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第3章. 親が子に、子が親に捧げる日々
32. もう一人の登場
しおりを挟む「ジョン君!
今日はお魚を獲りに行こうよ!
明日はカズマが来るからね、BBQのときに焼く魚が欲しいでしょ?
だから今日は釣りに行こう」
あれからアキラさんはすごく元気に動き回っている。
だいたい僕が午前中におじいちゃんと一緒に狩りに行って、午後からは自由時間という感じになっている。
アキラさんは午前中はデスクワーク的なことをしている。
よくわからない書類に目を通したり、損益計算書の数字が合わない!っておじいちゃんに詰め寄ったり…
領収証が足りない!!って田中さんと探してたりしている。
「アキラ君が経理をやってくれるようになってめちゃくちゃ助かるんじゃが……あの子はちょっとキッチリし過ぎなくらいキッチリしとるからなぁ
はぁ……また怒られたわい」
アキラさんはなんてったって『生徒の模範』を目指してる方ですからね?
僕にはよくわからないけど……
っということで午後から屋敷からちょっと離れたところにある川に釣りに来ました。
ここらへんなら魔獣もあまりこないし、来ても僕がサクッと殺りますから大丈夫だし、楽しく二人で釣りをしてるのに……
すごく嫌な邪魔者の匂いがする。しかも、これは不味いなぁ…
アキラさんはまだ邪魔者の存在に気づいていないようだけど、どうしようかな?
僕だけで対処したいけど、アキラさんを一人にして川に落ちたりしたら大変だし、魔物の臭いとかはしないけど、どうしようか悩んでいると……
「ふわぁ……ジョン君、見てよ!すごく綺麗な牙狼がいるよ?
ジョン君に会いに来たのかな?知り合いか何かだったりする?」
アキラさんに見つかってしまった。
崖の上に銀色の艶のある毛並みの短毛種の牙狼が僕達を見下ろすようにいる。
鼻腔をくすぐるような、熟れた果実のような匂い…小さく聞こえる甘えたような喉を鳴らす声
アキラさんと出会う前の僕ならホイホイついて行っただろうが…
今はまったくそそられない
熟れた果実の臭いは下品な芳香剤のように感じるし、甘えた声は耳障りにしか感じない
我ながら変わったなっと思うけど……
小さく威嚇の声を喉から鳴らすと
牙狼は少し驚いたような顔をして、アキラさんを睨むように見下ろしだした。
ヴヴゥヴウ…!!
本格的に威嚇の声を発すれば、銀髪の牙狼はプイッと興味を失せたっとばかりに去って行った。
「えっ?……今のって……っっっそういうことか」
アキラさんが何か察したように、下を向いて口を尖らせて辛そうな顔をしていく。
あぁ…しまった……アキラさんの察しの良さが仇になる。
「あの……アキラさん、僕は別にあんな牙狼なんて、全然…」
「わかってるよ…ジョン君が悪いわけじゃないし、あの子が悪いわけじゃないよ…
ただ、ちょっと…僕は…
………もう帰ろう、ちょっと疲れちゃったから」
アキラさんの機嫌が急降下していくのを感じながら、どういう反応したらいいのかわからずにトボトボっとアキラさんの後をついていくしかなかった。
今日はお魚を獲りに行こうよ!
明日はカズマが来るからね、BBQのときに焼く魚が欲しいでしょ?
だから今日は釣りに行こう」
あれからアキラさんはすごく元気に動き回っている。
だいたい僕が午前中におじいちゃんと一緒に狩りに行って、午後からは自由時間という感じになっている。
アキラさんは午前中はデスクワーク的なことをしている。
よくわからない書類に目を通したり、損益計算書の数字が合わない!っておじいちゃんに詰め寄ったり…
領収証が足りない!!って田中さんと探してたりしている。
「アキラ君が経理をやってくれるようになってめちゃくちゃ助かるんじゃが……あの子はちょっとキッチリし過ぎなくらいキッチリしとるからなぁ
はぁ……また怒られたわい」
アキラさんはなんてったって『生徒の模範』を目指してる方ですからね?
僕にはよくわからないけど……
っということで午後から屋敷からちょっと離れたところにある川に釣りに来ました。
ここらへんなら魔獣もあまりこないし、来ても僕がサクッと殺りますから大丈夫だし、楽しく二人で釣りをしてるのに……
すごく嫌な邪魔者の匂いがする。しかも、これは不味いなぁ…
アキラさんはまだ邪魔者の存在に気づいていないようだけど、どうしようかな?
僕だけで対処したいけど、アキラさんを一人にして川に落ちたりしたら大変だし、魔物の臭いとかはしないけど、どうしようか悩んでいると……
「ふわぁ……ジョン君、見てよ!すごく綺麗な牙狼がいるよ?
ジョン君に会いに来たのかな?知り合いか何かだったりする?」
アキラさんに見つかってしまった。
崖の上に銀色の艶のある毛並みの短毛種の牙狼が僕達を見下ろすようにいる。
鼻腔をくすぐるような、熟れた果実のような匂い…小さく聞こえる甘えたような喉を鳴らす声
アキラさんと出会う前の僕ならホイホイついて行っただろうが…
今はまったくそそられない
熟れた果実の臭いは下品な芳香剤のように感じるし、甘えた声は耳障りにしか感じない
我ながら変わったなっと思うけど……
小さく威嚇の声を喉から鳴らすと
牙狼は少し驚いたような顔をして、アキラさんを睨むように見下ろしだした。
ヴヴゥヴウ…!!
本格的に威嚇の声を発すれば、銀髪の牙狼はプイッと興味を失せたっとばかりに去って行った。
「えっ?……今のって……っっっそういうことか」
アキラさんが何か察したように、下を向いて口を尖らせて辛そうな顔をしていく。
あぁ…しまった……アキラさんの察しの良さが仇になる。
「あの……アキラさん、僕は別にあんな牙狼なんて、全然…」
「わかってるよ…ジョン君が悪いわけじゃないし、あの子が悪いわけじゃないよ…
ただ、ちょっと…僕は…
………もう帰ろう、ちょっと疲れちゃったから」
アキラさんの機嫌が急降下していくのを感じながら、どういう反応したらいいのかわからずにトボトボっとアキラさんの後をついていくしかなかった。
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