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Stage3 北風明音(ごーくん)VS万条紀羽(クラレント)

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剣導部 剣戟抜粋! Stage3

北風明音(ごーくん)VS万条紀羽(クラレント)

あの時以来だね。元気してた?

それはもう生き地獄ですよ貴女たちのせいでね
とっとと死んでください

立会開始

前回負けた時に誓ったのですよ……お前だけじゃない…神住を認める愚者ども総てを許さないって……。そしたらこの子が、クラレントが応えてくれました。この子は凄いですよ?死ぬ覚悟は出来ていますか?

そう言うと紀羽は緩やかに歩き始めた。
ゆっくり、ゆっくりと。明音目掛けて歩き始めた。

な~んか悠長なもんね~。アッチから行くよ!!
ダッ!!

明音は地面を強く蹴り疾風のように前進した。
そして飛び上がり上から鉄拳を打ち下ろす――

ガツッ!
直後土埃が舞い、辺りを隠した。

やった!

確かに手応えがあった。頭蓋骨を殴るその感覚が。
土埃が消えかかり勝敗が視覚的に判るころ

やっぱりやるわね。けれどそれじゃ―
そんなんじゃあ届かないわ。

!?

掴んでいた。なんと紀羽は明音の腕を掴んでいたのだ。

これで詰みね。さようなら

間髪入れず紀羽は明音の右胸目掛けて突きを放つ

だろう、ね。ならこうする…!
なんと明音は身体を左に捻り強引に避けた

紀羽に掴まれた腕を振りほどくと2、3歩後退し紀羽を見る。

ふぅん…。往生際が悪いのね。次は仕留める。

そう簡単にやられはしないよ!
うらあああああ!!!!

明音はまたもや紀羽目掛けて一直線に突撃した。

……はあ…お前はほんとバカね…。
死にかけた方法で再挑戦するかよ普通

チャキッ…

おりゃああああ!!!

ガツンッ!
紀羽の前に立ち、正拳突きを放つ。

今度はとったああ!!

右肩を折った、たしかにそう感じた。だが―

あらら。残念だったわね。とってはいないわ。

!?

たしかに折れていた。右肩の骨がしっかりと。
実は先ほど入れた一撃も頭蓋骨に亀裂を入れていた。

もういい?流石に疲れてきたんだけど……。

いいやまだだめ。もっと楽しもうよ!
ふっ!

今度は右脇腹にクリーンヒット、ヒトなら崩れ落ちるハズだが

全然効かないね~。ごめんね~。動いちゃうね~。

まだね…やっぱり終わらないのよ……終われないのよ…!

あたしなんか要らない…他はもっと要らない…
邪魔な存在もろとも喰らい尽くせ…!
(デスペラード・ドレス)

直後、紀羽の全身に赤黒いモヤがかかる。

なに…それ……紀羽……大丈夫なの…?

うるさい!この魔導はね…?すんごいの!脳内をトラウマで埋め尽くすことで負の感情を身に纏う魔導なんだよっ!

そんなの…危ないじゃん…!!解除しなよ!

出来ないよそれは…!これが解除されるのはあたしが倒れた時だけだもの!

そんなこと…

さあどうする?今あたしを倒せれば解除されるけど……あぁ、ごめん無理だねそれは!

いいや、やってやる!
かかってこいってんだ!!

強気ね、面白い!そうこなくちゃ!

ダッ!
今立会にて初めて、紀羽が走り出した。
ぐらあああああ!!!

シュンッ!キンッ!!ガシンッ!

上から下から、紀羽の猛攻が続く。

むむぅ……!?

明音は防戦一方、これは決まる――――。

ここだあ!!
ガシンッ!

紀羽のクラレントを明音が弾いた。
すかさず2発目が入る。

だあっ!

ボンッ!!!

ゴフッ…!?うあああ!!
クラレントの振り下ろしが明音を襲う。


うっ……!?

ザシュ……

クラレントの振り下ろしは明音の背中に向かう――
そして斬れた。

隙ありっっ!!!
ドスッ!

先に動いたのは直撃を受けたはずの明音だった。

うぐぅ…!?
それは紀羽の顔を直撃した。

そろそろ寝ろよお!!はあああああ…………

どーーんっ!!

華麗なアッパーがヒット、決着だ。

な……なんで…斬った、のに……パタリッ

あ~あれ?残念でした!危なかったけど後ろにズレたから傷は浅いよ。紀羽は……って、やばいじゃん!血が止まらない…どうすれば………

頭蓋骨の亀裂に右肩の骨、右脇腹への打撃のみでは飽き足らず顔面と顎にも加えた。損傷が激しいのも当たり前か。

立会中に痛みを訴える様子がなかった…。どういうこと…?

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