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30話:絆の硬さ
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欅の容態がどうなったのか、公森との作戦を話した後に物理部員らは病院へと向かった。入院している場所はとても静かなところで個室な事から、内心羨ましいと思う人がいた。
「到着~って言っても静かにしないとね…。欅、片目がやられてるようだね」
「うるっさいなぁ。下原は場所を考えたらどうだ?しかも物理部全員で来るなんて…」
予備のパソコンで趣味の住所特定をニヤニヤしながら作業する。一段落した時、目の状態と皮膚の治療期間を部員らに公開した。
「失明はないけど、皮膚がやばいみたいだ。皮膚移植はしないつもりだよ。でも、視力の回復と皮膚の炎症を抑えなきゃいけないから抗生剤の入った点滴を打って回復力を強めてる」
失明の恐れはないようだったので、部長の石角は特に一安心した。
欅は公森の存在に気づく。
「公森さん…?何故ここにいるの」
「何故って言っても信じ難いかもしれないけど、物理部に寝返るの。堀田を私自身の手で潰したいけど物理部も堀田によって迷惑かけてしまったから、協力して計画的に潰そうということよ」
「なるほど潰すのか…え?堀田を潰すのは無謀すぎだろ」
欅は気が動転する。堀田には知られざる過去がある事を周りに話す。それも、欅から放たれる言葉は重いものだ。
「堀田は、化学部創設当初に爆弾を生徒に作らせようとしたんだ。でもその実験は失敗して前にいた学校を追い出されたわけだけど、とある条件で復帰した。それは化学部の大会で連勝連覇をするというもの。公森さんがずっと仕事を投げていたのは、優勝のために戦略を立てていたのさ。まさに軍師だ」
堀田の過去と同時に、何故か引っかかるものがあった。
公森の訴えは、今の現代社会で言えば過労と仕事の押し付けに値する。元から仲が良いとは言い切れない欅と公森だが、堀田に対する嫌な気持ちは一緒なので話は早かった。
「なら、この件は物理部員と公森に任せるよ。僕は皮膚の回復でもう少し入院みたいだから全て終わった時に連絡してくれると嬉しい」
「言われなくてもどうなったかくらい連絡してやるよ!私もこう見えてアシッドスターだから」
アシッド…それは酸という意味なので今までの強酸性液体による妨害と調合は彼女がやってきた事を資料にまとめ、それを川原たちが使用していたに違いないと欅は推理する。
欅の病状が回復する事を祈り、公森含む物理部員は病院を出た。
「アシッドスターにフットクラッシャー、そしてUSBクラッシャー…。この部活も遂に過激派テロリストへと進化しちまったのかな」
「石角が言うことかよ…。お前はダークランナーだろ」
「走ること好きだからって調子に乗るなよ下原!」
この2人は、相変わらずのご様子だ。
公森は、スマホのスケジュール表を見ながら実行日とその場所を確認する。
「堀田の大会は、1週間後だから石角君たちはそれまでに柿渋を作ってほしい。私は最強濃度のピラニア酸を調合するから」
「了解。それまでに寺野と湯田には、鍛えてもらおうかな。足と腕の筋肉をマッスルしないとね」
「足が唸るぜ!」
「ムキッと決めるぜ」
脳筋クラッシャーズの爆誕だ。2人それぞれの鍛えられた足と腕は、横に並ぶだけで異様な空気を放つ。
そのまま部員たちはそれぞれ帰宅するが、石角と富林は部室へと戻る。柿渋の準備に取り掛かった。
「この渋柿で良いんだよね?」
「それで大丈夫。あとは熟成壺を使っていけば完成するはず」
まともな2人なので、作業はトントンと進む。対堀田毅柿渋爆弾を作るべく、殺意と丹精を込めて熟成を始めた。
「楽しみだなぁ~。どんな顔で俺たちの前に現れるかな」
「担任なのにそんなこと言って良いんか?流石にその発言はヤバいぞ」
「良いの!楽しければそれで問題なし」
石角の心配は二の次で考える富林だが、富林も恨み持ちのような言い方をするので、石角は不思議と笑えた。
一方の公森は、ピラニア酸を作るために知られざる化学部室の奥にある秘密の部屋へ身を隠す。公森しか知らない大きなラボだ。
「これを作ってくれた川原さんには感謝だね。さて、とびきり濃厚なピラニア酸作ろうかな」
公森もウキウキで濃硫酸と過酸化水素を作り上げる。その濃硫酸と過酸化水素水も、公森が1から作り上げたもので公森しか知らない独自製法の特別製。
とあるクラッシャーズは、それぞれの家で筋肉を鍛えていた。寺野は、作用反作用の法則に基づいて足裏から徹底的に鍛える。
「まだだ…。強化ガラス割れるくらいまで鍛えないと…」
湯田は、重さ120キロのダンベルでデッドリフトをするというタフさを家の中で行う。人生はパワーだと言わんばかりに鍛える姿は、海を越えてアメリカのジムにいるボディービルダーを彷彿とする。
「胸筋良し!次は…腕立て伏せで背筋も考えると、10キロのダンベル6個がリュックに入ってるものを背負ってしようかな」
日本のボディービルダーも目を疑うトレーニング方法をする。ボディービルダー日本代表に選ばれるような、過激すぎる絞り方を行った。
