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覚醒は突然に
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親は共働きで基本日中不在なので特に問題もなく自分の部屋へ連れてきて、傷の手当てをした。
「よかった、傷は浅いみたい。」
「ああ、この程度の傷などヘリクセンに受けた傷と比べればなんてことは無い。」
何、ヘリクセン…!
生物名か人物名か国の名前かさえ分からないけど、そこはスルーする。
「「まずは…」」
「どこまで現世の記憶があるかを…」
「妻を探さなくては!」
同時に喋っていたからごちゃまぜになっちゃったけど、…は?
妻??
「え、亡くなったでしょう。」
「私がこの世界に転生したのだ、妻もきっとこの世界に転生して…」
「ちょっと待って!転生とかは分かってんのね!?」
「ああ、勿論。異世界転生というやつだろう?」
知識的には現世の物を引き継いでいる、と。
けど感情や感覚が前世に引っ張られてるって感じ…?
「必ず守ると約束していたのに、ヘリクセンとの戦いに敗れ、妻は私の亡き後おそらくは…。」
非業の死を遂げたっぽい事は察して言葉に詰まる。
けど、だからって現世の今までを無かったことにして、挙句前世の関連者探すために生涯を棒に振ろうとしているとなると黙ってもいられない。
「それは、あくまで前世です。」
「わかっておる。」
「生まれ変わった今は、現世を生きるべきです。
他の方も同じ世界に転生しているとは限らない。」
すると、国王はこっちを真っ直ぐに見つめ返してきた。
「同じ世界に転生していると、私は確信している。」
瞳に揺らぎはなく、本当に確信している人の目だ。
「なぜ…」
「そなたが居たからだ。
数多の精霊を操り、我が国を勝利へ導き続けた予言者である最高神官。」
「え?」
何その最強設定。
「ヘリクセンに手籠めにされ、精霊の加護を失った後も、私を責める事もなく
死の際には駆けつけて約束してくれた。
『あなたが望む人たちを同じ世界へ送り届けます。』と。」
何してくれてんだ前世!
いや、本当にそれ前世か!?私か!?
「人違いでは…、」
「背中に星の形の小さな痣がある。生まれつきのものだった。」
「!」
息をのむ。
確かに私には生まれつき痣がある。
星に見えなくもない。
「妻は齢7つにして嫁がされ、私とそなた以外に頼る者もなかった。
言ってはなんだが、コミュニケーション能力に難のある子でな。」
なんだ、好きってわけではないのか。と心の中で胸をなでおろす。
「ただ会って謝りたいだけだ。
それが終わったら未練はない。
おそらくは、時が経つにつれてこの前世の記憶も薄れよう。」
「じゃあ…」
「そう、妻を探すだけでいい。」
それ滅茶苦茶難易度高いんですけどね!
と心の中でツッコミながらも、解決策があった事に安堵した。
「ああ、でも、見た目はそのままでしょうか…。」
「現に私がこの髪と瞳だしな。」
「え!?それ地毛だったの!?」
染めててカラコンなんだと思ってた!
言われて初めて隼人の髪に触れる。
「確かに生え際も黒くないし…瞳も…」
言いかけて、ようやく自分の顔の近さに気付いた。
「そなたも幼い頃の姿そのものだ。」
幼い…。
こっちはドキッとしてるのに、どうやら国王様はかなり年老いて死んだらしい。
「現世のままであったなら今頃そなたと同じ顔色になっていたであろうな。」
にこやかに言われて鏡を見れば、耳まで真っ赤に染まっていた。
オジサンに好かれたって別に嬉しくないけど、なんか悔しい。
「よかった、傷は浅いみたい。」
「ああ、この程度の傷などヘリクセンに受けた傷と比べればなんてことは無い。」
何、ヘリクセン…!
生物名か人物名か国の名前かさえ分からないけど、そこはスルーする。
「「まずは…」」
「どこまで現世の記憶があるかを…」
「妻を探さなくては!」
同時に喋っていたからごちゃまぜになっちゃったけど、…は?
妻??
「え、亡くなったでしょう。」
「私がこの世界に転生したのだ、妻もきっとこの世界に転生して…」
「ちょっと待って!転生とかは分かってんのね!?」
「ああ、勿論。異世界転生というやつだろう?」
知識的には現世の物を引き継いでいる、と。
けど感情や感覚が前世に引っ張られてるって感じ…?
「必ず守ると約束していたのに、ヘリクセンとの戦いに敗れ、妻は私の亡き後おそらくは…。」
非業の死を遂げたっぽい事は察して言葉に詰まる。
けど、だからって現世の今までを無かったことにして、挙句前世の関連者探すために生涯を棒に振ろうとしているとなると黙ってもいられない。
「それは、あくまで前世です。」
「わかっておる。」
「生まれ変わった今は、現世を生きるべきです。
他の方も同じ世界に転生しているとは限らない。」
すると、国王はこっちを真っ直ぐに見つめ返してきた。
「同じ世界に転生していると、私は確信している。」
瞳に揺らぎはなく、本当に確信している人の目だ。
「なぜ…」
「そなたが居たからだ。
数多の精霊を操り、我が国を勝利へ導き続けた予言者である最高神官。」
「え?」
何その最強設定。
「ヘリクセンに手籠めにされ、精霊の加護を失った後も、私を責める事もなく
死の際には駆けつけて約束してくれた。
『あなたが望む人たちを同じ世界へ送り届けます。』と。」
何してくれてんだ前世!
いや、本当にそれ前世か!?私か!?
「人違いでは…、」
「背中に星の形の小さな痣がある。生まれつきのものだった。」
「!」
息をのむ。
確かに私には生まれつき痣がある。
星に見えなくもない。
「妻は齢7つにして嫁がされ、私とそなた以外に頼る者もなかった。
言ってはなんだが、コミュニケーション能力に難のある子でな。」
なんだ、好きってわけではないのか。と心の中で胸をなでおろす。
「ただ会って謝りたいだけだ。
それが終わったら未練はない。
おそらくは、時が経つにつれてこの前世の記憶も薄れよう。」
「じゃあ…」
「そう、妻を探すだけでいい。」
それ滅茶苦茶難易度高いんですけどね!
と心の中でツッコミながらも、解決策があった事に安堵した。
「ああ、でも、見た目はそのままでしょうか…。」
「現に私がこの髪と瞳だしな。」
「え!?それ地毛だったの!?」
染めててカラコンなんだと思ってた!
言われて初めて隼人の髪に触れる。
「確かに生え際も黒くないし…瞳も…」
言いかけて、ようやく自分の顔の近さに気付いた。
「そなたも幼い頃の姿そのものだ。」
幼い…。
こっちはドキッとしてるのに、どうやら国王様はかなり年老いて死んだらしい。
「現世のままであったなら今頃そなたと同じ顔色になっていたであろうな。」
にこやかに言われて鏡を見れば、耳まで真っ赤に染まっていた。
オジサンに好かれたって別に嬉しくないけど、なんか悔しい。
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