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28話:復活の高額費用
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翌日学校へ爪楊枝タワー大会優勝の報告を行った。水素自動車の修理は2週間だったので、全校生徒へのお披露目は余裕を持って3週間後と決まった。しかし、物理部の優勝に対して納得のいかない部活が1組あった。
「なぜあんなに策を講じたのにダメだったの?川原。何か言ったのか?」
「申し訳ありません。物理室へ侵入した際、罠にはまってしまったもので…」
「部長としてはあり得ない。次はないと思え」
「分かりました。堀田先生」
欅は留学先にて奮闘している前桜とテレビ電話のためにビデオへ繋げていた。彼女も物理部の一員であるため、伝えなければいけないというものだ。そんな準備をしているうちに部員が続々と部屋へ入ってきた。
「おっす!準備できてるね。よしよし」
「梓馬先生も話すのですか?」
「当たり前だろ。一応顧問だし」
社長兼顧問の割には子供すぎる意見を言う梓馬だったが、部屋へ入ってきた理由はそれだけではないようだ。
「欅~準備できた?」
「お?誰か来てるよ。誰かな…」
停学ボーイズの寺野と下原が入室した。寺野は梓馬の姿を見て青くなった。
「げ…先生…」
「おー寺野君じゃないか、話があるが車の修理費を払ってもらおうか!」
優勝でもらった車を破壊したという罪で昨夜は追いかけ回った2人だったが、車の故障具合は廃車寸前でエンジンルームから変えるほどの最悪だった。費用を見た寺野は血の気を失いかけていた。
「高すぎる…。ほぼ新車の値段と一緒だ…」
「え、お前何してんの?見せて見せて」
見せてはいけない下原も近寄ってその額を見た瞬間、寺野の顔を見ながらドンマイと肩をポンポン叩いた。またも入ってきたと思ったら喬林率いる物理部ガールズが入ってきた。
「梓馬先生だー!てか寺野なんで青ざめてて下原はポンポン肩を叩いてんの?」
「喬林さんの言う通りだよ。何か見てるよ。見てみようよ」
「私も私もー」
鶴居と加賀木は紙を奪い取って読んだ。2人は腹抱えて笑った。
「寺野ドンマーイ!700万円ってこんな年齢で請求されるの草生えるわ」
「寺野先輩もヤバいですね。流石フットクラッシャーだ…」
寺野は反省をしていたが、どのようにして返すのかを考えている中下原の一言で狂喜乱舞となった。
「じゃあさ、前山に言って前借りしとこうぜ。噂によればだが学生なのに株で稼いでお金を増やしてるみたいだよ」
「株で稼いでるのはすごいけど700万借りるって銀行から融資貰ってるようにしか思えんわ。てか、あのストーカーが持ってるってヤベェな」
前山と同じクラスメートでもある下原と喬林だが、なぜ下原だけがこの事を知ってるのか分からなかった。しかしその話を聞いて一同は大爆笑した。特に、梓馬は学生でストーカーというパワーワードにハマってしまった。
「いや流石にストーカーは警察沙汰だよ。それで金稼いでるってどこかの成金社長かよ(笑)この中でその前山という男に借りてるってやついるか?」
「ここにいまーす」
下原が笑顔で高々と手を上げた瞬間大爆笑した。しかも、喬林にも借りてることを話した瞬間追いかけっこが始まった。
「早く返せよ!闇金って裏で言われてんだから冗談抜きで下原お金返せよ」
「ごめんって。漫画借りたり、推しのキャラクター当てるために課金したらもう金欠になったからさ…だからって竹刀持ってバンバン頭めがけて叩くのやめてよ。痛い」
