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「あたしが初めて緋花に会ったとき、今の宰ちゃんみたいに絶望していたの、緋花がね。あたしが、宰ちゃんのセリフを当てることができたのは初対面の友達に言われたからって、言ったよね。その友達が緋花だった。まぁ、絶望してた緋花を必死に否定して、明日も対面で会うっていう約束を押し付けたんだけど」
「それで?」
「約束は破れない質なんでしょうね。ちゃんと緋花は翌日も来てくれた。毎日毎日積み重ねるうちに友達になって、親友になって、、、。緋花の表情も変わっていった。ずっと、このまま続いていくものだと思っていたのに」
沙和子さんは悔恨をにじませた。宰から返却されたスケッチブックを抱きしめる。
「突然、緋花は死んだ。あんなに楽しそうにしていたのに。消えてしまったのよ。あたしは、いまだに緋花の真意の全ては分からない。けれど、、、薄々思っているものはあって」
「なんですか?」
「よく、あるじゃない。今の時間が楽しすぎて、このまま時間が過ぎていくことにぼんやり不安になる、、、みたいな。あたしには、緋花が満ち足りていたのかも、分からないけれど、、、実際、大した理由じゃなくて、その程度の理由なんじゃないかなって」
この、沙和子さんの仮説を、緋花は聴いているのだろうか。
「自分の生きた証が欲しい、、、そう、緋花は言っているんでしょ?」
「はい」
「なら、とっておきのものを教えてあげる。伝えてあげて頂戴」
小声で沙和子さんが口にしたことは、宰も知らないことだった。
「それで?」
「約束は破れない質なんでしょうね。ちゃんと緋花は翌日も来てくれた。毎日毎日積み重ねるうちに友達になって、親友になって、、、。緋花の表情も変わっていった。ずっと、このまま続いていくものだと思っていたのに」
沙和子さんは悔恨をにじませた。宰から返却されたスケッチブックを抱きしめる。
「突然、緋花は死んだ。あんなに楽しそうにしていたのに。消えてしまったのよ。あたしは、いまだに緋花の真意の全ては分からない。けれど、、、薄々思っているものはあって」
「なんですか?」
「よく、あるじゃない。今の時間が楽しすぎて、このまま時間が過ぎていくことにぼんやり不安になる、、、みたいな。あたしには、緋花が満ち足りていたのかも、分からないけれど、、、実際、大した理由じゃなくて、その程度の理由なんじゃないかなって」
この、沙和子さんの仮説を、緋花は聴いているのだろうか。
「自分の生きた証が欲しい、、、そう、緋花は言っているんでしょ?」
「はい」
「なら、とっておきのものを教えてあげる。伝えてあげて頂戴」
小声で沙和子さんが口にしたことは、宰も知らないことだった。
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