も……う………だめ…」
そのまま気を失った。時間にしたら多分数分程度で。
目覚めたら先輩が私を優しい顔で覗き込んでいた。
どうやら先輩の膝の上で眠っていたらしい。
「わ!!すみません!私ってば!」
と言って体を起こした。
先輩が優しく頭を撫でてくれる。この行為がすごく私の心臓を刺激する。
(多分私、今人生で1番顔赤いな)
先輩が私の少しカールのかかった髪をいじりながら
「髪の毛ふわふわだね」といってきた。
「……くせ毛なんです。毎朝大変です。」
「そうなんだ。なんか、ふわふわしててかわいいなあって思って。」
「…………。」
私は今まで母親譲りのこの髪を疎ましく思っていた。この日初めて自分の髪が少し価値のある物のように思えた。
「てか、ごめんね。キス。ちょっと気分良くなって止められなかった」と先輩がこないだのように呑気に笑う。
「いや!その私の方こそ!ホントにすみません!!」
先輩の手が私の顔に優しく触れる。
そして顔を近づける。
「かわいいね。みさきちゃん」
私は恥ずかしく何も言えない。
「ねえ、みさきちゃん。下の名前で呼んでもいよね?」
「は、はい!あの!でも…その…できれば呼び捨て……で呼んで欲しいです…」
私は調子に乗ってそんなことを口走っていた。
「みさき」
先輩がクスッと笑ったあと優しく呼んでくれた。
その声だけで私はどうにかなりそうだった。
「そろそろ戻ろうか」
あっという間の時間だった。2度とこんなことは無い気がしてその言葉にすごく悲しくなった。
帰ろうとベンチから立とうとした瞬間先輩が顔を近づけて耳元でまたこないだのように少し低い声で「また続きしようね」と囁いた。
またいつもの笑顔で私を見つめる。
私はどう返事をしたらいいかわからずコクリと首を縦に振るので精一杯だった。
色々な事が頭の中でごちゃごちゃになってよく覚えていない。
あとは、家に帰ってから結局携帯を部室に置いたままだったことを思い出した。
次の日どんな顔して先輩に会えばいいのかわからなかった。
しかし、先輩はいつも通りで昨日のことは何もなかったかのような態度だった。
よく考えたらそらそうだ。先輩と私が特に何かあったわけでない。
私はいけないところを目撃しただけ。そう考えると心が痛い。おかしくなりそうだ。
「ねえ!なんで昨日連絡くれなかったのさー!おかげで今日の小テスト死亡確定だよ」
まどかとは一緒のクラスなので宿題とかの関係で連絡をよくする。
「あー。ごめん。携帯結局部室置きっぱになっちゃって…」
「え、何してんの…。」
「ホントにね………」
「お疲れ様。」
「ありがとう。」
昨日あんな事があったので小テストは私もボロボロだった。
(お母さんすっごい怒るだろうな…)
昼休み何かが抜けたようにボケーっと外を眺めていたら先輩がいるのが見えた。
(どこ行くんだろ?中庭?いや、もっと奥。なんかあったっけ。)
無性にその後を追いたくなった。また昨日みたいな現場に遭遇するかもしれない。それは絶対やだ。でも…
私は自分気持ちをもう抑える事ができなかった。
先輩の後を追ったは良いものの使われていない畑の跡や、手入れのされていない植物で人が出入りしている様子はどこにも無い。そして先輩もいない。
(最悪…。絶対もうどっか行ったよ。)
ただ、この誰にも使われていないこの場所の居心地が良くて散歩でもしていこうと少し歩いた。そしたらちょうど大きな木の影になる所にベンチがあり、そこに先輩がいた。
完全に油断しきっていた私は驚きのあまり尻もちをついてしまった。
しかし、先輩は何も言わない。というかよく見たら横になって眠っていた。
先輩は本当にキレイな顔をしている。長いまつ毛にキレイに通った鼻筋、サラサラの髪の毛。先輩を眺めていると昨日の光景がまたフラッシュバックしてきて私に悪魔が囁く。寝ているからバレない。軽くなら大丈夫。