下原の頭に5回クリーンヒットした。その後、富林と左右田も入室してテレビ電話を開始する事となった。テレビ電話に映る前桜の姿は、パリピでドレスをあしらっている。
「みんなー大会どうだった?」
「石角です。優勝したよ!副賞の水素自動車も手に入ったけど、寺野がエンジンぶっ壊して修理に出してます」
前桜は笑う。寺野らしい、フットクラッシャーという名に相応しい行動ぶりである事を見込んだ笑みだと考えた。
「私もあとちょっとで帰るからみんな構ってよね!あ、下原については色々話あるからかくごしとけよな」
男勝りな前桜に、またも大爆笑の嵐。ワイワイガヤガヤと話しながら前桜とのテレビ通話は幕を閉じた。
片付けようと欅がパソコンの電源と映写機に繋がるケーブルに手をかけた時、招かれざる客が部室へと入る。
「おやおや、優勝して有頂天ですか。物理部もここまで堕ちてしまったのですね。暗黒期から脱したと言って調子に乗るのは、今のうちですよ」
「堀田!?」
白衣がパツパツの堀田が、物理部の優勝に異議を唱える。しかも堀田の手には謎の袋を下げていた。
「うちの欅を盗んで、しかも計画まで潰してきたのですからこれくらいはしても良いですよね?化学部の大会に邪魔が入らないようにしておくので」
袋から取り出したのは、投げるとシャワー状に拡散できるように仕組まれた熱濃硫酸入りのポーションを欅の手と顔目掛けてぶち投げた。
「痛い…やばい。水を流して、くれ。顔にまでかかった」
「欅良人。君が悪いんだよ?化学部を退部して物理部の心臓部にまで上り詰めて優勝に導くだなんて、あってはならないこと。それでは梓馬先生と物理部の皆さん。バイバーイ」
すぐに寺野がバケツに水を汲んで欅の頭からぶっ掛けた。欅が使っているパソコンは溶けて使えなくなり、着用しているメガネまで簡単に使用不可になるほどの威力だ。
「大丈夫か?今すぐ病院に行こう」
「梓馬先生…ありがとうございます」
酸の痛みに耐えれず、欅の意識が遠のく。薄れる中、部員たちの声と復讐計画を唱えるやつも出てきた。しかし、欅はそのまま目を閉じて病院へと搬送された。
「なぜあんなに策を講じたのにダメだったの?川原。何か言ったのか?」
「申し訳ありません。物理室へ侵入した際、罠にはまってしまったもので…」
「部長としてはあり得ない。次はないと思え」
「分かりました。堀田先生」
欅は留学先にて奮闘している前桜とテレビ電話のためにビデオへ繋げていた。彼女も物理部の一員であるため、伝えなければいけないというものだ。そんな準備をしているうちに部員が続々と部屋へ入ってきた。
「おっす!準備できてるね。よしよし」
「梓馬先生も話すのですか?」
「当たり前だろ。一応顧問だし」
社長兼顧問の割には子供すぎる意見を言う梓馬だったが、部屋へ入ってきた理由はそれだけではないようだ。
「欅~準備できた?」
「お?誰か来てるよ。誰かな…」
停学ボーイズの寺野と下原が入室した。寺野は梓馬の姿を見て青くなった。
「げ…先生…」
「おー寺野君じゃないか、話があるが車の修理費を払ってもらおうか!」
優勝でもらった車を破壊したという罪で昨夜は追いかけ回った2人だったが、車の故障具合は廃車寸前でエンジンルームから変えるほどの最悪だった。費用を見た寺野は血の気を失いかけていた。
「高すぎる…。ほぼ新車の値段と一緒だ…」
「え、お前何してんの?見せて見せて」
見せてはいけない下原も近寄ってその額を見た瞬間、寺野の顔を見ながらドンマイと肩をポンポン叩いた。またも入ってきたと思ったら喬林率いる物理部ガールズが入ってきた。
「梓馬先生だー!てか寺野なんで青ざめてて下原はポンポン肩を叩いてんの?」
「喬林さんの言う通りだよ。何か見てるよ。見てみようよ」
「私も私もー」
