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第1章
僕は小悪魔?
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覗き魔くんから王道の説明を受けた。
「それって本当に起きるの? ちょっと現実的じゃないというか······。もしかして覗き魔くん、妄想と現実の区別が······」
「いや違うからね?! そんな目で見ないでっ!」
「うん、知ってる。冗談だしね」
「小悪魔かっ!」
ふふっ、僕が小悪魔? 死神って呼ばれたことはあるけど、小悪魔なんて始めて言われたよ。やっぱり覗き魔くんは面白いなぁ。
「そうかもしれないね。でも覗き魔くんってそういうのが好きなんじゃないの?」
覗き魔くんと距離を詰めて、首筋にするりと手を回してみる。
「え、あ···へぇ?」
覗き魔くんが耳まで真っ赤にしておどおどしている。
あはは、覗き魔くんって意外と耐性無いんだね。さっきまで普通に盗撮してたのに。
もしかして──
「覗き魔くんって、経験無し?」
半分冗談で質問してみると、覗き魔くんがビクッと肩を揺らす。
「そ、そんなこと·········あははー」
覗き魔くん、その反応はすごくバレバレだと思うよ·····。どもっちゃってるもん。目も泳いでるし。
「それにしても不思議だよね。覗き魔くんって"顔は"良いからモテると思うんだけど······」
不思議に思って首を傾げる。
やっぱり、いくら顔が良くても盗撮覗き魔はお断りされちゃうのかな? 最中に撮影とかされたら嫌だしね。
想像したらちょっと気分が······。
「"顔は"って何!? そこ強調し過ぎ!」
「うーん、それ以外の言葉が浮かばなくて······ところで覗き魔くん」
「なに?」
「さっきからすごい殺気向けられてるけど、大丈夫?」
クラスメイト達に視線を向ける。僕に釣られるように、覗き魔くんもそちらを見る。
「え、何あれこわっ! 嫉妬か! 嫉妬ですね、ぐ腐腐」
そこには──覗き魔くんを、凄い形相で睨みつけるクラスメイト達が居た。
······覗き魔くんは今までどうやって生きてきたんだろう。あの殺気に気が付かないなんて、危機管理能力が心配だよ。
「覗き魔くん、僕はこれから用事があるから、じゃあね」
「え、ちょっとま──」
覗き魔くんの声が聞こえた気がするけど、気のせいだと思い教室を後にする。
巻き込まれたらめんどくさいからね。突っ込んでる系男子の覗き魔くんにはご褒美かもだけど、僕って結構忙しいから。
「屋上に行こうかな。王道学園についても調べる必要がありそうだし」
本当に覗き魔くんが言った通りになったとしたら、この学園相当荒れるよね。僕の手中にあるこの学園を荒らされるなんて──少し不快だ。
僕はポケットからスマホを取り出して、屋上に向かう事にした。
「それって本当に起きるの? ちょっと現実的じゃないというか······。もしかして覗き魔くん、妄想と現実の区別が······」
「いや違うからね?! そんな目で見ないでっ!」
「うん、知ってる。冗談だしね」
「小悪魔かっ!」
ふふっ、僕が小悪魔? 死神って呼ばれたことはあるけど、小悪魔なんて始めて言われたよ。やっぱり覗き魔くんは面白いなぁ。
「そうかもしれないね。でも覗き魔くんってそういうのが好きなんじゃないの?」
覗き魔くんと距離を詰めて、首筋にするりと手を回してみる。
「え、あ···へぇ?」
覗き魔くんが耳まで真っ赤にしておどおどしている。
あはは、覗き魔くんって意外と耐性無いんだね。さっきまで普通に盗撮してたのに。
もしかして──
「覗き魔くんって、経験無し?」
半分冗談で質問してみると、覗き魔くんがビクッと肩を揺らす。
「そ、そんなこと·········あははー」
覗き魔くん、その反応はすごくバレバレだと思うよ·····。どもっちゃってるもん。目も泳いでるし。
「それにしても不思議だよね。覗き魔くんって"顔は"良いからモテると思うんだけど······」
不思議に思って首を傾げる。
やっぱり、いくら顔が良くても盗撮覗き魔はお断りされちゃうのかな? 最中に撮影とかされたら嫌だしね。
想像したらちょっと気分が······。
「"顔は"って何!? そこ強調し過ぎ!」
「うーん、それ以外の言葉が浮かばなくて······ところで覗き魔くん」
「なに?」
「さっきからすごい殺気向けられてるけど、大丈夫?」
クラスメイト達に視線を向ける。僕に釣られるように、覗き魔くんもそちらを見る。
「え、何あれこわっ! 嫉妬か! 嫉妬ですね、ぐ腐腐」
そこには──覗き魔くんを、凄い形相で睨みつけるクラスメイト達が居た。
······覗き魔くんは今までどうやって生きてきたんだろう。あの殺気に気が付かないなんて、危機管理能力が心配だよ。
「覗き魔くん、僕はこれから用事があるから、じゃあね」
「え、ちょっとま──」
覗き魔くんの声が聞こえた気がするけど、気のせいだと思い教室を後にする。
巻き込まれたらめんどくさいからね。突っ込んでる系男子の覗き魔くんにはご褒美かもだけど、僕って結構忙しいから。
「屋上に行こうかな。王道学園についても調べる必要がありそうだし」
本当に覗き魔くんが言った通りになったとしたら、この学園相当荒れるよね。僕の手中にあるこの学園を荒らされるなんて──少し不快だ。
僕はポケットからスマホを取り出して、屋上に向かう事にした。
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