剣導部

九重死処/shiori

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春途の春

20話

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20――

じゃあ行こうか。時間も少ないし、早めに出よう。
買い物だ!

「了解です!今行きますよ~!」
「というかなんで買い物?筋トレですよね…?」

筋トレなんだよ、買い物が。まあ行けばわかる。

「はあ…たしかにそうかもですね!」

なんか半信半疑を越えた
レベルの7信半疑状態か?こりゃ。

まあいいや。

とかいう間に着いたー!スーパー!

「何買います~?筋トレとかいうなら
やはり飲み物でしょうか!?」

むっ、なんか鋭いな。

「よっしゃ!当たりですねー!?」

いいやちがう。違うんだなあ、これが。

「ええっ!?じゃ、じゃあなにをー?」

スポーツドリンクの粉末だ!
「けどあれは別に重くないんじゃ…?」
まあそうだね、けどお店は他も周るから周る店の数に比例して荷物が重くなるよ!

「なるほど!流石お兄さんです!」

まあね、よし次はスポーツ用品店だ!
それと買物袋を持つ時は腕をくの字にしてね?

「はーい!」

着いた!スポーツ用品店!
どう?刃張、まだまだ持てそう?

「いけますよ!当然です!」
流石だな。けど今回買うものは少し重いよ~?

「どんとこい!ですよ!」

ここではたおる汗拭きタオルと巻くタイプのグリップを買うよ~!タオル重いから注意ね!

数分後…。

「確かに少しだけ重いですね~。
けどこれならまだいけますっっ!!」

おっ、言うねえ。けど今回はこんなものかな。

「え~、なんでですかあ…。」

すまないね、一応小分けにして買い出ししてたんだけど、必要なものは集まっちゃって。

「ならこうしましょう!
買い食いです!買い食い!」

え?時間は…平気か。少しだけな?

「わーい!やったあ!!ねね?お兄さん
どこ行きます~?」

買い食いといったらそりゃあ――

「コンビニエンスストア、ですね!」

だな。刃張はコンビニ、よく行くのか?

「いえそれが、ぼくの父がコンビニはだめだ!行くならスーパーにしなさいって厳しくて…。」

なら初めてな訳か。よし、とびきりのコンビニグルメを教えよう。

「いいんですか!?やったあ!!」

そうと決まればコンビニへ行こう。

コンビニに入るなり刃張がおかしくなった。

「これがコンビニ!!!わああ!
すごい…すごいですよおおお!!!」

これを声に出して、しかも大声で叫ぶからさあ大変。

おい刃張、他の客もいるから静かにな?

「ああっ、すみません!つい興奮してしまって…」

わかったから、次から気を付けてな?

「はい…。」

それはそれで、だ。

俺の勧める最強のコンビニグルメはコレだ!

ドドンッとかって効果音が付きそうなポーズを決め注目を浴びてしまった。

「これは?」

サラダチキンだ!!肉まんだの唐揚げ棒だの唐揚げさんだの云うヤツは放っとけ!刃張、お前はサラダチキンだけ見てればいいんだ!!

その後も大声で、長々と、
中身のないプレゼンが続き、店員に注意され、刃張には気を遣われてしまった。

すまない、刃張にあれだけ言っておいて。。

「気にしないで下さいよ!お兄さん。そんなことよりサラダチキン美味しいですね~。」

だろ?そうだろう!?

「あ、ははは…。ダメダコリャ」

刃張のサラダチキン美味しいですねが引き金となり大声で、長々と、中身のないプレゼン一言でいうと無駄ゼンが再開、天神高に戻るまで続いたと、後に刃張くんに聞いた。
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