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Stage1 神住(ムラクモ)VS春途(ルードステア)
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剣導部 剣戟抜粋!Stage1
第1試合 神住(ムラクモ)VS春途(ルードステア)
稽古ですか。ええ、喜んでお受けしますよ
けれどわたくしは他人に何かを教える、という行為自体に
経験がありませんのでご理解ください。
うん。わかった。
じゃあ始めよう―
そういうと俺はルードステアを抜き右下に構える。対する神住は
中段の構えだ。これという穴が見つからない完成された構え。それに加え、眼は俺を見失わないという執念のようなものが感じられる。
さあ、打って来なさい。春途さんの剣、見て差し上げます
ああ。いかせてもらうよっっ!!はあっ!
右下に構えたルードステアを神住に向けて斬り上げる。
踏み込みが甘いです…それ!
ザッ!
ぐぅ…!?
しかし斬り上げるは空回り、手痛い一撃を峰で受ける。
どうしたんですか?春途さん。
以前のような積極性が欠けていますよ?
何がそんなに怖いのですか?
(恐らくは全国本選の際の怪我だと思うけど……
春途さん自身がそれに気づいていないとすれば…)
春途さん、今からわたくしの方から打ち込んでもよろしいですか?
え?うん、お願いするよ!
では。はああっ!!
ザシュン!
わたくしは春途さんが怪我をした箇所を
狙うように突きを放った。
っ…!?
あっぶなあ!
けれど春途さんは間一髪でそれを躱した。
流石に見ていますね。春途さん
そりゃ流石にね~。今のは?
ええ。とある箇所を狙わせてもらいました。
そっか。
次、参りますよ。ふん!!
右足で地面を強く踏み、右上段の構えを取る。そして
せいやあっ!!
無慈悲に振り下ろす。
ザバアッ!
ぐっ……!?
それは精確に春途さんの右肩を削いでいた。
っつー………やるなあ。神住さんは
(今の一撃…右胸を狙ったつもりでしたのに……逸らされた)
痛み入ります。
今度は俺から行くよ!
ダッ!
そういうと俺は全力で地面を蹴り神住さんに接近した。
しかし
時期尚早、ですよ。春途さん
チャキッ……ザシュ!!
うあっ!?……あっぶない……。
なんと神住は見えぬ斬撃を放った。俺は間一髪でそれを躱した。
そして再び神住さんへ向き合うと神住さんは別人へと変貌を遂げていた。
神住…さん…だよな……?
髪色は綺麗な白に、眼はオレンジ色へと替わりムラクモは禍々しい朱を纏っていた。その姿はまるで
獣……
そう、嬉々として血肉を喰らう獣のようだ。口角は吊り上がり眼は得物を捉え今に今に喰らいつかんとしている。
こんな神住は見たことがない。まあいつも初撃でやられてるから見ているハズもないが。
恐る恐る、ゆらっと立ち上がりルードステアを構える。青眼の構えだ。そして前進、鍔迫り合いに持ち込んだ。
キンッ!キン!ジジジジジ………
どうしたんだよ神住さん!
カン!
キュッ、シュトッ、
はあああ!
俺は上へ飛び全体重を乗せて振り下ろした。
パシーン!!…………え?
弾かれた。それも片手持ちでダルそうにだ。
体勢を崩した俺を見逃すはずもなく―――
ズバンッ!
こうして立会は幕を閉じた。
第1試合 神住(ムラクモ)VS春途(ルードステア)
稽古ですか。ええ、喜んでお受けしますよ
けれどわたくしは他人に何かを教える、という行為自体に
経験がありませんのでご理解ください。
うん。わかった。
じゃあ始めよう―
そういうと俺はルードステアを抜き右下に構える。対する神住は
中段の構えだ。これという穴が見つからない完成された構え。それに加え、眼は俺を見失わないという執念のようなものが感じられる。
さあ、打って来なさい。春途さんの剣、見て差し上げます
ああ。いかせてもらうよっっ!!はあっ!
右下に構えたルードステアを神住に向けて斬り上げる。
踏み込みが甘いです…それ!
ザッ!
ぐぅ…!?
しかし斬り上げるは空回り、手痛い一撃を峰で受ける。
どうしたんですか?春途さん。
以前のような積極性が欠けていますよ?
何がそんなに怖いのですか?
(恐らくは全国本選の際の怪我だと思うけど……
春途さん自身がそれに気づいていないとすれば…)
春途さん、今からわたくしの方から打ち込んでもよろしいですか?
え?うん、お願いするよ!
では。はああっ!!
ザシュン!
わたくしは春途さんが怪我をした箇所を
狙うように突きを放った。
っ…!?
あっぶなあ!
けれど春途さんは間一髪でそれを躱した。
流石に見ていますね。春途さん
そりゃ流石にね~。今のは?
ええ。とある箇所を狙わせてもらいました。
そっか。
次、参りますよ。ふん!!
右足で地面を強く踏み、右上段の構えを取る。そして
せいやあっ!!
無慈悲に振り下ろす。
ザバアッ!
ぐっ……!?
それは精確に春途さんの右肩を削いでいた。
っつー………やるなあ。神住さんは
(今の一撃…右胸を狙ったつもりでしたのに……逸らされた)
痛み入ります。
今度は俺から行くよ!
ダッ!
そういうと俺は全力で地面を蹴り神住さんに接近した。
しかし
時期尚早、ですよ。春途さん
チャキッ……ザシュ!!
うあっ!?……あっぶない……。
なんと神住は見えぬ斬撃を放った。俺は間一髪でそれを躱した。
そして再び神住さんへ向き合うと神住さんは別人へと変貌を遂げていた。
神住…さん…だよな……?
髪色は綺麗な白に、眼はオレンジ色へと替わりムラクモは禍々しい朱を纏っていた。その姿はまるで
獣……
そう、嬉々として血肉を喰らう獣のようだ。口角は吊り上がり眼は得物を捉え今に今に喰らいつかんとしている。
こんな神住は見たことがない。まあいつも初撃でやられてるから見ているハズもないが。
恐る恐る、ゆらっと立ち上がりルードステアを構える。青眼の構えだ。そして前進、鍔迫り合いに持ち込んだ。
キンッ!キン!ジジジジジ………
どうしたんだよ神住さん!
カン!
キュッ、シュトッ、
はあああ!
俺は上へ飛び全体重を乗せて振り下ろした。
パシーン!!…………え?
弾かれた。それも片手持ちでダルそうにだ。
体勢を崩した俺を見逃すはずもなく―――
ズバンッ!
こうして立会は幕を閉じた。
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