それぞれが堀田と化学部をぶっ潰す準備を進めた。恨みを抱いた人は、それ以上に殺意が漲っているようだ。
「到着~って言っても静かにしないとね…。欅、片目がやられてるようだね」
「うるっさいなぁ。下原は場所を考えたらどうだ?しかも物理部全員で来るなんて…」
予備のパソコンで趣味の住所特定をニヤニヤしながら作業する。一段落した時、目の状態と皮膚の治療期間を部員らに公開した。
「失明はないけど、皮膚がやばいみたいだ。皮膚移植はしないつもりだよ。でも、視力の回復と皮膚の炎症を抑えなきゃいけないから抗生剤の入った点滴を打って回復力を強めてる」
失明の恐れはないようだったので、部長の石角は特に一安心した。
欅は公森の存在に気づく。
「公森さん…?何故ここにいるの」
「何故って言っても信じ難いかもしれないけど、物理部に寝返るの。堀田を私自身の手で潰したいけど物理部も堀田によって迷惑かけてしまったから、協力して計画的に潰そうということよ」
「なるほど潰すのか…え?堀田を潰すのは無謀すぎだろ」
欅は気が動転する。堀田には知られざる過去がある事を周りに話す。それも、欅から放たれる言葉は重いものだ。
「堀田は、化学部創設当初に爆弾を生徒に作らせようとしたんだ。でもその実験は失敗して前にいた学校を追い出されたわけだけど、とある条件で復帰した。それは化学部の大会で連勝連覇をするというもの。公森さんがずっと仕事を投げていたのは、優勝のために戦略を立てていたのさ。まさに軍師だ」
堀田の過去と同時に、何故か引っかかるものがあった。
公森の訴えは、今の現代社会で言えば過労と仕事の押し付けに値する。元から仲が良いとは言い切れない欅と公森だが、堀田に対する嫌な気持ちは一緒なので話は早かった。
「なら、この件は物理部員と公森に任せるよ。僕は皮膚の回復でもう少し入院みたいだから全て終わった時に連絡してくれると嬉しい」
「言われなくてもどうなったかくらい連絡してやるよ!私もこう見えてアシッドスターだから」
アシッド…それは酸という意味なので今までの強酸性液体による妨害と調合は彼女がやってきた事を資料にまとめ、それを川原たちが使用していたに違いないと欅は推理する。
欅の病状が回復する事を祈り、公森含む物理部員は病院を出た。
「アシッドスターにフットクラッシャー、そしてUSBクラッシャー…。この部活も遂に過激派テロリストへと進化しちまったのかな」
「石角が言うことかよ…。お前はダークランナーだろ」
「走ること好きだからって調子に乗るなよ下原!」
この2人は、相変わらずのご様子だ。
公森は、スマホのスケジュール表を見ながら実行日とその場所を確認する。
「堀田の大会は、1週間後だから石角君たちはそれまでに柿渋を作ってほしい。私は最強濃度のピラニア酸を調合するから」
「了解。それまでに寺野と湯田には、鍛えてもらおうかな。足と腕の筋肉をマッスルしないとね」
「足が唸るぜ!」
「ムキッと決めるぜ」
脳筋クラッシャーズの爆誕だ。2人それぞれの鍛えられた足と腕は、横に並ぶだけで異様な空気を放つ。
そのまま部員たちはそれぞれ帰宅するが、石角と富林は部室へと戻る。柿渋の準備に取り掛かった。
「この渋柿で良いんだよね?」
「それで大丈夫。あとは熟成壺を使っていけば完成するはず」
まともな2人なので、作業はトントンと進む。対堀田毅柿渋爆弾を作るべく、殺意と丹精を込めて熟成を始めた。
「楽しみだなぁ~。どんな顔で俺たちの前に現れるかな」
「担任なのにそんなこと言って良いんか?流石にその発言はヤバいぞ」
「良いの!楽しければそれで問題なし」
石角の心配は二の次で考える富林だが、富林も恨み持ちのような言い方をするので、石角は不思議と笑えた。
一方の公森は、ピラニア酸を作るために知られざる化学部室の奥にある秘密の部屋へ身を隠す。公森しか知らない大きなラボだ。
「これを作ってくれた川原さんには感謝だね。さて、とびきり濃厚なピラニア酸作ろうかな」
公森もウキウキで濃硫酸と過酸化水素を作り上げる。その濃硫酸と過酸化水素水も、公森が1から作り上げたもので公森しか知らない独自製法の特別製。
とあるクラッシャーズは、それぞれの家で筋肉を鍛えていた。寺野は、作用反作用の法則に基づいて足裏から徹底的に鍛える。
「まだだ…。強化ガラス割れるくらいまで鍛えないと…」
湯田は、重さ120キロのダンベルでデッドリフトをするというタフさを家の中で行う。人生はパワーだと言わんばかりに鍛える姿は、海を越えてアメリカのジムにいるボディービルダーを彷彿とする。
「胸筋良し!次は…腕立て伏せで背筋も考えると、10キロのダンベル6個がリュックに入ってるものを背負ってしようかな」
日本のボディービルダーも目を疑うトレーニング方法をする。ボディービルダー日本代表に選ばれるような、過激すぎる絞り方を行った。
それぞれが堀田と化学部をぶっ潰す準備を進めた。恨みを抱いた人は、それ以上に殺意が漲っているようだ。
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