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皆川美咲②

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私の通っているN女子高校は県で1番賢いと言われる高校でスポーツにも力を入れている。バスケは県で1番の強豪だ。母の希望もあって私は猛勉強しこの高校に入学した。
でも本当は私の下心もあったと思う。
"お姉ちゃんに近づきたい"

母は高校ではバスケはやめろと言ったけれど父の説得で高校でもバスケをさせてもらえることになった。
母は昔私に期待をし、県で1番のバスケクラブへ入れてくれたが残念ながら私にはバスケの才能は無く、1年間で辞めることになった。
そこから地元のクラブでバスケはさせてもらえたが、母の意向で勉強を中心にしなければならなかったのであまりバスケに集中できる環境では無かった。

勉強を頑張ればバスケは続けさせてもらえたのでいっぱい勉強した。
バスケ自体が好きだったっていうのもあるけれどバスケをやめるとお姉ちゃんとの繋がりが消えてしまうような気がしてどうしても辞めたくなかった。
バスケを続けたからといってお姉ちゃんと繋がれるとは限らないけどそれでもバスケは私がお姉ちゃんと繋がれる唯一の希望だった。

その勉強の成果もあってN女子に入学し私はバスケ部に入部することができた。でも、先輩とは絶対に必要以上に関わってはいけないと決めていた。そんな資格は私には無い。


しかし、同じ学校、同じ部活での距離の先輩の破壊力は凄まじく気持ちを抑えつけるのはかなりの至難の業だ。そう。先輩は輝き過ぎている。
バスケが上手いのはもちろん、誰にでも優しく、それでいてコートではカッコよくて2年生ながら既にチームを引っ張ってくれていて後輩の面倒見も良いのでみんなから好かれている。
いつも目が合うと優しくにっこり笑ってくれる。
うん、眩しい、眩しすぎる。何この人。

この人に反応しない心臓あるなら今すぐ取り替えて欲しいと何度思った事だろう。
私と半分の遺伝子が一緒なんて本当に想像もつかない。母に言われてなければ絶対に一生気づかない。
だからきっと先輩も一生気づかないんだろうな…
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