鶴居と加賀木は紙を奪い取って読んだ。2人は腹抱えて笑った。
「寺野ドンマーイ!700万円ってこんな年齢で請求されるの草生えるわ」
「寺野先輩もヤバいですね。流石フットクラッシャーだ…」
寺野は反省をしていたが、どのようにして返すのかを考えている中下原の一言で狂喜乱舞となった。
「じゃあさ、前山に言って前借りしとこうぜ。噂によればだが学生なのに株で稼いでお金を増やしてるみたいだよ」
「株で稼いでるのはすごいけど700万借りるって銀行から融資貰ってるようにしか思えんわ。てか、あのストーカーが持ってるってヤベェな」
前山と同じクラスメートでもある下原と喬林だが、なぜ下原だけがこの事を知ってるのか分からなかった。しかしその話を聞いて一同は大爆笑した。特に、梓馬は学生でストーカーというパワーワードにハマってしまった。
「いや流石にストーカーは警察沙汰だよ。それで金稼いでるってどこかの成金社長かよ(笑)この中でその前山という男に借りてるってやついるか?」
「ここにいまーす」
下原が笑顔で高々と手を上げた瞬間大爆笑した。しかも、喬林にも借りてることを話した瞬間追いかけっこが始まった。
「早く返せよ!闇金って裏で言われてんだから冗談抜きで下原お金返せよ」
「ごめんって。漫画借りたり、推しのキャラクター当てるために課金したらもう金欠になったからさ…だからって竹刀持ってバンバン頭めがけて叩くのやめてよ。痛い」
下原の頭に5回クリーンヒットした。その後、富林と左右田も入室してテレビ電話を開始する事となった。テレビ電話に映る前桜の姿は、パリピでドレスをあしらっている。
「みんなー大会どうだった?」
「石角です。優勝したよ!副賞の水素自動車も手に入ったけど、寺野がエンジンぶっ壊して修理に出してます」
前桜は笑う。寺野らしい、フットクラッシャーという名に相応しい行動ぶりである事を見込んだ笑みだと考えた。
「私もあとちょっとで帰るからみんな構ってよね!あ、下原については色々話あるからかくごしとけよな」
男勝りな前桜に、またも大爆笑の嵐。ワイワイガヤガヤと話しながら前桜とのテレビ通話は幕を閉じた。
片付けようと欅がパソコンの電源と映写機に繋がるケーブルに手をかけた時、招かれざる客が部室へと入る。
「おやおや、優勝して有頂天ですか。物理部もここまで堕ちてしまったのですね。暗黒期から脱したと言って調子に乗るのは、今のうちですよ」
「堀田!?」
白衣がパツパツの堀田が、物理部の優勝に異議を唱える。しかも堀田の手には謎の袋を下げていた。
「うちの欅を盗んで、しかも計画まで潰してきたのですからこれくらいはしても良いですよね?化学部の大会に邪魔が入らないようにしておくので」
袋から取り出したのは、投げるとシャワー状に拡散できるように仕組まれた熱濃硫酸入りのポーションを欅の手と顔目掛けてぶち投げた。
「痛い…やばい。水を流して、くれ。顔にまでかかった」
「欅良人。君が悪いんだよ?化学部を退部して物理部の心臓部にまで上り詰めて優勝に導くだなんて、あってはならないこと。それでは梓馬先生と物理部の皆さん。バイバーイ」
すぐに寺野がバケツに水を汲んで欅の頭からぶっ掛けた。欅が使っているパソコンは溶けて使えなくなり、着用しているメガネまで簡単に使用不可になるほどの威力だ。
「大丈夫か?今すぐ病院に行こう」
「梓馬先生…ありがとうございます」
酸の痛みに耐えれず、欅の意識が遠のく。薄れる中、部員たちの声と復讐計画を唱えるやつも出てきた。しかし、欅はそのまま目を閉じて病院へと搬送された。
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