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最初の敵
足跡
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「考えてみれば、私…いや、オレ達
まだ来て2日目なんだよな。」
「そう。2日目にして早速ボス戦。
無理ゲーにも程があるよね。
しかも魔導師ばっかパーティー。」
譲は虚ろな目で目的地を目指しながら応えるが、雛乃は対照的な意味に捉えていたらしい。
「これで上手くいけば3ヶ月で魔王っていうのも
無理じゃないんじゃないかな!?」
譲は無言だったが、多分俺が言ってたらぶっ飛ばされてるな。と典明は思った。
典明にとっては例の如くだが、案内人としてコレットが譲と雛乃の後ろについている。
例外者である典明と、無理を言ってついてきたフィンは3人の後に並んで続く形だ。
「典明、雛乃っていうのは女の子の名前なの?」
典明にとってフィンは主人公時代、例に漏れず美人局に遭って初期の所持金を巻き上げられたし、放棄してからは一人の時を見かけたら腹いせに当たり散らしていた相手。
並んで歩くとなると気まずいし、お互い過去の蟠りとか色々どうしていこうかって思っていた相手に唐突に話しかけられたのと、
え、俺は呼び捨て?とか、考え過ぎて固まったが、自分が思っていた程フィンが八つ当たりされた事を恨んでいる様子でも無いようなのでちょっと安堵した。
フィンの表情の硬さになんとなく察する部分もあり、素直に答える。
「ああ、そうだ。
元の世界では女の子だったらしいからな。
譲は雛乃を女に戻す為に
ゲームクリア目指してるらしい。」
「…つまり、今はちゃんと男の人なんだよね?」
「体はどっからどうみても男だろ。
逆に譲は元から男なのに
女みてーな見た目してるから疑うのはわかる。」
聞こえていないか確認しながら返答する典明の隣で、フィンは唇に指をあてながら思案顔だ。
「そっか…なら、期限は
ゲームクリアまでって事だね。」
「期限?何の話だ?」
辛うじて聴き取れるくらいの呟きに典明が訊き返したが、「さぁ?」とはぐらかされた。
「そろそろボスダンジョンです。
入り組んだ洞窟になる為、
必ず道を選ぶ前に足跡を探して下さい。
間違った道に一歩でも入ると自動的に
次の選択肢まで移動してしまいます。」
コレットがつらつらと説明を述べる。
こういう時だけNPCっぽいな、と思う。
まだ来て2日目なんだよな。」
「そう。2日目にして早速ボス戦。
無理ゲーにも程があるよね。
しかも魔導師ばっかパーティー。」
譲は虚ろな目で目的地を目指しながら応えるが、雛乃は対照的な意味に捉えていたらしい。
「これで上手くいけば3ヶ月で魔王っていうのも
無理じゃないんじゃないかな!?」
譲は無言だったが、多分俺が言ってたらぶっ飛ばされてるな。と典明は思った。
典明にとっては例の如くだが、案内人としてコレットが譲と雛乃の後ろについている。
例外者である典明と、無理を言ってついてきたフィンは3人の後に並んで続く形だ。
「典明、雛乃っていうのは女の子の名前なの?」
典明にとってフィンは主人公時代、例に漏れず美人局に遭って初期の所持金を巻き上げられたし、放棄してからは一人の時を見かけたら腹いせに当たり散らしていた相手。
並んで歩くとなると気まずいし、お互い過去の蟠りとか色々どうしていこうかって思っていた相手に唐突に話しかけられたのと、
え、俺は呼び捨て?とか、考え過ぎて固まったが、自分が思っていた程フィンが八つ当たりされた事を恨んでいる様子でも無いようなのでちょっと安堵した。
フィンの表情の硬さになんとなく察する部分もあり、素直に答える。
「ああ、そうだ。
元の世界では女の子だったらしいからな。
譲は雛乃を女に戻す為に
ゲームクリア目指してるらしい。」
「…つまり、今はちゃんと男の人なんだよね?」
「体はどっからどうみても男だろ。
逆に譲は元から男なのに
女みてーな見た目してるから疑うのはわかる。」
聞こえていないか確認しながら返答する典明の隣で、フィンは唇に指をあてながら思案顔だ。
「そっか…なら、期限は
ゲームクリアまでって事だね。」
「期限?何の話だ?」
辛うじて聴き取れるくらいの呟きに典明が訊き返したが、「さぁ?」とはぐらかされた。
「そろそろボスダンジョンです。
入り組んだ洞窟になる為、
必ず道を選ぶ前に足跡を探して下さい。
間違った道に一歩でも入ると自動的に
次の選択肢まで移動してしまいます。」
コレットがつらつらと説明を述べる。
こういう時だけNPCっぽいな、と思う。
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