絶対にそんな事をしては行けないのに私は気づいたら先輩の唇に口づけをしていた。
そこでハッと我に帰りすぐに離そうとした瞬間先輩の目が開いた。
(終わった……。とりあえず全力で謝って許してもらおう。それしか無い。)
「あの!せんぱっ………!?」
直後何が起きたのわからなかった。
わからなかったが再び先輩の唇が私の唇の重なっていた事が何秒か経ってやっとわかった。
先輩は一旦唇を離して私の頭の後ろに右手を回して左腕で私の腕を引っ張り引き寄せた。
私は行き場がなく先輩の体に馬乗りのように座るしかなかった。先輩は私を体に乗せたまま上体を起こして私の顔を覗いてきた。
「んー、ダメじゃない?流石に寝込みを襲うのはさ?」といたずらでもするような目で先輩が聞いてきた。
「そっそれはホントにすみ………っん。」
先輩がまた唇を押し当てる。
「ねえ、下の名前なんだっけ」
そう先輩が唇を離して優しい声で聞いてくる。
「…あ、えと…美咲です。」
「みさきちゃんか。かわいい名前だね。」
そう言ってまた先輩がキスをしてきた。
離れてはまた触れる唇。わざとなのだろうか先輩が段々といやらしい音を立てはじめる。その音で体が火照り思わず声にもならない空気が漏れる。
「っん…はぁ……」
その少し口が開いた一瞬で先輩の温かいものが入ってきた。私はどうしたらいいのか全くわからなかったけど先輩の舌が私の舌を求めているような気がして舌を絡ませた。
「っんん…んぁ………クチュ……はぁ…チュッ…せ…んぱ…っい」
どんどん声が大きくなっていく。
どんどん体が熱くなってどんどん自分がいやらしくなっていくのがわかる。
恥ずかしいのにもっともっと欲しい…。
でも私は知らなかったこんなキスの仕方。そう、キスの途中で息をしなければならないという事を。
急に苦しくなって頭がくらくらしてきた。
「も……う………だめ…」
そのまま気を失った。時間にしたら多分数分程度で。
目覚めたら先輩が私を優しい顔で覗き込んでいた。
どうやら先輩の膝の上で眠っていたらしい。
「わ!!すみません!私ってば!」
と言って体を起こした。
先輩が優しく頭を撫でてくれる。この行為がすごく私の心臓を刺激する。
(多分私、今人生で1番顔赤いな)
先輩が私の少しカールのかかった髪をいじりながら
「髪の毛ふわふわだね」といってきた。
「……くせ毛なんです。毎朝大変です。」
「そうなんだ。なんか、ふわふわしててかわいいなあって思って。」
「…………。」
私は今まで母親譲りのこの髪を疎ましく思っていた。この日初めて自分の髪が少し価値のある物のように思えた。
「てか、ごめんね。キス。ちょっと気分良くなって止められなかった」と先輩がこないだのように呑気に笑う。
「いや!その私の方こそ!ホントにすみません!!」
先輩の手が私の顔に優しく触れる。
そして顔を近づける。
「かわいいね。みさきちゃん」
私は恥ずかしく何も言えない。
「ねえ、みさきちゃん。下の名前で呼んでもいよね?」
「は、はい!あの!でも…その…できれば呼び捨て……で呼んで欲しいです…」
私は調子に乗ってそんなことを口走っていた。
「みさき」
先輩がクスッと笑ったあと優しく呼んでくれた。
その声だけで私はどうにかなりそうだった。
「そろそろ戻ろうか」
あっという間の時間だった。2度とこんなことは無い気がしてその言葉にすごく悲しくなった。
帰ろうとベンチから立とうとした瞬間先輩が顔を近づけて耳元でまたこないだのように少し低い声で「また続きしようね」と囁いた。
またいつもの笑顔で私を見つめる。
私はどう返事をしたらいいかわからずコクリと首を縦に振るので精一杯だった。
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