剣導部

偽りの聖母

81.5話 けれどそれは、突然におわる

81.5話　けれどそれは、突然におわる

はあっ！やあ！ていやっっ！！
ズッ…カンッ！！ガキンッ！

雅美の素早い連擊が神住を襲う

防戦一方の神住、ついに体制が崩れる

っ！？しまった――

もらいましたあああ！！！

ザシュ！

雅美の鋭い切り上げが入る。
隙は一瞬、けれど見逃すはずはない。
雅美は神住を見て育ったのだから。

あちゃあ…浅かったか。ううんっ、次は入れます！

今のはなかなかでした。来なさい。
ただし、斬られるのは雅美、あなたですけれど

臨むところっっ…！！ふっ！

とてつもない力で地面を蹴り、ロケットスタートする雅美、即座に雀匂を振り下ろす。だが

パシンッ！

弾かれた…！？


雅美さん、あなたは立会をとても楽しんでいますね。楽しんでいる身として嬉しく思います。
けれど、あなたとわたくしとでは
決定的に違うところがあります。それは―

必要だから、などという義務感ですよ。義務感で始まり義務感のなかで楽しさを見つけていてもわたくしには敵いません。はあっ！！

神住の凪払いが入る

ぐあっ！？

安心してください、峰打ちですよ。

決着だ。立っていたのは神住だった。

だはあ！負けたー！なんか久しぶりに負けました！
やっぱり悔しいです…！負けるのは

けれど雅美さん、あなたはとても強かったですよ。それと、とても楽しそうでした。

えへへ…そうですか？
神住選手はやっぱり強いや！

雲ひとつない青空のような笑顔で雅美は言った。