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反乱軍の首謀者

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父上と二人思ったより朝早く目が覚めた。枕が変わっても眠れるものだ。父上も俺も気にしない性分みたいだ。母上にルナにレオへの戻ってからのお詫びにメモを取ろうと決めた。庶民の生活を経験しておく貴重な時間だ。せめてもの土産話が心配かけたお詫びになるように。父上が庶民でいる様子も土産になると思う。



宰相に報告に来てもらうのも立場が逆転している今ではおかしいのでこちらから定期的に顔を見せに通うことにした。だれでもできる用事を任せてもらって宰相の近くに報告して向こうから用事があれば声がかかるようにしておいた。今回は兵士がつかう手袋と足袋を100ずつ市場で購入したお使いをもって行った。今のタイミングでは用事はないようだ。



午後に宿から預かったシーツを馬車に載せて持って行った。宰相から目線で指示を受けたのでこないだの建物で会うことができた。
「陛下、アーロ様、宿では問題ありませんか?」
「のびのびと楽しんでいるぞ」
「それならいいのです。反乱軍に動きがありました。こんなものを投げ入れていきました」
「声明文か。我が国への恨みか」



声明文
今はなき我が国はハンド―ラの侵略により家族と国を失うことになった。一方的に攻め込んで罪もなき女子供も関係なく殺害し悪逆非道である。同胞はハンド―ラに対し独立を勝ち取り平和な国を再建するために集まったのである。交渉のために国王と皇太子を人質にしている。また連絡する。S


「父上、我が国が一方的に攻め込んだ事実がありましたか?」
「それはない。国民が知らない国の歴史はあるが一方的に攻め込んだりはしない。まずは交渉から始まる。それがハンド―ラだ」
「俺もそのように習ってきているから、声明文を読んで不安になったのです」
「アーロ様確かに私も不安に思いました。でも陛下がそのようにおっしゃるなら問題ありません」
「この人物には心当たりがある。俺の執務室に戻れば分かるのだが。このなりでは戻れないな」



国王が生きていたとはまだ発表しないほうがいいと思う。宰相もそのお考えだ。



翌日に反乱軍から連絡がきた。日時と場所がしてあり交渉にあたる人物は二人で警護は五人と指定してきた。建物から百メートル以内に近づかないこと。国王と皇太子の人質の命がかかっているからと念を押してきた。



「いかねばならない。私ともう一人連れて参ります」
「警護の兵士は精鋭部隊から五人選んでおくから頼むぞ、宰相」
「承知いたしました。まずは一回交渉に望んでみましょう」

古い建物の中で何十人もの男どもが話し合っている。
「もう三日だ。食べ物もないし自由に外にもいけない。本当にハンド―ラ取れるのか?」
「話が違う。国王と皇太子を人質にすればこちらの自由にできると言っていたが信用ならねぇ」
「騒ぐな!どこで誰が聞いているか分からねえだろ。明日の交渉で一気に畳み掛けるから心配するな!わかったか!」



ハンド―ラと反乱軍の交渉は明日行われる。
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