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第2章. 反乱の野心
27. 迅雷の勢いで
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カミツレの基地から出て、シアとアリジスは走って少し離れた草原まで向かった。相変わらずめちゃくちゃ速い。
アリジスは少し息が上がっているが、シアは全く疲れた様子はない。
アリジスはシアから50メートルほど離れた場所まで歩き、こちらを向いた。
シアは俺を降ろして右手を握って剣となった。
俺が左手を開いてシアに沿わせると具現化した魔力が蓄積し、プロテクションが現れる。その板は細かく散って高速移動でシアの周りを高速回転しながらついて来る。
「んっ? 何したの?」
「なんでも無いよ」
アリジスも左手で背中の太刀を鞘ごと構え、水平に抜刀して前傾姿勢となった。太刀は白金色の刃が輝いている。
「じゃあ、始めましょうか」
「いざ、参らん」
アリジスは左足を大きく踏み込み、体を右斜め後ろに向けた。剣先は後ろ下方に向けている。
二人は同時に飛び出し、アリジスが太刀を下から切り上げて俺の胴体を狙って来る。俺はシアでアリジスの太刀を右上から左下に払った。剣の刃が当たった瞬間、アリジスは剣の動きの向きを変え、もの凄い速度で俺の左側面から切りつけて来る。
一度距離を取って双方剣を構え直す。
「さすがの剣技だな、アリジスさん」
「伊達に20年も刀を握っていない。それに私は魔法が使えないから剣技で差をつけるしかないんだよ。今度こそは守るために」
アリジスは太刀に魔力を込めて剣身に電気を纏わせた。
魔法は使えなくても魔力の包含はできるんだな。
「レクロマ、魔法の可不可は魔力の有無ではないの。魔力が無い人は基本的にいない。魔道具に魔力を流すことで魔法に似た効果を発することがきるんだよ」
「魔法が使えるだけでは大したアドバンテージにはならないってことだよ」
「へぇ、面白いですね」
レクロマは胸を張って魔力の翼を4枚出す。そのまま浮き上がり、羽ばたいてその場に留まる。
アリジスは太刀を振るって袈裟懸けに斬り、さらに逆に切り上げた。すると二本の雷撃が剣身から飛び出した。
「雷撃をこんなスピードで飛ばせるなんて」
「それでも向かって来るか。少しはおまえのことがわかった気がするよ」
電撃に正面から向かっていき、既の所で身を翻す。二本の雷撃の僅かな隙間を体が通る。
「相変わらず、信じられない身のこなしね、レクロマ」
「当たりそうになったら消そうと思ってたが、その必要もないみたいだな。だが、これは避けられないだろ」
そう言ってアリジスは太刀の先を円形に動かした。すると、円形の雷撃が真っ直ぐ向かって来た。だが、その速度は速くない。走って避けられる程度だ。
飛翔してアリジスの元へ向かおうと雷撃に近づいた。すると、雷撃は球状に収縮し、オレンジ色だった光は白い光に変化した。その白い光の玉から放電され、電気の筋が無数に飛び出してくる。
「油断したな、レクロマ君」
そう言ってアリジスは光の玉から距離をとって後ろに跳んだ。
光の玉はさらに小さくなっていきやがて
見えなくなった。その瞬間、バチバチと音をたてて電気の球が急速に広がり、近づいて来た。
まずい、早くなんとかしないと
一瞬上に上昇し、急いで下降して手のひらを地につける。すると2メートルもあろう岩が次々に現れ、球の方に向かっていく。岩が球に触れると、球の電気が地面に流れて一瞬弱まったように見えた。
それでも球は消えない。岩が砕け始め、飛び散る。
「ぐぅっ……しまった」
岩の破片が体に突き刺さる。結構痛い。失敗したな。まさか岩に触れても消滅しないなんて……
球は岩に触れる度に弱まっていき、しまいには消えた。
「かなり強い技だ。どう対処すればいいのか」
「もう一度行くぞ」
アリジスは少し息が上がっているが、シアは全く疲れた様子はない。
アリジスはシアから50メートルほど離れた場所まで歩き、こちらを向いた。
シアは俺を降ろして右手を握って剣となった。
俺が左手を開いてシアに沿わせると具現化した魔力が蓄積し、プロテクションが現れる。その板は細かく散って高速移動でシアの周りを高速回転しながらついて来る。
「んっ? 何したの?」
「なんでも無いよ」
アリジスも左手で背中の太刀を鞘ごと構え、水平に抜刀して前傾姿勢となった。太刀は白金色の刃が輝いている。
「じゃあ、始めましょうか」
「いざ、参らん」
アリジスは左足を大きく踏み込み、体を右斜め後ろに向けた。剣先は後ろ下方に向けている。
二人は同時に飛び出し、アリジスが太刀を下から切り上げて俺の胴体を狙って来る。俺はシアでアリジスの太刀を右上から左下に払った。剣の刃が当たった瞬間、アリジスは剣の動きの向きを変え、もの凄い速度で俺の左側面から切りつけて来る。
一度距離を取って双方剣を構え直す。
「さすがの剣技だな、アリジスさん」
「伊達に20年も刀を握っていない。それに私は魔法が使えないから剣技で差をつけるしかないんだよ。今度こそは守るために」
アリジスは太刀に魔力を込めて剣身に電気を纏わせた。
魔法は使えなくても魔力の包含はできるんだな。
「レクロマ、魔法の可不可は魔力の有無ではないの。魔力が無い人は基本的にいない。魔道具に魔力を流すことで魔法に似た効果を発することがきるんだよ」
「魔法が使えるだけでは大したアドバンテージにはならないってことだよ」
「へぇ、面白いですね」
レクロマは胸を張って魔力の翼を4枚出す。そのまま浮き上がり、羽ばたいてその場に留まる。
アリジスは太刀を振るって袈裟懸けに斬り、さらに逆に切り上げた。すると二本の雷撃が剣身から飛び出した。
「雷撃をこんなスピードで飛ばせるなんて」
「それでも向かって来るか。少しはおまえのことがわかった気がするよ」
電撃に正面から向かっていき、既の所で身を翻す。二本の雷撃の僅かな隙間を体が通る。
「相変わらず、信じられない身のこなしね、レクロマ」
「当たりそうになったら消そうと思ってたが、その必要もないみたいだな。だが、これは避けられないだろ」
そう言ってアリジスは太刀の先を円形に動かした。すると、円形の雷撃が真っ直ぐ向かって来た。だが、その速度は速くない。走って避けられる程度だ。
飛翔してアリジスの元へ向かおうと雷撃に近づいた。すると、雷撃は球状に収縮し、オレンジ色だった光は白い光に変化した。その白い光の玉から放電され、電気の筋が無数に飛び出してくる。
「油断したな、レクロマ君」
そう言ってアリジスは光の玉から距離をとって後ろに跳んだ。
光の玉はさらに小さくなっていきやがて
見えなくなった。その瞬間、バチバチと音をたてて電気の球が急速に広がり、近づいて来た。
まずい、早くなんとかしないと
一瞬上に上昇し、急いで下降して手のひらを地につける。すると2メートルもあろう岩が次々に現れ、球の方に向かっていく。岩が球に触れると、球の電気が地面に流れて一瞬弱まったように見えた。
それでも球は消えない。岩が砕け始め、飛び散る。
「ぐぅっ……しまった」
岩の破片が体に突き刺さる。結構痛い。失敗したな。まさか岩に触れても消滅しないなんて……
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「かなり強い技だ。どう対処すればいいのか」
「もう一度行くぞ」
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